喫茶室「一服汁」

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街道を逝く 台湾奇行 13

投稿者: toapanlang 投稿日時: 2006/07/26 00:49 投稿番号: [8698 / 19672]
  関帝廟のアーケードを出て歩くと、使われていない体育館を改造した屋台村にぶつかった。山地の少数民族らしき夫婦が、串にさした肉を焼いている。
  近づいてみると、
「山猪肉」
  とあった。いのししのことである。中国語では豚を猪といい、いのししを山猪という。
「これ、おいしいですよ」
  チャングムがもう買っていた。その声はなぜか陽気である。みると、片手に、白い液体のはいった五百ミリリットルほどのガラス瓶をもっている。その屋台で売っていた、
「小米酒」
  であった。粟(アワ)を原料にした酒である。ややあまく炭酸のあじがする。
  すっかり酔っぱらってしまったチャングムを、朴やんといっしょにかかえてバスにのり、台北へむかった。
  バスは、
「飛狗汽車」
  といい、都市間をむすぶ長距離専門のバスらしい。車体には犬の絵がかかれている。バスは一時間半ほどで台北市内にはいった。終点は台北駅前である。
「んー、どこですか、ここ」
  チャングムはようやく起きたらしい。

  タクシーに乗ってホテルにゆくことにした。
「請去国賓飯店」
  朴やんが助手席に乗りこんで、運転手にそういった。
  朴やんは、運転手のことを、
「運匠(ウンチャン)」
  といった。日本語の「運ちゃん」からきているのだときいたことがある。まことに、肉体労働を蔑視する民度のひくい日本人らしい言いかたであり、それをなんの疑問ももたずにまねている台湾の事大根性がすけてみえるようなはなしである。
  ウリナラでは、伝統的に肉体労働者や職人に対する差別的な感情はない。高麗青磁をつくりだした陶工たちが厚遇されていたのが好例であろう。

  台湾はウリナラとおなじ右側通行である。そのため道路のようすが見やすい。
  チャングムがややろれつのまわらない口調でいった。
「ちまちましてるわねぇ」
  進路変更のさいにいちいち方向指示器を出すことがである。ウリナラではそのような手間をかけず、さっと割りこんでゆく。交通法規がどうとか言うむきもあるが、人間が基本、主体であり、法律などは人がいくらでもかえうるものであろう。
  十分ほどで国賓飯店についた。この前に泊まった圓山大飯店のような豪勢なところではないが、有名な中堅ホテルであるという。
  チェックインをして、エレベーターに乗り部屋にむかった。エレベーターの中で、
「ケーキを買いにいきましょう」
  と、チャングムが瞳をかがやかせながらいった。右手にはガイドブックが握りしめられている。
  結局、部屋に荷物をおいてすぐ集合し、外出することになった。
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