Re: 星落秋風五丈原 土井晩翠
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/25 21:29 投稿番号: [188 / 735]
成算胸に藏りて
乾坤こゝに一局棊
たゞ掌上に指すがごと
三分の計はや成れば
見よ九天の雲は垂れ
四海の水は皆立ちて
蛟龍飛びて淵の外
英才雲と群がれる
世も千仭の鳳高く
翔くる雲井の伴やたそ
東新野の夏の草
南瀘水の秋の波
戎馬關山いくとせか
風塵暗きただなかに
たてしいさをの數いかに
江陵去りて行先は
武昌夏口の秋の陣
一葉輕く棹さして
三寸の舌呉に説けば
見よ大江の風狂ひ
焔亂れて姦雄の
雄圖碎けぬ波あらく
劔閣天にそび入りて
あらしは叫び雲は散り
金鼓震ひて十萬の
雄師は圍む成都城
漢中尋で陷りて
三分の基はや固し
定軍山の霧は晴れ
汚陽の渡り月は澄み
赤符再び世に出でゝ
興るべりかりし漢の運
天か股肱の命盡きて
襄陽遂に守りなく
玉泉山の夕まぐれ
恨みは長し雲の色
中原北に眺むれば
冕旒塵に汚されて
炎精あはれ色も無し
さらば漢家の一宗派
わが君王をいただきて
踏ませまつらむ九五の位
天の暦數こゝにつぐ
時建安の二十六
景星照りて錦江の
流に泛ぶ花の影
花とこしへの春ならじ
夏の火峯の雲落ちて
御林の陣を焚く掃ふ
四十餘營のあといづこ
雲雨荒臺夢ならず
巫山のかたへ秋寒く
名も白帝の城のうち
龍駕駐るいつまでか
つづく
これは メッセージ 187 (ajisai110701 さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1835412/bbgmdb2vdbffcbeh_1/188.html