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日本への憎悪をつのらせる歴史小説(2)

投稿者: chaamiey 投稿日時: 2007/12/02 10:30 投稿番号: [766 / 1474]
[企画] 我々の時代の進歩的知識人   ④   趙廷来(チョ・ジョンレ)論
狂気を帯びた憎悪の歴史小説家、趙廷来   大河小説『アリラン』を中心として

[イ・ヨンフン | ソウル大学教授]

季刊『時代精神』   2007年夏号

                (翻訳2)

  歴史小説についてよくは分からないのにむやみに話すのは怖いが、歴史小説と史学との関係に対して簡単に説明しておく。歴史小説は、歴史的に発生した実際の事件や人物を素材にした小説だ。そこには二つの種類があるようだ。第一は、素材として選択された歴史的事件や人物に関して残り伝えられる史料が非常に少なく、小説がほとんど小説家の想像力に頼って壮大な虚構として作成される場合だ。黄翛暎(ファン・ソギョン)の 『張吉山』がその良い例ではないかと思う。実は、麗水・スンチョンの反乱事件を扱った趙廷来の『太白山脈』もその種類に属すると言える。『太白山脈』では、史学側から批判すべき年代記水準の事実歪曲は見えない。

  二番目は、小説の素材になった事件や人物が近い過去に属していて、関連史料が豊富にある場合だ。そんな種類の小説として私が読んだものを一つ紹介すると、ソ・ギウォンの『光化門』を挙げることができる。19世紀後半の開港期に、興宣大院君を主人公にして、当時の朝鮮王朝が面した危機的状況を描いた小説だ。ここでは、実際に起きた事件と実際に活動した人物たちで小説のストーリーが編まれているから、読者たちは年代記形式の歴史書という感じで小説を読む。小説家は、まず残り伝えられている史料を渉猟して、実際に起きた年代記的事実を忠実に配置する必要がある。史料がどれほど多いと言っても、歴史的事件の全貌を再現するには法外に不足だ。残り伝えられる史料は、本質的に偶然に過ぎない。史学が直面するこのような制約が、歴史小説の出発点ではないかと思う。資料からは見えない部分で実際は何が起きたのか、小説家は自分の歴史的想像力を動員して事実と事実の間の空間を埋めていく。

  韓国にも広い読者層を持つという日本の「国民作家」司馬遼太郎(1923〜1996)は、そんな作業を立派に遂行した代表的な歴史小説家として数えることができる。彼は、代表作『竜馬が行く』を執筆するとき、「トラック一台分の資料が必要だ」と言った。彼の歴史小説は、まず事実の緻密な考証で読者たちの賛嘆を誘う。司馬は、小説の主人公の人柄を通じて、または主人公の言葉を借りた歴史的事件の解釈を通じて、自分の創作精神が人間の自由平等と合理実用主義にあることを示す。小説の中の歴史的事件は、このような小説家の創作精神を濾過しながら、当代の人間たちが志向する時代精神として蘇る。露日戦争を素材にした司馬の『坂の上の雲』について、日本人たちが「小説形式を借りた明治日本の最高の歴史書」と賛辞を送る理由は、まさにこういうものだ。

  趙廷来の『アリラン』は、二番目の類型の歴史小説に属する。小説の背景は、1904〜1945年の植民地時代だ。小説は、1904年の露日戦争から始まり、乙巳条約、義兵運動、韓日併合、土地調査事業、3.1独立運動、独立軍の青山里大勝、関東大地震、農民労働運動、産米増殖計画、光州学生事件、赤色労組運動、東北抗日連軍、戦時期の徴用、解放に至るまでの時代の年代記を主要素材にしている。小説の舞台も、年代記によって朝鮮、ハワイ、満洲、中国、日本など縦横無尽に変わる。小説家は、各地域にあらかじめ配置しておいた自分の代理人を通じて主要な歴史的事件に関する自分の立場を遠慮なく表現して見せる。そんな理由で、一般読者には、『アリラン』は小説の形式を借りてはいるが植民地時代に関する通史的歴史書として読まれることになる。作家もその点を隠していない。小説を終わらせた後、作家は、「植民地時代の歴史を具体的、総体的に知らせるために小説を書いた。」と述懐している(『アリラン』第12巻323ページ以下)。

  これで、史学を職業とする私がチョ・ジョンレの『アリラン』を批評の標的にする根拠は充分に提示された。趙廷来は『アリラン』の執筆において、司馬遼太郎がしたように「トラック一台分の資料」を見たのか。彼の小説で取り扱われている年代記水準の諸事実は正確なのか。それほどに、彼は、歴史学と歴史小説の境界を明確にしているか。それほどに、彼は、歴史小説家として職業倫理に忠実な作家か。こんなふうな問いを発することができるのは、彼が扱った年代記水準の歴史的事実に関しては、官報、新聞、雑誌など読まなければならない史料がトラック数十台分も伝えられているからだ。


(続く)
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