紫陽花亭日乗

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八月七日初入●過惶恐灘     蘇軾

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/20 21:55 投稿番号: [144 / 735]
八月七日初入●過惶恐灘       蘇軾(北宋・1036〜1101)
八月七日   初めて●(カン)に入り惶恐灘を過ぐ

●・・・「章」+「久」、その下に「貢」   カン。   江西省の別名。


七千里外二毛人       七千里外   二毛の人
十八灘頭一葉身       十八灘頭   一葉の身
山憶喜歡勞遠夢       山は喜歡を憶うて   遠夢を勞し
地名惶恐泣孤臣       地は惶恐と名づけて   孤臣を泣かしむ
長風送客添帆腹       長風   客を送って帆腹を添え
積雨浮舟減石鱗       積雨   舟を浮かべて石鱗を減ず
便合與官充水手       便ち合(まさ)に官の與(ため)に水手に充(あ)つべし
此生何止略知津       此の生   何ぞ止(た)だに
             略(ほぼ)   津を知るのみならんや


都を離れること七千里、老いて白髪まじりの私は
十八か所の早瀬を行き、頼りない小舟に身を任す
山の姿に蜀の地の錯喜歡鋪を思い出して、夢ははるかな故郷へ飛ぶが
この場所の名は惶恐灘(おそれの早瀬)、よるべなき身は涙するばかり
しかし、万里を吹き渡る風が舟の帆をふくらませて旅人を送り
雨に水かさが増し、危険な浅瀬の波も立たなくなった
ここではお上のために水夫の役目を果たすとしようか
あちこち流謫された経験のおかげで、
私はただ単に渡し場を知っている程度ではないのだから


★蘇軾五十九歳のときの作。

★南の果ての恵州(広東省)に飛ばされることになった。
その南下の途上での作。

★詩の前半では、遠く辺境に流され行く悲しみと旅の苦しさとが
切々と語られ、作者の憂愁が読者の胸に迫ってくる。
後半は、気を取り直したように、現状を甘受し、
むしろ居直りにも似た心境を詠む。


★石川忠久『蘇東坡100選』NHKライブラリー

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★ついでに「惶恐灘」の出てくる蘇軾の有名な詩をUP しました。

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