「『共生』をめぐる若干の疑問」
投稿者: usagigamemaimai 投稿日時: 2007/08/12 02:30 投稿番号: [5985 / 7270]
なんでもかんでも「共生」「共生」と・・・もう、用語インフレにうんざりしてたら、
生物用語じゃなく社会学用語だったんですね・・・(で、まだ「厳密な共通理解が存在しない」と・・・それじゃあ胡散臭く感じちまうわけだ^^)
>「共生概念は心地よい響きをもつスローガンや修飾語として用いられる場合が多く、
>共生概念の濫用といってもいいすぎではない状況が生み出されている〜」
>「矛盾・対立・緊張の克服の道筋を厳密に描くことなく〜
>共生の語で問題の解決が可能なものとみなしてしまう〜深刻な問題や矛盾を覆い隠す隠れ蓑にもなりうる」
↓「『共生』をめぐる若干の疑問―共生概念の再検討ー」(pdfですが)
http://www.geocities.jp/kyouseinagoya/kyousei.pdf
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「共生」をめぐる若干の疑問―共生概念の再検ー 村 井 忠 政
近年、「共生」もしくは「多文化共生」という言葉が多くの分野で用いられており、今やほとんど日常言語となっているといってもいいだろう。タイトルや副題に「共生」が使わ
れている本はいったいどのくらいあるのだろうか。ちなみに国立国会図書館の収蔵図書をインターネットで検索してみると〜略〜
きわめて多種多様な領域でこの言葉が使用されていることがわかる。またこの議論に参加している研究者は、哲学者、社会学者、教育学者をはじめとして、経営、
環境保護、社会福祉など実践的な分野の人々にも及んでいる。それではいつ頃からわが国でこのように共生という言葉が氾濫するようになったのだろうか。ある調査によると、
増加の兆しが見えはじめるのは、1980 年代後半からで、さらに90 年代になると増加し、1995 年には年間刊行数は 40 冊を越える。その後 2000 年代に入ってもこの傾向は続い
ており、中には本来の共生の意味から逸脱したような用例も多く見られるようになる。
しかし、これら多種多様な分野で使用されている共生概念は必ずしも厳密に定義されたものとはなっていない。
共生概念は心地よい響きをもつスローガンや修飾語として用いられる場合が多く、共生概念の濫用といってもいいすぎではない状況が生み出されている。
このような状況に対して、当然のことながら厳しい批判も早くから投げかけられている。とりわけ、財界サイドからの共生論議に対しては「共生はカルテルの別名」2とか、企業経営
者の手前勝手な共生論に対しては「消費者不在の八百長」だといった辛らつな言葉が聞かれた。この点は大いに強調されてしかるべきであろう。
たしかに、共生という言葉は「今日、実社会のさまざまな領域で広く用いられているが、学問的概念としては未成熟であり、混乱もみられる。」
そのため、この言葉が用いられることによって、深刻で複雑な問題の本質が見えにくくなる状況さえもたらされる可能性がある。
【本来、回避するのが困難な矛盾・対立・緊張の契機をはらんだもの同士の関係を、矛盾・対立・緊張の克服の道筋を厳密に描くことなく、
共生の語で問題の解決が可能なものとみなしてしまう機能をもつ場合もある。いいかえれば、共生概念が、深刻な問題や矛盾を覆い隠す
隠れ蓑にもなりうるということである。】こうした状況の下で、
近年改めて共生という概念を厳密に吟味しようとする試みがなされつつある〜略〜
生物学辞典を調べてみると、共生は次のような意味で使われていることがわかる。
共生(symbiosis):異種の生物が一緒に生活している(living together)現象。この場合、互いに行動的あるいは生理的に緊密な結びつきを定常的に保っていること
を意味する の が ふ つ う で あ る 。 し た が っ て 、 同 じ 生 息 場 所 に す ん で い る ( co-existence ,co-habitation)だけでは、この概念には入らない。共生者
(symbiont, symbiote)にとっての生活上の意味・必須性、関係の持続性、共生者の空間的な位置関係などによって、共生はいろいろに類別・区分されている。ふつうには、共生者
の生活上の利益・不利益の有無に基準をおいて、共生を相利共生・片利共生・寄生の 3 つに大きく区分する
〜略〜
このように生物学で使われている共生概念は、その定義が比較的明確になされているといえる。
これに対して、社会科学における共生概念には、厳密な共通理解が存在しない点に大きな特徴があるといえそうである。〜後略〜
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生物用語じゃなく社会学用語だったんですね・・・(で、まだ「厳密な共通理解が存在しない」と・・・それじゃあ胡散臭く感じちまうわけだ^^)
>「共生概念は心地よい響きをもつスローガンや修飾語として用いられる場合が多く、
>共生概念の濫用といってもいいすぎではない状況が生み出されている〜」
>「矛盾・対立・緊張の克服の道筋を厳密に描くことなく〜
>共生の語で問題の解決が可能なものとみなしてしまう〜深刻な問題や矛盾を覆い隠す隠れ蓑にもなりうる」
↓「『共生』をめぐる若干の疑問―共生概念の再検討ー」(pdfですが)
http://www.geocities.jp/kyouseinagoya/kyousei.pdf
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「共生」をめぐる若干の疑問―共生概念の再検ー 村 井 忠 政
近年、「共生」もしくは「多文化共生」という言葉が多くの分野で用いられており、今やほとんど日常言語となっているといってもいいだろう。タイトルや副題に「共生」が使わ
れている本はいったいどのくらいあるのだろうか。ちなみに国立国会図書館の収蔵図書をインターネットで検索してみると〜略〜
きわめて多種多様な領域でこの言葉が使用されていることがわかる。またこの議論に参加している研究者は、哲学者、社会学者、教育学者をはじめとして、経営、
環境保護、社会福祉など実践的な分野の人々にも及んでいる。それではいつ頃からわが国でこのように共生という言葉が氾濫するようになったのだろうか。ある調査によると、
増加の兆しが見えはじめるのは、1980 年代後半からで、さらに90 年代になると増加し、1995 年には年間刊行数は 40 冊を越える。その後 2000 年代に入ってもこの傾向は続い
ており、中には本来の共生の意味から逸脱したような用例も多く見られるようになる。
しかし、これら多種多様な分野で使用されている共生概念は必ずしも厳密に定義されたものとはなっていない。
共生概念は心地よい響きをもつスローガンや修飾語として用いられる場合が多く、共生概念の濫用といってもいいすぎではない状況が生み出されている。
このような状況に対して、当然のことながら厳しい批判も早くから投げかけられている。とりわけ、財界サイドからの共生論議に対しては「共生はカルテルの別名」2とか、企業経営
者の手前勝手な共生論に対しては「消費者不在の八百長」だといった辛らつな言葉が聞かれた。この点は大いに強調されてしかるべきであろう。
たしかに、共生という言葉は「今日、実社会のさまざまな領域で広く用いられているが、学問的概念としては未成熟であり、混乱もみられる。」
そのため、この言葉が用いられることによって、深刻で複雑な問題の本質が見えにくくなる状況さえもたらされる可能性がある。
【本来、回避するのが困難な矛盾・対立・緊張の契機をはらんだもの同士の関係を、矛盾・対立・緊張の克服の道筋を厳密に描くことなく、
共生の語で問題の解決が可能なものとみなしてしまう機能をもつ場合もある。いいかえれば、共生概念が、深刻な問題や矛盾を覆い隠す
隠れ蓑にもなりうるということである。】こうした状況の下で、
近年改めて共生という概念を厳密に吟味しようとする試みがなされつつある〜略〜
生物学辞典を調べてみると、共生は次のような意味で使われていることがわかる。
共生(symbiosis):異種の生物が一緒に生活している(living together)現象。この場合、互いに行動的あるいは生理的に緊密な結びつきを定常的に保っていること
を意味する の が ふ つ う で あ る 。 し た が っ て 、 同 じ 生 息 場 所 に す ん で い る ( co-existence ,co-habitation)だけでは、この概念には入らない。共生者
(symbiont, symbiote)にとっての生活上の意味・必須性、関係の持続性、共生者の空間的な位置関係などによって、共生はいろいろに類別・区分されている。ふつうには、共生者
の生活上の利益・不利益の有無に基準をおいて、共生を相利共生・片利共生・寄生の 3 つに大きく区分する
〜略〜
このように生物学で使われている共生概念は、その定義が比較的明確になされているといえる。
これに対して、社会科学における共生概念には、厳密な共通理解が存在しない点に大きな特徴があるといえそうである。〜後略〜
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これは メッセージ 5984 (japanese_chosun さん)への返信です.
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