【『朝鮮半島“永世中立化”論】
投稿者: acura95_87 投稿日時: 2004/12/18 09:18 投稿番号: [2354 / 3669]
すでにこのトピでご紹介されたかもしれませんが、トピ上げを兼ねて。
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『朝鮮半島“永世中立化”論』
池 東旭 著 中央公論新社刊 256p 1995円
【「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成16年(2004)12月18日(土曜日)第993号 土曜スペシャル版 大増ページより 転載。】
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世の中に朝鮮半島の危機、北朝鮮崩壊待望など諸説が氾濫しているが、率直に言ってどれもこれもあまり積極的に食指が動かない。
感情論もあれば軍事オタク的所論もあり、北朝鮮の無謀な日本人拉致事件についても爆発的な感情が先に走って、論理が脆弱な、ワイドショウ的な本が多すぎる。
池さんは、ソウルを足場に半島の真ん中から世界情勢を冷静に、あるいは酷薄に観察している。その視野にロシア極東情勢と中国の伝統的思考方法と在米コリアンの動向も輻輳させて論を組み立てているため、多角的かつ論理的で、類書を圧倒する内容である。
朝鮮半島の「統一」なんぞ「幻想」である、と池さんは大胆に決めつけている。最初から瞠目すべき文章が並んでいる。
こういう率直で論壇主流を鼻から相手にしない言説を展開する韓国の知識人は稀である。ほかに誰を思い浮かべれば良いのか。比較文化論として呉善花女史くらい?
本書は金日成政権が、ゲリラの指導者を僭称するが、じつは馬賊出身でソ連の支援を受け、謀略と暴力と大殺戮で「延安派」「民族派」「ソ連派」を粛正し権力を握った。金日成は、つぎに軍閥政治的な馬賊山賊政治を北朝鮮で、いかに展開していったかを簡単に纏める。この史観は池さん独特のものである。読みながら高嶋俊男の『中国の大盗賊』を思い出した。
浮き彫りになるのは朝鮮半島を席巻する“奇妙な”ナショナリズムである。爆発的な拝外主義と反日運動は、激情爆発の一瞬を通過すると、韓国人に残るのは「諦念」である、と池さんは言う。
六カ国協議において傍若無人の北朝鮮の交渉テクニック、中国の鵺的行動を私たちは目撃してきたが、背後に蠢く、もう一つの大国「ロシア」の狙いに関しても、それとなく意外な情報が挿入されている。
それは「ロシアは最近、沿海州に北朝鮮難民収容所建設の可能性を検討している。激増する北からの脱出難民を受け入れ、シベリア開発に活用する思惑である」と。(本書237p)。
ロシアの本心は核拡散防止にあり、土壇場で「北が核武装に拘泥する場合、アメリカに同調せざるを得ない」。だから「ロシアと北朝鮮は反目し」、或いは場合によっては「北朝鮮の核発射施設を(ロシアが)先制攻撃する」としたイズベスチアの記事を紹介している。
(そういうシナリオ、あるのかなぁ)
池さんは韓国の将来をかなり悲観的に見ている。
「敗戦で日本のナショナリズムは骨抜きにされた。韓国はいま、かつて日本で藩閥政権のあと出現した大正デモクラシーと同じコース」にあり、薩長藩閥に酷似した「地域覇権政権が(朴政権から金大中まで)つづいた」が、民主化幻像が南北和解幻想へと急傾斜したと分析する。
「経済は構造的な脆弱性をかかえ、バブル現象を呈している。きっかけがあればバブルは弾ける」が、韓国の場合は「逆コースに復帰する可能性」が高く、この混乱、このカオスを、「2007年の次期大統領選挙まで国論分裂が収拾でき」なければ、「韓国はアルゼンチンの前轍を踏む」と非常に暗い予測を展開されている。
かくして「予知され刻一刻迫ってくる破局を目前にして、韓国は泰平ムード」だが、これは「危機不感症ではない。諦念なのだ」と韓国人の深層心理をみごとに活写している。
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『朝鮮半島“永世中立化”論』
池 東旭 著 中央公論新社刊 256p 1995円
【「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成16年(2004)12月18日(土曜日)第993号 土曜スペシャル版 大増ページより 転載。】
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世の中に朝鮮半島の危機、北朝鮮崩壊待望など諸説が氾濫しているが、率直に言ってどれもこれもあまり積極的に食指が動かない。
感情論もあれば軍事オタク的所論もあり、北朝鮮の無謀な日本人拉致事件についても爆発的な感情が先に走って、論理が脆弱な、ワイドショウ的な本が多すぎる。
池さんは、ソウルを足場に半島の真ん中から世界情勢を冷静に、あるいは酷薄に観察している。その視野にロシア極東情勢と中国の伝統的思考方法と在米コリアンの動向も輻輳させて論を組み立てているため、多角的かつ論理的で、類書を圧倒する内容である。
朝鮮半島の「統一」なんぞ「幻想」である、と池さんは大胆に決めつけている。最初から瞠目すべき文章が並んでいる。
こういう率直で論壇主流を鼻から相手にしない言説を展開する韓国の知識人は稀である。ほかに誰を思い浮かべれば良いのか。比較文化論として呉善花女史くらい?
本書は金日成政権が、ゲリラの指導者を僭称するが、じつは馬賊出身でソ連の支援を受け、謀略と暴力と大殺戮で「延安派」「民族派」「ソ連派」を粛正し権力を握った。金日成は、つぎに軍閥政治的な馬賊山賊政治を北朝鮮で、いかに展開していったかを簡単に纏める。この史観は池さん独特のものである。読みながら高嶋俊男の『中国の大盗賊』を思い出した。
浮き彫りになるのは朝鮮半島を席巻する“奇妙な”ナショナリズムである。爆発的な拝外主義と反日運動は、激情爆発の一瞬を通過すると、韓国人に残るのは「諦念」である、と池さんは言う。
六カ国協議において傍若無人の北朝鮮の交渉テクニック、中国の鵺的行動を私たちは目撃してきたが、背後に蠢く、もう一つの大国「ロシア」の狙いに関しても、それとなく意外な情報が挿入されている。
それは「ロシアは最近、沿海州に北朝鮮難民収容所建設の可能性を検討している。激増する北からの脱出難民を受け入れ、シベリア開発に活用する思惑である」と。(本書237p)。
ロシアの本心は核拡散防止にあり、土壇場で「北が核武装に拘泥する場合、アメリカに同調せざるを得ない」。だから「ロシアと北朝鮮は反目し」、或いは場合によっては「北朝鮮の核発射施設を(ロシアが)先制攻撃する」としたイズベスチアの記事を紹介している。
(そういうシナリオ、あるのかなぁ)
池さんは韓国の将来をかなり悲観的に見ている。
「敗戦で日本のナショナリズムは骨抜きにされた。韓国はいま、かつて日本で藩閥政権のあと出現した大正デモクラシーと同じコース」にあり、薩長藩閥に酷似した「地域覇権政権が(朴政権から金大中まで)つづいた」が、民主化幻像が南北和解幻想へと急傾斜したと分析する。
「経済は構造的な脆弱性をかかえ、バブル現象を呈している。きっかけがあればバブルは弾ける」が、韓国の場合は「逆コースに復帰する可能性」が高く、この混乱、このカオスを、「2007年の次期大統領選挙まで国論分裂が収拾でき」なければ、「韓国はアルゼンチンの前轍を踏む」と非常に暗い予測を展開されている。
かくして「予知され刻一刻迫ってくる破局を目前にして、韓国は泰平ムード」だが、これは「危機不感症ではない。諦念なのだ」と韓国人の深層心理をみごとに活写している。
これは メッセージ 1 (violla_21 さん)への返信です.
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