キューポラのある町
投稿者: yusura_sdhk 投稿日時: 2005/04/03 18:19 投稿番号: [2213 / 7270]
高校時代にサユリストだった僕が,同じくサユリストだった友人
数人と一緒に池袋までオールナイトで見に行ったうちの一作です.
1月にJCOMで放映していたのを録画したまま,時間的にも精神的
にも見る余裕が無かったし,見ると涙腺が壊れることが判っていた
ので躊躇していたのですが,今日,午前中に年度内の仕事に一段落
ついたのを機会に,覚悟を固めて観ました.
ジュン(吉永小百合)の父親は鋳物職人なのですが,仕事中に
怪我をし,工場の不景気と買収を機会に解雇されます.ジュンの
ボーイフレンド(浜田光夫)は労働者組合の中心人物で,不当
解雇に抗議しようとしますが,職人気質の父親は「俺は労働者じゃ
なくて職人だ.アカの組合の世話になるのも御免だ」と頑なな態度.
ジュンの友人ヨシエと,ジュンの弟(タカユキ)の友人である三平
は姉弟で,父が朝鮮人,母が日本人.帰国事業で北鮮に帰ることに
なったが,日本人である母は残ることに.一人残される母を気遣い,
三平は帰国船に乗らずに家に戻るが,母は既に再婚していて会え
ない.次の帰国船で帰るまでの間,タカユキは家族に隠れて新聞配達
をして三平を支える.
三平が最初に北鮮に発つ時の別れも泣かせるけど,2回目の,一人
だけで旅立つ三平が乗った電車を,ジュンとタカユキの二人だけで
陸橋から見送るシーンがまた泣かせる.
学芸会で三平が「にんじん」の主役を演じた時に,観客席から
「朝鮮人参やーい」という囃し声がかけられ,囃した日本人を
後でタカユキが殴りつける場面とか,三平と友達として仲良く
しているタカユキを,父親が「お前は朝鮮人と付き合ってるのか」
と殴り付けるシーン等,今では絶対に描けないだろうな,と思わ
せるシーンもふんだんに有ります.最後にはお約束の「不適当な
表現が有りましたが,作品のオリジナリティを尊重するため云々」
という字幕が出てきて,現代の病巣を考えさせます.
北鮮帰還事業最盛期の日本の雰囲気を知る為にも最良の映画だと
思います.三平の「北鮮に戻っても貧乏だろうけど,今だって
充分に貧乏なんだから,これ以上貧乏になりようがねえや,あは
はは」というセリフは,今の日本と北朝鮮しか知らない人には
(僕も含めて)想像もつかない言葉だろうと思います.
これは メッセージ 1 (yusura_sdhk さん)への返信です.
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