Re: 刺客列傳 第五話 「荊軻」 起の段
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/06 00:17 投稿番号: [264 / 735]
★「即起趨出」の「趨」
「こばしり」ですが、太子という貴人の前ですので、
悠然と歩くのは失礼なので、こ走りに出て行ったのです。
★「田光俛而笑曰」「田光俛(ふ)して笑いて曰く」
なぜ、田光先生はうつむいて笑ったのか。これはどういう「笑い」なのか。
「うつむく」というのは、相手に自分の顔を見られないための行為です。
ではなぜ田光は、太子丹に自分の顔を見られたくなかったのか。
①丹に対する疑念が湧いた。
「自分や荊軻の命をあずけるに価する相手だろうか」
②丹に対しての「なんだ、こいつ・・」という冷笑を見せたくなかった。
③丹の田光への「疑」に対し、身のあかしを立てるために死ぬ決心をした。
おまえのようなやつにかかわったせいで俺は死ぬのだという、自嘲的な
複雑な気持ちを持った。自分の浅慮、うかつな行動を侮蔑する笑い。
★「僂行」「背中をまるめて」
田光先生が太子丹に会いに行ったときは、
そんなことは書いてありませんでした。
おそらく、颯爽と会見に臨んだものと思われます。
それにさっきはこ走りに走ったばかりです。
急に年相応の老人に老け込んで背中をまるめよたよたしたのです。
なぜでしょうか。
太子丹が言わずもがなのことを言ったからです。
鞠武は、「燕に田光先生有り。其の人となりは智深くして勇沈(ふか)く、
與(とも)に謀る可し」と言っていました。
田光先生を人物だと見込み信頼したからこその密談でした。
それなのに太子丹は「口外するな」と。一言よけいでした。
すなわち、太子丹は田光先生を本当には認知していなかった、
ということになります。
太子丹にそれほどの意識はなかったでしょうが、
田光先生(士)にとっては生きるか死ぬかの名誉がかかった大問題でした。
すなわち田光先生は、太子丹が自分を「認知していない」と認識したのです。
★太子丹、田光を(無意識のうちに)不認知。
荊軻の秦王暗殺の失敗の遠因は、太子丹にあります。
太子丹の登場する場面は「失敗の予定調和」となっています。
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これは メッセージ 263 (ajisai110701 さん)への返信です.
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