斜め上の雲 93
投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/11/26 22:15 投稿番号: [1871 / 2847]
錫元の危惧が太陽政策に代表される北朝鮮への融和政策にあったことはさきにのべた。
筆者はこれまで七〇年代の一時期をのぞいて北朝鮮にふれることをさけてきたのだが、このあたりで整理しておく必要があるだろう。
北朝鮮が、オイルショックによって厖大な借金をかかえながら、その返済を一切せずにひらきなおったことはすでにふれた。
その後も北朝鮮の経済、農業は衰退のみちをあゆみだした。とくに水田にびっしりと稲を植える密植によって、稲は枝分かれせずかえって収穫はおちた。朝鮮総聯幹部であり、農業を指導したことで共和国功労メダルを授与された李佑泓はこのありさまを「暗愚の共和国」でえがいた。
八四年、元山農業大学講師にまねかれたかれは農業用のトラクターや田植え機、耕運機がただの飾りとなっており、農耕牛や大量の労働者、事務員にくわえて学生や軍人が農作業に動員されるのをみた。
さらに、その年の夏松濤保養所をおとずれたさい、国産自動車と喧伝されていた更生号のボンネットを開けると、エンジンは古い日産製四気筒二〇〇〇CCを流用しており、セルモーターやキャブレーターも日本製であった。
だが、その北朝鮮をひたすらに弁護しつづけたひとびとがいるのも事実であった。しかもこっけいなことに他民族である日本人たちであった。
七七年、小田実は、
「北朝鮮は税金のない国家であり、食糧の自給も達成されている」
といった。税金がないということは個人所得税がないということであろうが、どうやって国家の歳入をまかなっているのか、かれはふれることがなかった。
さらにかれは、
「米は基本的に配給であり、大人は一日あたり七百から八百グラムだが、食堂にゆけば配給外の米がいくらでも食える」
といった。配給外の米が無制限に食える配給制度とはいったいどういうものなのか。これほどばかげたはなしは類をみない。また、学生、子供には五百グラム、主婦、老人には三百グラムしかなく、その配給米も百二十グラムは戦争備蓄用として天引きされたことにふれなかった。脱北者の証言によれば、その配給米も平壌以外の地域ではとうもろこしが七割、米が三割に配合されたオクサルであったという。
また、八四年には朝日新聞編集委員の岩垂弘が訪朝記事を連載し、
「北朝鮮の農業はうまくいっているというのがわが国の学者の見解」
といって、その実態をおおい隠したばかりか、
「社会主義国家において権力の世襲は異例であろうが、人民が能力と実績を考慮して選択した結果、たまたま金日成主席の息子であっただけである」
と、北朝鮮の民間人の発言にいっさい批評をくわえずそのまま紹介した。過剰なまでに北朝鮮を称揚、弁護するというその姿勢はまったく尋常ではない。
しかも、朝日新聞は日本の権威ある新聞と受けとられたため、日本人よりも韓国人や北朝鮮人らのほうが、その報道が日本人の見解を代表するものだと信じてしまい、のちの世においてさまざまな悲喜劇をまねくこととなった。
ややずれるが、朝日新聞の報道姿勢をうのみにして、日本の世論が北方領土問題についてさほど興味をもっていないという楽観的な観測を本国に送りつづけ、ゴルバチョフ大統領の訪日外交を失敗させたソ連大使館はその典型であろう。
筆者はこれまで七〇年代の一時期をのぞいて北朝鮮にふれることをさけてきたのだが、このあたりで整理しておく必要があるだろう。
北朝鮮が、オイルショックによって厖大な借金をかかえながら、その返済を一切せずにひらきなおったことはすでにふれた。
その後も北朝鮮の経済、農業は衰退のみちをあゆみだした。とくに水田にびっしりと稲を植える密植によって、稲は枝分かれせずかえって収穫はおちた。朝鮮総聯幹部であり、農業を指導したことで共和国功労メダルを授与された李佑泓はこのありさまを「暗愚の共和国」でえがいた。
八四年、元山農業大学講師にまねかれたかれは農業用のトラクターや田植え機、耕運機がただの飾りとなっており、農耕牛や大量の労働者、事務員にくわえて学生や軍人が農作業に動員されるのをみた。
さらに、その年の夏松濤保養所をおとずれたさい、国産自動車と喧伝されていた更生号のボンネットを開けると、エンジンは古い日産製四気筒二〇〇〇CCを流用しており、セルモーターやキャブレーターも日本製であった。
だが、その北朝鮮をひたすらに弁護しつづけたひとびとがいるのも事実であった。しかもこっけいなことに他民族である日本人たちであった。
七七年、小田実は、
「北朝鮮は税金のない国家であり、食糧の自給も達成されている」
といった。税金がないということは個人所得税がないということであろうが、どうやって国家の歳入をまかなっているのか、かれはふれることがなかった。
さらにかれは、
「米は基本的に配給であり、大人は一日あたり七百から八百グラムだが、食堂にゆけば配給外の米がいくらでも食える」
といった。配給外の米が無制限に食える配給制度とはいったいどういうものなのか。これほどばかげたはなしは類をみない。また、学生、子供には五百グラム、主婦、老人には三百グラムしかなく、その配給米も百二十グラムは戦争備蓄用として天引きされたことにふれなかった。脱北者の証言によれば、その配給米も平壌以外の地域ではとうもろこしが七割、米が三割に配合されたオクサルであったという。
また、八四年には朝日新聞編集委員の岩垂弘が訪朝記事を連載し、
「北朝鮮の農業はうまくいっているというのがわが国の学者の見解」
といって、その実態をおおい隠したばかりか、
「社会主義国家において権力の世襲は異例であろうが、人民が能力と実績を考慮して選択した結果、たまたま金日成主席の息子であっただけである」
と、北朝鮮の民間人の発言にいっさい批評をくわえずそのまま紹介した。過剰なまでに北朝鮮を称揚、弁護するというその姿勢はまったく尋常ではない。
しかも、朝日新聞は日本の権威ある新聞と受けとられたため、日本人よりも韓国人や北朝鮮人らのほうが、その報道が日本人の見解を代表するものだと信じてしまい、のちの世においてさまざまな悲喜劇をまねくこととなった。
ややずれるが、朝日新聞の報道姿勢をうのみにして、日本の世論が北方領土問題についてさほど興味をもっていないという楽観的な観測を本国に送りつづけ、ゴルバチョフ大統領の訪日外交を失敗させたソ連大使館はその典型であろう。
これは メッセージ 1856 (toaniuniu05 さん)への返信です.
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