>>「住」と「往」
投稿者: nochonggakk 投稿日時: 2003/03/04 10:19 投稿番号: [1342 / 18519]
『粛宗実録』粛宗22年9月戊寅条「倭言吾等本住松島、偶因漁採出来、今当還往本所松島」の前半に出てくる「吾等本住松島」の「住」は「往」の写し間違いの可能性は殆ど無いでしょう。それは文脈から見れば明らかなことです。それを「写し間違いだ」として論をたてるとすれば、謬論の誹りを免れえないと思います。私の先の文章について、言外の意図を汲んで頂けなかったのが残念です。
言外の意図をストレートに書くのはあまりにも無芸ですが、仕方ないので書いておきます。『増補文献備考』の史料解釈として提示された「倭人がいうには、かれらはもとより松島に向かうところで、ちょうど帰るところだということだった」に対して、『粛宗実録』粛宗22年9月戊寅条を引用して、解釈が違っているではないかと主張しても、それは批判の仕方としてはナンセンスだ、ということです。当該部分に関連する別の史料では違った内容が記述してある、とすべきです。
なお、『粛宗実録』粛宗22年9月戊寅条の解釈に関わっていくつか。「出港地」と「住居」の区別は、この事件の前提となる鳥取藩領民の竹島渡海の歴史的経過とりわけ竹島(鬱陵島)出漁・渡航のあり方と照らし合わせて考えるとき、慎重にならざるを得ません。「隠岐の漁民だったのでしょう」と判定するのは少々無謀かな、という気がします。また、日本漁民の発言が、安龍福の発言のなかでの引用文であるという点も気になります。私は安龍福の日本語能力については懐疑的に捉えていますので、そうした観点から、この箇条をもう少し丁寧に再評価すべきだと考えています。
これは メッセージ 1341 (yusura_sdhk さん)への返信です.
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