刺客列傳 第五話 「荊軻」 転の段 1
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/11 00:47 投稿番号: [292 / 735]
遂至秦、持千金之資幣物、厚遺秦王寵臣中庶子蒙嘉。嘉爲先言於秦王曰。
燕王誠振怖大王之威、不敢擧兵以逆軍吏、願舉國爲内臣、比諸侯之列、
給貢職如郡縣、而得奉守先王之宗廟。恐懼不敢自陳。謹斬樊於期之頭、
及獻燕督亢之地圖、函封。燕王拝送于庭、使使以聞大王。唯大王命之。
遂に秦に至り、千金の資幣物を持して、厚く秦王の寵臣、
中庶子・蒙嘉に遺(おく)る。
嘉、爲(ため)に先ず秦王に言いて曰く、「燕王、誠に大王の威に振怖し、
敢えて兵を擧げ以て軍吏に逆せず。
國を舉げて内臣となりて、諸侯の列に比し、貢職を給すること郡縣の如くに
して、先王の宗廟を奉守するを得んことを願へども、恐懼して敢て自ら陳せず。
謹んで樊於期の頭を斬り、及び燕の督亢の地圖の函封したるを獻ず。
燕王、庭に拝送し、使ひをして以て大王に聞かしむ。
唯(ただ)大王これを命ぜよ」
荊軻はいよいよ秦に到着した。
千金の価値のある品々を持参して、厚く秦王の寵臣である中庶子の蒙嘉に
贈った。蒙嘉は、そのために、先ず秦王にこのように言った。
「燕王は誠に大王の威に恐れ慄き、軍を起こしてわが秦の軍吏に逆らおうと
する勇気はありません。
国を舉げて大王の内臣となって、諸侯の列に並び、我が秦国の郡県のように
貢物を献上したいとし、燕の先祖の王の宗廟を奉守し続けることができる
よう願っておりますが、恐懼して敢えてみずから陳べることができません。
そこで謹んで樊於期の首を斬り、それに加えて燕の督亢(とくこう)の地図を
函(はこ)に入れて封印したものを献上してきております。
燕王が王宮の庭にて拝送し、使者を派遣して大王に言上したいとの
ことでございます。
ただ大王の命をお待ち申し上げております」
★中庶子・・・官職名。皇室、諸官吏の戸籍係。
★結果として、荊軻は秦王暗殺に失敗するわけですが、すると
この蒙嘉という人はどうなるのでしょう。まあ、命はないのでしょうね。
つづく
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これは メッセージ 291 (ajisai110701 さん)への返信です.
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