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朝まで⑥

投稿者: trip_in_the_night 投稿日時: 2005/12/03 21:01 投稿番号: [3161 / 7270]
国体思想が広がるなか国家理性が失われていく

姜    1935年(昭和10年)にいわゆる天皇機関説が、まあダメになります。いわゆる美濃部事件が起きて。

田原   天皇機関説ってのは、要するに、さっきのハンコを押すだけっていうことですね。

姜    国家の内部に天皇もいて、天皇は国家のひとつの機関に過ぎないと。

田原   国家のひとつの機関。最高機関ですね。

姜    ところが東京大学法学部の穂積八束さんとかいろいろ出てきてですね。いわば天皇っていうのは国家そのものであると。それに対して北一輝が反対するわけですけども。
  やっぱりこの国体思想というのは、たとえば江戸時代の水戸学から出てきて、それから明治憲法、教育勅語もそうですね。まあそこまでは百歩譲って、ある種の健全な国家の建設があったとしても、少なくとも1930年代になると、やっぱり国体明徴運動が出てきて、ある意味で、大衆を煽り立てたナショナリズムに逆にエリートたちが煽られていくというか、そういう構造があると思うんです。

田原   東大がやっぱりよくないね。東京大学ってのは日本にロクなことをしない。いまもそうだけど。まあいいや、どうぞ。

姜    そのとき大切なことは、国体という、なんかわけのわからないもののなかでみんなが動いていくわけです。それぞれのブロックのなかには確かにおっしゃるとおり、それなりにエリートで、ある程度理性的な判断のできる人がいたかもしれません。しかし構造的には国体のなかでみんな動いていくし、大衆はそのナショナリズムによって煽られていく。たとえば日比谷事件のように、そういうものはやっぱり全国的にある。

田原   日比谷事件というのは、日露戦争のときの話?   日露戦争を終らせたポーツマス講話条約に反対する民衆が、警察署や派出所などを焼き討ちした。

姜    そうです。そういう構造ですよね。
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