チャングムの戦い 大江戸捜査網⑯
投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/01/24 15:02 投稿番号: [1652 / 6952]
昼が過ぎて、根岸が戻ってきました。
「評定所は大騒ぎでしたよ。昨晩野中右京大夫さまが病死されたそうです」
根岸の情報に、太田が聞き返します。
「あの評定所で一、二を争う実力者の野中さまですか」
「ええ・・・あまり大きな声では言えませんが、ただの病死ではなさそうです」
そのころ田沼屋敷、小兵衛が主殿頭と向かい合っております。
「小兵衛どの、そういうわけで、チャングムどの襲撃に野中と唐津藩が関わっていたことは間違いなさそうじゃ。野中は高麗人参の抜け荷をやっていたので、チャングムどのを朝鮮の密偵かと思い込んで襲撃したようだ」
「昨晩、野中どのは病死、唐津藩下屋敷では何か騒動があったとのことですが。たしか唐津藩の当主は水野越前守さまでしたな」
「野心旺盛な若者でな。幕閣になりたがっているらしい。最近では国替えを運動しているようだ・・・しかし事件と越前守を結ぶ直接的な証拠はない」
「追求できませぬか」
「野中から資金を献上されていただけで、本当に事情を知らない可能性も高いのだ。藩邸での騒擾不始末を譴責するのが精一杯かな」
苦いものを飲み下すように主殿頭はゆっくり言いました。
松平越中守屋敷。
「御前、野中右京大夫一味は粛清いたしました」
「ご苦労だった、内藤」
「はっ、して抜け荷に関わっていた朝鮮人らについてはいかがいたしましょう」
「・・・捨て置け。これ以上ことを荒立てる必要はない」
再び根岸宅。秋山親子も戻ってきました。
「チャングムさん。金先生を行かせてよかったのですか?」
大治郎が心配そうに訊きます。
「はい。金先生が選んだ道です。それによって好きな絵を描けるというなら仕方ありません」
にっこり笑うチャングム。
「そうですか。これからはチャングムさんが襲われる心配もなくなり、ゆっくりと町を歩けますね」
根岸の言葉で源内のことを思い出したのか、チャングムはやや顔を伏せます。
「・・・はい。通信使正使の趙ガンさまにようやく合流できます」
(源内先生の仇は・・・)
市中某所の土蔵。
数人の男女が集まっております。
チャリーン。
年増の女性が投げた18枚の小判がテーブル代わりの伏せた桶の上で乾いた音を立てます。
「今回の相手は、平賀源内さんを殺した奴らだよ。依頼者は朝鮮の少女チャングム」
「よし、乗った」
同心姿の男がすぐに小判を6枚取りました。
「八丁堀、あんたが真っ先に乗るなんて珍しいじゃないか」
「そういうときもあるんだよ。鉄」
鉄と呼ばれた坊主頭は、口笛を吹いて小判を6枚取りました
「どういう風の吹き回しかね。さて、女の依頼なら断れねぇな。勇次、あんたは」
勇次と呼ばれた男は、黙って残った小判を取ります。
「評定所は大騒ぎでしたよ。昨晩野中右京大夫さまが病死されたそうです」
根岸の情報に、太田が聞き返します。
「あの評定所で一、二を争う実力者の野中さまですか」
「ええ・・・あまり大きな声では言えませんが、ただの病死ではなさそうです」
そのころ田沼屋敷、小兵衛が主殿頭と向かい合っております。
「小兵衛どの、そういうわけで、チャングムどの襲撃に野中と唐津藩が関わっていたことは間違いなさそうじゃ。野中は高麗人参の抜け荷をやっていたので、チャングムどのを朝鮮の密偵かと思い込んで襲撃したようだ」
「昨晩、野中どのは病死、唐津藩下屋敷では何か騒動があったとのことですが。たしか唐津藩の当主は水野越前守さまでしたな」
「野心旺盛な若者でな。幕閣になりたがっているらしい。最近では国替えを運動しているようだ・・・しかし事件と越前守を結ぶ直接的な証拠はない」
「追求できませぬか」
「野中から資金を献上されていただけで、本当に事情を知らない可能性も高いのだ。藩邸での騒擾不始末を譴責するのが精一杯かな」
苦いものを飲み下すように主殿頭はゆっくり言いました。
松平越中守屋敷。
「御前、野中右京大夫一味は粛清いたしました」
「ご苦労だった、内藤」
「はっ、して抜け荷に関わっていた朝鮮人らについてはいかがいたしましょう」
「・・・捨て置け。これ以上ことを荒立てる必要はない」
再び根岸宅。秋山親子も戻ってきました。
「チャングムさん。金先生を行かせてよかったのですか?」
大治郎が心配そうに訊きます。
「はい。金先生が選んだ道です。それによって好きな絵を描けるというなら仕方ありません」
にっこり笑うチャングム。
「そうですか。これからはチャングムさんが襲われる心配もなくなり、ゆっくりと町を歩けますね」
根岸の言葉で源内のことを思い出したのか、チャングムはやや顔を伏せます。
「・・・はい。通信使正使の趙ガンさまにようやく合流できます」
(源内先生の仇は・・・)
市中某所の土蔵。
数人の男女が集まっております。
チャリーン。
年増の女性が投げた18枚の小判がテーブル代わりの伏せた桶の上で乾いた音を立てます。
「今回の相手は、平賀源内さんを殺した奴らだよ。依頼者は朝鮮の少女チャングム」
「よし、乗った」
同心姿の男がすぐに小判を6枚取りました。
「八丁堀、あんたが真っ先に乗るなんて珍しいじゃないか」
「そういうときもあるんだよ。鉄」
鉄と呼ばれた坊主頭は、口笛を吹いて小判を6枚取りました
「どういう風の吹き回しかね。さて、女の依頼なら断れねぇな。勇次、あんたは」
勇次と呼ばれた男は、黙って残った小判を取ります。
これは メッセージ 1651 (toapanlang さん)への返信です.
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