アメリカ人の目1〜農業革命
投稿者: bosintang 投稿日時: 2003/06/22 22:45 投稿番号: [581 / 6952]
日本統治が終わって半世紀を経過した今でも,北であれ南であれ朝鮮半島の人々が植民地時代への憎悪を語る時だけは,完全に統一されてしまったかのようである。つらい体験を素材とした数々の小説が書かれ,映画やテレビドラマでも日本人の圧政を現代の視聴者に生々しく訴えるようなものが多数作られている。
また朝鮮の近現代史に関しても,日本の悪辣な搾取と広範に展開された朝鮮人の抵抗という,補完し合う二つの神話が創られた。
この搾取の神話は,朝鮮社会が破壊的な日本の経済政策によって半封建的な「未開発」の状態に置かれ,民族資本家も企業家精神や主体的経営能力のない買弁であったという考えをもたらした。
一方,抵抗の神話は,日本統治に協力したのは卑しい「親日派」だけにすぎなかっという信念を固定化した。
この二つの神話ができたのは,一つには,韓国・朝鮮の研究者を支えている民族主義的バイアスのためではあろうが,それは十分理解に値するものである。もう一つには,南北両政府が民族意識の強化を図ってきたことも,その理由として上げられよう。
しかし,最近の約十年間,西洋の研究者たちはこうした単純な図式に対して挑戦を試みてきた。
その成果の一例を挙げれば,たしかに朝鮮の農業経済がゆがめられていた(時には農業不況にまでなった)ことや,農業生産物の配分が朝鮮に非常に不公平だったことは否定できないものの,戦後の韓国社会が非常に高い生産性をもった農業構造を日本統治時代から受け継いだことが明らかにされている。台湾と朝鮮では,生産性の高い農業は急速な経済成長に不可欠の要素であった,それは植民地時代から戦後に引き継がれ,特に韓国ではよく機能したのである。
多くの開発途上国を見れば,アフリカの国々は農業の生産性を上昇させようと今でも必死に取り組んでいるし,インドやフィリピンの場合にも,いわゆる「緑の革命」を迎えたのは1960年代の半ばを過ぎてからであった。
それに対し朝鮮では,二十世紀の前半にこの農業革命が進められ,太平洋戦争の前夜には水田の生産性は,当時世界有数の生産性を誇った日本本土のそれと大差ない状態に達していた。
戦後,こうした高い生産性を誇る農業基盤は,小作人を土地所有者に変えた土地改革と結合することによって,韓国の経済発展に不可欠の要素となった。
マーク・ピーティー『20世紀の日本4 植民地−帝国50年の興亡』(読売新聞社1996)
また朝鮮の近現代史に関しても,日本の悪辣な搾取と広範に展開された朝鮮人の抵抗という,補完し合う二つの神話が創られた。
この搾取の神話は,朝鮮社会が破壊的な日本の経済政策によって半封建的な「未開発」の状態に置かれ,民族資本家も企業家精神や主体的経営能力のない買弁であったという考えをもたらした。
一方,抵抗の神話は,日本統治に協力したのは卑しい「親日派」だけにすぎなかっという信念を固定化した。
この二つの神話ができたのは,一つには,韓国・朝鮮の研究者を支えている民族主義的バイアスのためではあろうが,それは十分理解に値するものである。もう一つには,南北両政府が民族意識の強化を図ってきたことも,その理由として上げられよう。
しかし,最近の約十年間,西洋の研究者たちはこうした単純な図式に対して挑戦を試みてきた。
その成果の一例を挙げれば,たしかに朝鮮の農業経済がゆがめられていた(時には農業不況にまでなった)ことや,農業生産物の配分が朝鮮に非常に不公平だったことは否定できないものの,戦後の韓国社会が非常に高い生産性をもった農業構造を日本統治時代から受け継いだことが明らかにされている。台湾と朝鮮では,生産性の高い農業は急速な経済成長に不可欠の要素であった,それは植民地時代から戦後に引き継がれ,特に韓国ではよく機能したのである。
多くの開発途上国を見れば,アフリカの国々は農業の生産性を上昇させようと今でも必死に取り組んでいるし,インドやフィリピンの場合にも,いわゆる「緑の革命」を迎えたのは1960年代の半ばを過ぎてからであった。
それに対し朝鮮では,二十世紀の前半にこの農業革命が進められ,太平洋戦争の前夜には水田の生産性は,当時世界有数の生産性を誇った日本本土のそれと大差ない状態に達していた。
戦後,こうした高い生産性を誇る農業基盤は,小作人を土地所有者に変えた土地改革と結合することによって,韓国の経済発展に不可欠の要素となった。
マーク・ピーティー『20世紀の日本4 植民地−帝国50年の興亡』(読売新聞社1996)
これは メッセージ 579 (bosintang さん)への返信です.
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