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近代日本の教育と朝鮮 ③

投稿者: whiterose20051 投稿日時: 2006/06/15 14:00 投稿番号: [2896 / 3669]
民衆が学校を「受容」するとは、どのようなことを意味するであろうか。

鄭承博の「奪われたことば」は、1923年生まれのこの作家の自伝的小説である。

普通学校三年になった主人公が、(であるから1930年代半ば)、学校の中で朝鮮語
を使ったことをきっかけに退学となり、日本人の牧場で働き、そして日本へ渡っていく
物語である。

学校に通う主人公にとっては、「日本語と朝鮮語を自在にあやつって、偉そうな管吏や
むずかしい世間を、冷ややかに見下ろす。

この素晴らしさ」と日本語使用による実利的側面が意識されている。

しかし、この「利便性」を通じて主人公は、父母や祖父の待つ朝鮮人としての意識、
民族性から離れていってしまう。

例えば「色服着用」について、主人公は白い朝鮮服を着ようとする人々の思いが理解できない。

「白地の朝鮮服を止めて、命令通りに、日本服と同じ色(カ−キ色)に染めれば良いのである。

真っ白が自慢で、洗たくに明け暮れする女たちが、むしろ滑稽でならなかった」
と否定する評価しかできない。

これに対して母は言う

「ゆくゆくお前も流れ者になるのさ。学校を中退して家に居着いた者はいないよ。
川下にある酒屋の一人息子は、ちゃんと卒業したに、それでも家出した、いまだ行方が
わからないんだもの。
だから学校なんか反対だったんだよ。」

祖父も言う

「そうだ。漢文こそが本当の学問だ。寺子屋をやめたのが間違いだ。田を耕し蒔を取るのが
人間の営みである。

明日からでも、野良へ出て働きながら、寺子屋に戻りなさい。それが幸せというものだ」。


日本国内の学校も、学校の基本的構造は故郷を捨てる教育である。

学校は地方の人材の中央への吸い上げ機構として働く。

明治以来の「立身出世」の構造である。

植民地において、其れは民族を捨てる教育として働く。

学校へ行ったことで、少年と父母、祖父母との間には文化観の断絶が生じている。

現在においても、こどもたちにとって、あるいは大人にとってさえ、学校は大きな権威をもっている。

「奪われた言葉」に示されている体罰のような直接暴力は、学校制度としては本来へたな統制方法だといえるだろう。

支配者はこどもたちが違和感無く、自ら支配に服する「半島の子ら」の世界を理想としていたはずである。

植民地という場にあって、その支配を行った日本人と朝鮮人の明確な賃金差別、教育条件の差別、朝鮮人に対しては初等教育中心(あるいは初頭教育まで)という教育内容の差別、
何よりも言葉を奪って
二重言語状態においたという、植民地教育の問題点は明らかである。

しかし、現代日本の教育の支配の中で、現代日本の子供たちも、植民地朝鮮の子供たちと同様に、
人間性、人格、さらには生命まで破壊されている。

「同じ」民族による教育の支配が、現在これほど多くの問題を生じている。

日本においては、当初から教育による民衆支配が意図された。

それでも、山間の地、極貧世帯など、その費用の過大なところは、教育免除地、等として切り捨てられた
(1961年学校教育法改正まで)。

国家による教育支配という観点から見れば、植民地朝鮮における教育も、この費用のさらに過大な地という
扱いであったのではないか。

日本においては、寺子屋の切り替え等で、学校を作ることができた。

植民地朝鮮においては書堂は、例えば教員の問題があって、そのままでは植民地学校とはならなかった。

また、日本化教育のための多数の日本人教員を一度に移入することができなかった。

植民地朝鮮において1930年代末、40年代になって学校拡大が図られたことの原因を次ぎの二点に求める
ことが出来るのではないだろうか。

一つには日本の対外侵略戦争の激化により、朝鮮人を日本人の補充に使う必要が高まったという、
日本国内において学校制度がつくられた初期に似た状況が生じた。

第二には植民地化後一世代た経ったこどで、植民地支配者は朝鮮人をも朝鮮人児童の日本化教育の教員として
用いることができると考えた

(しかし、これが支配者の誤算であったことは、第Ⅰ部にみてほしい)。

この意味で、植民地教育は、民衆にとぅて国家支配の一環でああるという近代公教育の本質を備えている。

しかし、それは近代公教育のもう一つの特質である国民国家形成という影響はとれない。

植民地本国における民衆支配と、植民地における民衆支配の異同を、さらに明かにしていくことが課題として残っている。
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