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世界報道の自由の日

投稿者: jgeilsbandfreek 投稿日時: 2007/05/04 09:51 投稿番号: [996 / 4504]
(ちょっと古いですが)

「世界報道の自由の日」(World Press Freedom Day)の5月3日、世界新聞協会(WAN)主催で、ダライ・ラマに特別インタビューが行われた。

今日の平和と和解の向上にメディアが一役を担っていると思いますか。

■ ダライ・ラマ
  大変重要な役割を果たしています。世界はますます狭くなっています。世界のどこかで事件が起きても、すぐに世界全土に影響します。それは経済や環境問題、SARSやAIDSなど医療問題の分野にも言えることです。世界の片隅で何か災いが起きた場合、その余波や危険性はあらゆるところへ広がっていきます。これが今日の現実です。ですから、私たちは世界で何が起こっているのかを把握していなければなりません。世界はますます小さくなり、私たちが相互の認識と知識を培うことは、極めて大切なことなのです。
  しかし、メディア業界の人々にいつも伝えてきたことがあります。メディアは、災害や悲劇といったネガティブなことを多く報道する傾向があるということです。こうしたネガティブなニュースは、他者への思いやりという価値観に興味がなくても、人々からかなりの注目を浴びます。ニューデリー、ニューヨーク、パリ、モスクワで事件が起きるとすぐに、大事件としてトップニュースとして取り上げられます。しかし、毎日、様々な組織、団体、それに関わる人たちが何千人もの子供たちをケアしています。また、多くの団体や個人が、老人や病人の介護をしています。こうした世界の片隅に見られる他者への思いやりは、大変活動的なものばかりです。しかし、私たちがこうした事柄をとても素晴らしいことだと思っても、メディアにとってはそれほど重要なことではないようで、取り上げられることがあまりありません。新聞の購読者やテレビの視聴者は、「人間とは悪い生き物」という印象を植え付けられがちです。多くの人々はメディアを通して、「世界は悪化の一途を辿っている」と思っているのではないでしょうか。しかし、私は、そうは思いません。20世紀の間に世界は遥かに良くなったというのが私の感想です。人間性・人道という価値観が成熟し、多くの経験が生かされてきています。しかし、多くの人々は、メディアから入ってくる様々な情報によって逆の印象にとらえているようです。

メディアが読者や視聴者らを「脅かし」、そうした報道によって、世界の一部では状況が改善されなかったということがあったのでしょうか。

■ ダライ・ラマ
確かに、そうしたことがあったことは事実です。私たちは、世界中で不幸な出来事が起こっていることを知る権利があります。ネガティブな出来事すべてについて人々に話すことは正しいと思います。しかし、そのためには、メディアは、象のような「長い鼻」を持って事実をよく「嗅ぐ」ことが必要でしょう。事実に正面から向き合うのはもちろん、同じように側面、後面をチェックしなければなりません。メディアはあらゆる面を吟味し、誠意ある真実の報道を提供すべきです。政治的意図に影響されてはなりません。事実を観察し批判できる報道姿勢のあり方は、大変必要なものだからです。中立の立場で記事を書き、前向きな見解を伝えることは非常に重要なことなのです。世界には、基本的な人間性、優しさ、他者に対する思いやりがあるのです。問題や危機が発生したら、メディアは人々に(解決のための)選択、方法、可能性を提示しなければなりません。状況を変えることができる、改善していくことができる、という自信を人々に与える報道をしなければなりません。

報道の自由について、何か規制を敷くべきでしょうか。

■ ダライ・ラマ
メディアには、真実を報道できる徹底した自由が必要だと思います。ある意味において、メディア業界の人々は社会の重要な役割を担っています。メディアのあるべき究極のものは、政治や経済が絡んだものではなく、人道的なものであるべきです。もし報道の自由というものが、限度や規則などが全くないことを意味しているものであるならば、自由である価値などないでしょう。
私たちは共に力を合わせて、より良い世界、つまり人々が友情を分かち、常に他者に対する思いやりを抱き、平和であるよう努めている――そのような幸福な社会を目指していかなければ成りません。そこで、メディアの果たすべき責任がでてくると思うのです。しかし、これはメディア業界の人たちだけにあてはまることではなく、あらゆる分野、あらゆる職業の人々、例えば科学者、警察官、ビジネスマンの人たちもすべて、同じように(責任を共有し)関わっていくべきことなのです。
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