均冨
投稿者: tokyo_cachito3 投稿日時: 2012/12/05 07:22 投稿番号: [2947 / 3149]
「均冨」というのは昔からの中国国民党のスローガンだが、この用語、日本では使われていない。もちろん、この「冨を均す」という意味は誰でもわかる。多くの日本人は東アジアからインド、そして世界中の「旧植民地」を十把一絡げに「貧富の差が激しい」と、したり顔で言うが、これは根拠のない優越感と差別意識のあらわれで、社会保障制度の薄い日本やアメリカの貧富の差だって負けちゃいない。
では、台湾は長い国民党の統治のおかげで、その最大のスローガンとも言える「均冨」が実現し、あるいは実現に近づいているのかと言えば、もちろん、そんなことはない。「金満台湾」とは言え、社会保障制度が貧弱で弱者に厳しい現実は日本と同様である。そもそも「冨を均す」ことが可能なのか、どうか。北欧の数カ国は「高福祉・高負担」という、一種の国家主義、社会民主主義でこれをかなりの程度、実現させているが、それが必ずしも世界の規範、理想ではないように思う。というのも、絶望的な、そして、不当な身分制度【たとえばインドのカースト制】でない限りは、経済的な格差はどうにもならず、いかに「民主的」な現代社会でも、ある程度の「差」はこれを許容するほかはないだろうと考えるからである。もちろん、出来もしない、する気もない「スローガン」は引っ込めたほうがいいのだが、そんなキレイごとは台湾の人民だって始めから相手にもしていないだろう。
シナでは太平天国、そして毛沢東時代の文革の時期に「暴力」で階級を廃止し、「均冨」どころか、桃源郷のような理想社会を作ろうとはしたが、結局はみじめな失敗をしてしまった。その反動が現在の中国で、段取りを追った資本主義を経験せずに、いきなりの「開放」で爆発的な成長を遂げたものの、表面的な華やかさとは裏腹に社会の混乱と矛盾は想像以上のものがあって、これがいずれは重大な国内矛盾となって中国に襲い掛かってくるだろう。日本の衰退と中国の発展という一面的な図式だけで極東の政治地図は語れないのである。
これは メッセージ 2946 (tok*o*cach*to3 さん)への返信です.
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