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永好和夫氏 8

投稿者: jgeilsbandfreek 投稿日時: 2007/12/12 17:09 投稿番号: [1598 / 4504]
  (2)問題点は実験、観察によって科学的に検証すべき

  1200℃で焼かれたとされる遺骨からDNAが検出された点について、さまざまな意見が述べられた。化学の常識では有機化合物は熱に弱く、たいていの有機化合物は500℃以上では分解してしまう。500℃以上の温度に加熱されたDNAが分解せずにそのまま残っている可能性がないことは、科学者にとっては明白なことである。この点について、日本政府の公式見解をはじめ、何人かの人びとは、骨の一部が熱に十分にさらされなかったためDNAが分解せずに残っていた可能性を指摘した。しかし、このことは遺骨のDNA鑑定結果を科学的に肯定することにはならない。科学は実験と観察に基づき理論的考察を行う学問である。このような主張をするならば、実験で用いた骨の一部が十分に加熱されていないことを科学的に検証しなければならない。

  一方、2月3日号の「ネイチャー」誌において吉井氏は、「遺骨は何でも吸い取る硬いスポンジのようなものだ。もし、遺骨にそれを取り扱った誰かの汗や油が浸み込んでいたら、どんなにうまくやってもそれらを取り出すことは不可能だろう」と述べている。この証言は、鑑定に用いた遺骨が高温に加熱されていたことを強く示唆する。加熱されていない生の骨は、発掘された古い遺骨でもわかるように、長期間放置されたものでも緻密な状態にある。一方、火葬された骨はもろく多孔質であることは広く知られている。生骨を空気中で加熱していくと、まず水分などの揮発成分が蒸発し、有機化合物は分解、燃焼し去る。さらに高温になるとナトリウムや塩素などの無機物が揮発したり、炭酸塩や硫酸塩などは分解して酸化物となり二酸化炭素や硫黄酸化物を発生して骨から揮発するため多孔質になる。吉井氏が「スポンジのようなもの」と表現していることは、遺骨が十分に高温になっていたことを示す根拠になる。もちろんこれだけでは確実とはいえない。重要な点は、加熱温度について議論するならば、議論するために必要な実験が必要であるということである。いくつかの実験を列挙すれば、

  (イ)DNAが残存しているならば、他の有機化合物も当然残存しているはずである。とくに油脂(トリグリセリド)などDNAよりも熱に安定な有機化合物は検出されて当然であろう。このためには、質量分析や抽出とクロマトグラフィーなどによって、遺骨中の人体に由来する有機化合物の分析を行う方法が考えられる。

  (ロ)遺骨の元素分析を行い、生骨やあまり高温に加熱されていない骨を対照試料として、成分を比較すれば、試料がどの程度の温度に加熱されたかを推定することができるであろう。とくに、あまり高温に加熱されていないのであれば、有機物が分解した炭素が多量に検出されるであろう。

  (ハ)試料の熱分析を行い、対照試料と比較すれば、骨の加熱温度に関する科学的知見が得られるであろう。

  単純に考えただけでも、骨の加熱温度について科学的に議論しようと思うのであればこれぐらいのことは必要であろうと気づく。ところが、日本政府は再現性が確認されていないDNA鑑定だけに固執し、それを裏付ける他の実験については何もしていないのである。政府は、遺骨の鑑定に関して科学の専門家と協議したかすら疑問である。あるいは、遺骨のDNA鑑定を行った吉井氏らのグループは、このような科学的視点すら持ち合わせていないのか。吉井氏自身、焼骨の鑑定するのは初めてのことであるならば、遺骨の分析をやっている専門家の意見を果たして訊いたのであろうか。

  実験に関する情報がすべて伏せられ密室で行われた科学的、客観性に欠如した実験、考察と思われても仕方がないではないか。日本政府は、一般の科学者に対して鑑定に関するすべての情報を公開すべきである。(熊本県朝鮮会館問題を考える市民の会、永好和夫)

[朝鮮新報 2007.12.12]


何故、北の言うことは無条件に信じられるのだろう?
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