下條正男氏への批判、安龍福の于山島像2
投稿者: hangetsujoh 投稿日時: 2005/04/17 16:03 投稿番号: [8651 / 18519]
さて、***さんが問題にしている「松島に住んでおり」という部分が原文でどうなっているのか、二、三の史書で比較してみます。
(1)『粛宗実録』22年9月戊寅
倭言 吾等 本住松島 偶因漁採出來 今當還往本所
(2)『増補文献備考』
倭對曰 本向松島 固當去
(3)『疆界考』
對曰 本向松島 回當去也
このように(2)や(3)では「松島へ向かう」となっているので、(1)で「住」は「往」の誤記であることが容易に推定されます。さらに当時の状況を考えても、松島を知る日本人漁夫が「松島に住んでいる」というはずがなく、「住」を「往」とするとつじつまが合います。
ただ、安龍福の朝鮮における供述は、基本的には手柄話・自慢話であるのと、客観的な証人がいないためか、あまりにも誇張や虚偽が多いので、私はかれの供述をほとんど信用していません。
余談ですが、(2)の「固」は (3)のように「回」が正しいのかもしれません。「回」には回帰するという意味があるので、そのほうが文脈上で通じます。
上記のように『粛宗実録』の誤記は、ほかの重要史書を参照すれば容易にわかるのに、故意か怠慢か、そうした検証を行わず、まるで鬼の首でもとったかのように韓国政府を「捏造解釈」呼ばわりする田中邦貴氏の主張はいかがなものでしょうか。
同じように、そうした文献批判をおろそかにしたうえで、安龍福について下條正男氏はあらぬ方へ結論を導いているようです。かれは安龍福の「于山島像」をこう語りました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
安龍福は、鬱陵島で遭遇した日本の漁民が「われわれはもともと松島(現在の竹島)に住んでいる」と言ったように証言しているが、松島では飲料水の確保も難しく、人の定住は困難である。
安龍福は、松島がどのような島かも知らずに、朝鮮領の于山島と思い込んでいたのである(注2)。
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安直に文献を読む人は、安直な結論をすぐ出したがるものです。下條氏は文献批判を怠った結果、安龍福は松島を人が住めるような島であると思い込んでいる、と誤解しているようです。
これなども下條正男氏が強調する「我田引水的 文献解釈」の見本ではないでしょうか。半月城通信で「下條正男氏への批判」と題するのは、今回で 7回目になりますが、書いても書いても批判のネタはつきないようです。
そんな下條正男氏の言をウノミにして引用しているホームページには、くれぐれも用心してください。
(注1)半月城通信<竹島=独島と安龍福>
http://www.han.org/a/half-moon/hm094.html#No.688
(注2)下條正男氏『竹島は日韓どちらのものか』文春新書,2004,P75
(半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/
(1)『粛宗実録』22年9月戊寅
倭言 吾等 本住松島 偶因漁採出來 今當還往本所
(2)『増補文献備考』
倭對曰 本向松島 固當去
(3)『疆界考』
對曰 本向松島 回當去也
このように(2)や(3)では「松島へ向かう」となっているので、(1)で「住」は「往」の誤記であることが容易に推定されます。さらに当時の状況を考えても、松島を知る日本人漁夫が「松島に住んでいる」というはずがなく、「住」を「往」とするとつじつまが合います。
ただ、安龍福の朝鮮における供述は、基本的には手柄話・自慢話であるのと、客観的な証人がいないためか、あまりにも誇張や虚偽が多いので、私はかれの供述をほとんど信用していません。
余談ですが、(2)の「固」は (3)のように「回」が正しいのかもしれません。「回」には回帰するという意味があるので、そのほうが文脈上で通じます。
上記のように『粛宗実録』の誤記は、ほかの重要史書を参照すれば容易にわかるのに、故意か怠慢か、そうした検証を行わず、まるで鬼の首でもとったかのように韓国政府を「捏造解釈」呼ばわりする田中邦貴氏の主張はいかがなものでしょうか。
同じように、そうした文献批判をおろそかにしたうえで、安龍福について下條正男氏はあらぬ方へ結論を導いているようです。かれは安龍福の「于山島像」をこう語りました。
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安龍福は、鬱陵島で遭遇した日本の漁民が「われわれはもともと松島(現在の竹島)に住んでいる」と言ったように証言しているが、松島では飲料水の確保も難しく、人の定住は困難である。
安龍福は、松島がどのような島かも知らずに、朝鮮領の于山島と思い込んでいたのである(注2)。
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安直に文献を読む人は、安直な結論をすぐ出したがるものです。下條氏は文献批判を怠った結果、安龍福は松島を人が住めるような島であると思い込んでいる、と誤解しているようです。
これなども下條正男氏が強調する「我田引水的 文献解釈」の見本ではないでしょうか。半月城通信で「下條正男氏への批判」と題するのは、今回で 7回目になりますが、書いても書いても批判のネタはつきないようです。
そんな下條正男氏の言をウノミにして引用しているホームページには、くれぐれも用心してください。
(注1)半月城通信<竹島=独島と安龍福>
http://www.han.org/a/half-moon/hm094.html#No.688
(注2)下條正男氏『竹島は日韓どちらのものか』文春新書,2004,P75
(半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/
これは メッセージ 8650 (hangetsujoh さん)への返信です.
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