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Re: NHK「この国を見つめ“新在日外国人

投稿者: trip_in_the_night 投稿日時: 2007/05/04 02:52 投稿番号: [5698 / 7270]
保坂正康著「昭和良識派の研究」より。
『日本兵に対する憎悪、侮蔑、そして民族的反感は、その存在を否定することに通じるほど激しかったのだ。そういう訓練を受けていたのである。
  ここでつけ加えておけなければならないのは、東京裁判や対日占領統治の根幹にあった意思は、「この野蛮な民族にデモクラシーを教えなければならない」とか「自由、平等、博愛の精神を教え込まねばならない」、あるいは「お前たちがいかに残虐な民族であるかを徹底して反省させる」ことであったのだ。もうひとつつけ加えておけば、第二次世界大戦を通じて戦争のもつ醜悪さ、残酷さは、日本人の民族的特性に巧みに重ね合わされている。その”総括”に対して、日本は有効な反証ないし自己主張をしてこなかった。それは間接的に、アメリカを始めとする連合国の日本人への民族的蔑視(いうまでもなく太平洋戦争前後の期間のことだが)を補完する役割を果たしてきたのである。』

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山田風太郎著「戦中派不戦日記」より。
(山田青年は当時東京医専に在学中、学校ごと長野県の飯田市に疎開していた。)
『昭和20年7月31日。病理学の権威緒方知三郎校長の講義があった。校長は講義前に演説した。
「戦争は軍人に任せようではないか。吾々は学問しよう。研究しよう。困苦欠乏にめげず、あくまで医学にかじりついていこう。(中略)。あくまでも諸君を、インチキ医者でない立派な医者に、必ず育てる。
日本をこの惨苦に追いこんだものは何であるか?   それは決して物量などではない。それは頭だ。それはこの頭なのだ!
日本医学がなんで世界の最高水準などに在るものか。下らないひとりよがりの自惚れはもうよそうではないか。日本医学は決して西洋医学の水準に達していない。医学ばかりではない。工学でも物理学でも化学でもそうである。その例はあのB29に見るがよい。日本じゅうの都市という都市が全滅してゆくにもかかわらず、なおあの通りB29の跳梁に委せているのは、物が足りないのではない。あれが出来ないからだ。あれを撃ち墜す飛行機が日本にないからだ!
諸君、このくやしい思いを満喫しなければならないのは、吾々の頭が招いたことなのだ。はっきりいっておくが、毛唐は日本人を対等の人間とは認めていない。黄色い猿だと思っている。この軽蔑を粉砕してやるのは、吾々の頭だ。学問だ。研究だ。不撓不屈の勤勉なのだ。」
実にこの夏の午後、二時間半、みな欠伸一つするどころか緊張せしめ、眼をかがやかせ、講義後疲労困憊を覚ゆるまでにひきずりこみたる緒方校長の講義、実に偉大なり。』

『昭和20年11月5日。東京新聞に「戦争責任論」と題し、帝大教授横田喜三郎が、日本は口に自衛を説きながら侵略戦争を行った。この「不当なる戦争」という痛感から日本は再出発しなければならなぬといっている。
われわれはそれを否定しない。それはよく知っている。(ただし僕個人としては、アジアを占領したら諸民族を日本の奴隷化するなどという意識はなかった。解放を純粋に信じていた)
ただ、ききたい。それでは白人はどうであったか。果たして彼らが自国の利益の増大を目的とした戦争を行わなかったか。領土の拡大と資源の獲得、勢力の増大を計画しなかったか。
戦争中は敵の邪悪のみをあげ日本の美点のみを説き、敗戦後は敵の美点のみを説き日本の邪悪のみをあげる。それを戦争中の生きる道、敗戦後の生きる道といえばそれまでだが、横田氏ともある人が、それでは「人間の実相」に強いて眼をつむった一種の愚論といえまいか。』
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