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解説:斜め上の雲 22

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/04/17 12:34 投稿番号: [1367 / 2847]
今回は『坂の上の雲』1巻から。大阪で教師になった好古が、松山藩出身の先輩和久正辰によばれ、無料の学校を教えられるくだりが元ネタです。以下原文。

≫「耳寄りな話、といっていたのは」
  と、酒のなかばで、和久正辰がいった。
「官費(ただ)の学校があるのさ」
(中略)
「いったいなんという学校でございます」

「軍人の学校だよ」
  と、和久正辰はいった。
(なんのことじゃろ)
  という顔つきで、好古はぼんやり正辰の口もとを見ていた。
「秋山」
  正辰は、どなった。
「おまえは、若いのか年寄か」
「若うございますらい」
「若ければ、敏感に反応しろ。好きかきらいか、どっちだ」
「考えたこともないけん」
  と、つぶやいた。できれば学者になりたいとおもって勉強してきた。それがいきなり鼻さきで兵隊になるかならぬかと問われたところで、即答できるわけがない。
  第一、兵隊というのは薩長の独占だときいていたが、割りこむすきがあるのか、と思い、そこから質問してみた。
「ある。こんど、学校ができた。日本人であればたれでも入れることになっている。士官学校というのだ」
(中略)
「言った。いまもその心は変わらないが、ここにも官費(ただ)の道がある、とわざわざ教えてやっているわけだ。貧乏士族の子はただのみちでみずからを救ってゆくしかない。好ききらいは二のつぎだ」
(それもそうだ)
  とおもった。
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