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(念のために)読売新聞社説(上)

投稿者: jgeilsbandfreek 投稿日時: 2006/08/16 07:06 投稿番号: [2566 / 10735]
  [首相靖国参拝]「『心の問題』だけではすまない」

  「8月15日を避けても批判、反発は変わらない。いつ行っても同じだ。ならば今日は適切な日ではないか」

  小泉首相が15日、靖国神社に参拝した。5年前の自民党総裁選での公約を“最後の参拝”で果たした形だ。中曽根首相の参拝以来、21年ぶりの8月15日参拝である。

  小泉首相の最初の参拝は、対外関係に配慮して8月13日に繰り上げ、その後も年1回の参拝は8月15日を外した。

  ◆中国の批判にも矛盾◆

  しかし、中国の姿勢は厳しくなるばかりだった。「いつ行っても同じ」というのは、過去5回の靖国参拝を踏まえた率直な感想なのだろう。

  小泉首相は参拝後、靖国をめぐる問題とされている点について、真っ先に、中国の批判に言及した。

  靖国神社に、いわゆるA級戦犯が合祀(ごうし)されたのは、1978年秋のことだ。翌79年春にそのことが明らかになった後も、当時の大平首相、続く鈴木首相は、従来通り靖国神社への参拝を続けた。

  それが問題になるどころか、大平首相や鈴木首相は当時中国を訪問して、熱烈な歓迎を受けている。中国首脳の訪日も続いた。

  中国が抗議を始めるのは、85年8月15日に、中曽根首相が公式参拝の形で靖国神社に参拝して以降のことだ。整合性がないのは確かだろう。

  その後、中国は歴史問題を様々な局面で日本に対する外交カードとして使うようになった。

  「中国や韓国の意見を聞けばアジア外交がうまくいく」とする一部の議論についても、首相は「私は必ずしもそうではないと思う」と疑問を呈した。

  ところが、今後のアジア外交の展開の中で対中外交をどのように構築していくべきかについて、首相は説明しなかった。「心の問題」と言うだけでは、問題は解決しない。

  靖国神社参拝を総裁選の公約に掲げた際に、どのような見通しや戦略があったのだろうか。

  次に小泉首相は、「特定の人のために参拝しているのではない。戦没者全体に対して哀悼の念を表するために参拝している」と述べている。

  ◆A級戦犯をどう見るか◆

  「A級戦犯」のために参拝しているのではない、という意味だろう。

  だが、小泉首相は、「A級戦犯」について「戦争犯罪人であるという認識をしている」と国会で答弁している。歴代首相になかった「認識」表明である。

  靖国神社に「犯罪人」が合祀されているとの認識なら、そこに参拝するということに、矛盾があるのではないか。そもそも「A級戦犯」とは何なのか。これまで、首相が意を尽くして体系的に説明することもなかった。

  三番目に小泉首相は、靖国参拝と憲法の政教分離原則との関係に問題がないことについて、「私は伊勢神宮にも毎年参拝」していることを挙げた。

  クリスチャンの鳩山一郎首相や大平正芳首相、さらに社会党の村山富市首相も神道の形式に従って伊勢神宮に参拝しているのに、憲法違反云々(うんぬん)の観点から政治問題化したことはない。その点は小泉首相の言う通りである。
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