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朝まで⑤

投稿者: trip_in_the_night 投稿日時: 2005/12/03 21:00 投稿番号: [3160 / 7270]
情報欠如の日本はアメリカにハメられた

田原   独協大学教授の中村さん。どうですか、そのへんは?

中村   うーん、非常にややこしい議論でね、僕はわかりにくいんだけども。そういうことだけじゃなくて、やはり僕は本音でちゃんと議論していたと思いますよ。だけど、みなさんが全然おっしゃらないような、いろんな事情があって・・・・。

田原   たとえば、どういう事情?

中村   たとえばね、日本としてもできるだけ戦争はやりたくないと、そういう空気があったことは事実ですよ。ところが昭和16年の9月ごろになると、これはもう石油が民間と軍需合わせて1年半か2年分しかないわけでしょ。そしてアメリカとの交渉が決着しない。だからそういうなかで日本が戦争をするならば、いまやらなければダメだと。

田原   早くしないと石油がなくなっちゃう、ある間にやっちゃおうと。

中村   いや、それもあるしね。戦争をするには上陸作戦をやるわけです。で、その上陸作戦の時期というものがあるわけですよ。これは11月か12月の初めの頃が限度で、それを過ぎるともうできなくなっちゃう。そうすると、ここでやっぱり和戦のどちらにするかということを、決めなきゃなんない。それで9月6日の御前会議を開いて、「帝国国策遂行要領」を決めたわけです。これは10月上旬までに交渉がまとまらなければ、10月下旬をメドとして対米英蘭戦争の準備を完成させるというもの。そのころ日本としては、アメリカとの関係を改善したいから、ルーズベルトと近衛のトップ会談を申し込んでいる(8月28日)んだけども・・・・。

田原   むこうは、やる気がない。

中村   うん、やる気がない。その後10月2日にアメリカのノートが来るわけです。ハル米国務長官が、ハル4原則の原則的了解と仏印・中国からの撤兵要求の覚書をよこした。これは11月26日に出て日本が最後通牒と見なしたハル・ノート以上に、このときもう戦争は決まったといわれてますけど。アメリカとしては、もう絶対に妥協の余地がないとね。あまり話すと複雑になるんだけれども、まあそうことがあった。

田原   あのね、妥協の余地がなくたって戦争しなきゃいいじゃないですか。ね、戦争はしないという選択はある。

中村   田原さんね、僕は誤解されてると思うんだけど、さっき開戦直前に妥協の余地がないっていったのは、日本のことじゃないですよ。アメリカがもう妥協しないってことですよ。

田原   アメリカが妥協しなくても、日本が戦争をしない選択はなかったのか。だって真珠湾に行かなきゃアメリカはやってこないでしょ。昭和16年12月の真珠湾攻撃で太平洋戦争は始まったんだから。

猪瀬   いや、その前にさ、日本軍はベトナム南部に出た。16年7月末に南部仏印進駐ってあったでしょ。ベトナムに行けばアメリカが石油を送ってくれなくなるということは、事前に予想すればよかったんだよね。

田原   ちょっとそれもね・・・・。

猪瀬   行かなきゃよかった。いろいろあるけれどもね。
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