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朝まで③

投稿者: trip_in_the_night 投稿日時: 2005/12/03 20:40 投稿番号: [3158 / 7270]
開戦前に海軍は逃げた。首相兼陸相の東条英機は?

田原   東工大大学院教授の橋爪さん、このへんはどうですか?

橋爪   法律上でいいますとね、旧明治憲法下では、開戦の責任を持っているのは内閣です。

田原   え?   内閣?

橋爪   総理大臣個人ではなくて内閣。内閣全体が連帯して責任を負うのです。なぜかというと、戦争を始めるには開戦の詔勅という行為が必要です。これは天皇がハンコを押しますが、原案を作ったり決めたりするというのは、天皇の輔弼機関である内閣が全部責任を負うことになっています。終戦も同じです。ですから、本来はどんな結論も、正しい結論であろうと間違った結論であろうと、結論を下すのは内閣しかないわけですから、内閣の責任なんです。
  で、猪瀬さんがおっしゃったのは、成算がある戦争を始めるためには作戦計画を作らなくちゃいけない。その責任者は、大本営というか、統帥部というものなんですね。でもそれを認めてゴーサインを出すのは内閣なんです。
  東条英機のケースでは、東条は首相としてあるいは内閣としては、できれば戦争をやりたくなかった。しかし、統帥部が戦争をやるといって聞かなかった。そこで内閣と統帥部の力くらべになる。そのときに統帥部には切り札があるんです。どういう切り札かというと、いざとなれば大臣現役武官制といって、陸軍大臣と海軍大臣を引き上げてしまうことができるんです。

田原   だって、あのとき陸軍大臣は東条ですよ。海軍大臣も確か戦争には積極的じゃなかったはずですよ。だから引き上げないでしょ、それは。

橋爪   はい。それはそうですけれども。でも、最後の手段として統帥部には引き上げがある。そして海軍は、責任を取るのが嫌だから、戦争をしないとはいわなかったんです。

田原   逃げたんですよ。

橋爪   ええ、そうです。戦争をすることも責任ですが、戦争をしないことも大きな責任ですよね。これだけ国家予算を使って軍艦を持って、戦争をしないといったら海軍は袋叩きに遭ってしまう。それが怖くて、海軍は戦争をしないといえなかった。

田原   ちょっとね、開戦のいきさつなんかまったく知らない人でも、わかるように話したいと思っているんで。まず海軍は責任逃れをしたと。バブル経済の責任を取らない官僚とおんなじ責任回避だと。で、陸軍のほうは首相の東条が陸軍大臣。これ秦さん、東条はどうしたんですか?   自分で自分を降りるということはいわわないはずでしょ。

秦    東条英機は開戦の直前、総理大臣と陸軍大臣、それに内務大臣も兼ねたんです。開戦の2か月前までは第3次近衛内閣の陸軍大臣でしたが、そのとき東条は、日米交渉に際して、「中国から一兵たりとも引くわけにいかん。戦うあるのみ」と強硬論を主張したので、内閣が倒れちゃったわけです。ところが、今度は総理大臣になって、天皇から、いったん白紙に戻して検討し直せといわれます。そこで東条は、統帥部に対して戦争回避策を考えろと、要請するんですが、結局、避戦は無理だという結論になってしまう・・・・。
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