朝鮮を笑う

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斜め上の雲 19:訂正

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/04/02 23:15 投稿番号: [1347 / 2847]
第19回

  すでにふれたように、盈徳の南には飛鶴山がある。またその東には興海というまちもある。
  海上に逃げるのであれば東に進路をとりつつ海岸線にでる。南下して飛鶴山か興海まで退くのであれば南に転進して街道に入る。
  北朝鮮軍第5師団長である李徳山は、慎重な姿勢をくずさず、金錫源のねらいをみきわめようとしている。そのため、送り狼のように慎重に韓国軍の後を追って前進している。
  が、南東にすすんでいた韓国軍は、長沙洞というまちの手前でふいに進路を南にかえた。日付はすでに8月16日になっている。
「南へ退却か」
  政治委員がつぶやいた。
「これは絶好の機会です。街道を直進すれば、最短距離であの隊列の頭をおさえることができます」
  そういった参謀を李は制した。むしろそれはわなであるとみた。
「街道をすすむのは危険だ。」
  かれは2個中隊をして街道をすすませた。予想どおり、韓国軍は隊列の右側面で半包囲するかたちをとるべく隊列を変化させた。
「みろ。南への退却にはまちがいないが、やはりわなだ」
  李はそういった。
「ということは、海上に撤退しないのですね」
  かれは、政治委員のことばに満足そうにうなずいた。
「つまり、米軍艦艇はいないのだ」

  李はあらたな命令をくだした。
  まず全軍の進路を東に転じ、時計回りに韓国軍の東側を南に向かって長駆させ、兵力の半ばをもって韓国軍の縦隊の頭部を搏ち、他の半ばをもって後背をつこうとした。街道上の2個中隊をおとりとして利用しようとしたといっていい。
  これが成功すれば、韓国軍の背後をぎゃくに半包囲して全滅させることができるであろう。

  これがわなであった。

  北朝鮮軍が進路を東に転じて海岸線にでたところに、米艦艇があらわれて艦砲射撃をあびせたのである。
  天地がくつがえったかとおもわれる轟音がひびき、無数の砲弾が北朝鮮軍第5師団のうえにふりそそいだ。それを待っていた第3師団は隊列を変化させ、北朝鮮軍を包囲して砲撃を開始した。大地にむかって射てばかならず命中するといった状況で、艦砲、迫撃砲、榴弾砲などあらゆる種類の砲弾が敵の砲車をくだき、兵を空中に飛ばし、このため北朝鮮軍は潰走した。
  金錫源のたくみさはそれだけにおわらなかった。
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