朝鮮土地調査事業の概要(1)
投稿者: chaamiey 投稿日時: 2006/08/16 21:21 投稿番号: [291 / 1474]
最近朝鮮事情要覧
朝鮮総督府編
2版
明治45年(1912年)3月発行
第12章 土地調査
国立国会図書館近代デジタルライブラリーの資料の一つです。
この資料は、題名のとおり朝鮮総督府が最新の朝鮮社会の様子や政策を報告書としてまとめたもので、目次を見ると、地形、人口から、地方行政、産業、教育などいろいろありますが、その中に、土地調査の章があるので、適当に現代口語に訳して書きます。朝鮮総督府が土地調査事業をどう位置づけていたのか、良く分かります。
第12章 土地調査
1 沿革
土地調査事業は韓国政府の時代にもたびたび企画されたことがあったが、その目的が単に増税することにあり、土地の境界や所有権の帰属はむしろ度外視していたので、人民の反抗を招き、常に失敗に終わってきた。たまたま成功した地域においてもそれを維持する方策を取らなかったので、現在ではその効果が残っているとは言えない状況である。
それで、明治38年(1905年)、財政顧問を置いた時点で既に土地調査を急いで実施する必要があると認め、その準備として、度支部司税局に量地課(土地測量課)を設置し、臨時財産整理局等において必要と思われる技術員の養成などに関して準備してきた。体系的に事業を開始したのは、明治43年(1910年)3月に土地調査局が発足してからであり、日韓併合後は朝鮮総督府の政務総監が統括者となって、着々と事業を進めている。
2 目的
土地調査事業は、土地所有権を確認し、権利に関する紛争を未然に防止することを狙いとし、土地の所有者、地目、境界、面積を調査測量して地積を明らかにし、同時に、財政の基礎を確実にして租税の負担を公正なものにするために、土地の品質・等級を調査するものである。
元来、朝鮮の土地は、昔からの法典である大典会通及び最近施行された土地家屋証明規則、土地家屋典当規則、国有未墾地利用法、土地家屋所有権証明規則等によって個人の所有権を認めてきたが、証明規則による外には所有権を証明する方法がなく、しかも、その証明をする官庁に土地台帳が整備されてもおらず、単に証明申請が提出されれば調査するだけであり、その調査もしばしば正確さを欠く場合がある。
もし、まだ証明を得ていない土地の所有者の場合は、土地を売買しようとするときに作成する私文書、又は土地を占有しているという事実によって所有権を主張する外には的確な証明方法が無い。そのためにたびた権利の紛争を生じ、解決のために実地調査をしたとしてもその判定は非常に困難である。裁判の判決が出たとしても、その執行は、これもまたとても困難である。従来の制度は、このようなものである。
こういう事情があるので、早急に土地調査を行って地籍を明らかにすると共に、財政の基礎を強固なものにしようとするものであり、従来の、単に増税を目的とした調査とは全く趣旨が異なるものである。
3 効果
一国の政治経済の発達に土地所有権の確認が多大の役割を果たすことは、欧米諸国やその植民地の歴史を見れば明らかな事実である。朝鮮の現在の状況を考えて見れば、土地台帳は整備されておらず、土地所有権も明確ではない。さらに、面積は斗落といったり日耕と称したりして、その広さを算定する基準もあいまいで採用し難い。
しかし、土地調査事業が終了すれば、その効果は、単に産業・財政の基礎を堅固なものとするだけでなく、その外にも、次のようなことを期待できる。
(1)土地面積を明確にし、所有権その他土地に関する各種の権利を確認することができるので、土地の経済的価値を増加させ、土地価格を上昇させることができる。
(2)土地の権利の証明制度を的確に実施することが可能になり、売買、贈与、抵当権などの設定がし易くなり、土地の経済的活用を拡大できる。
(3)社会の進歩と文化の発展に伴って必然的に発生する土地をめぐる紛争を未然に防止することができる。
(4)権利書を発行して、土地に関する金融を円滑にし、地方の金利を低下させることができる。
(5)土地税の基礎を確実にし、租税負担を公正なものとすることができるので、国家の歳入の増加を期待することができ、財政の運用を(判読不能)させることができる。
(6)産業開発その他行政の施設改善も、地積の整理が行われれば確実な効果を挙げることができる。
明治45年(1912年)3月発行
第12章 土地調査
国立国会図書館近代デジタルライブラリーの資料の一つです。
この資料は、題名のとおり朝鮮総督府が最新の朝鮮社会の様子や政策を報告書としてまとめたもので、目次を見ると、地形、人口から、地方行政、産業、教育などいろいろありますが、その中に、土地調査の章があるので、適当に現代口語に訳して書きます。朝鮮総督府が土地調査事業をどう位置づけていたのか、良く分かります。
第12章 土地調査
1 沿革
土地調査事業は韓国政府の時代にもたびたび企画されたことがあったが、その目的が単に増税することにあり、土地の境界や所有権の帰属はむしろ度外視していたので、人民の反抗を招き、常に失敗に終わってきた。たまたま成功した地域においてもそれを維持する方策を取らなかったので、現在ではその効果が残っているとは言えない状況である。
それで、明治38年(1905年)、財政顧問を置いた時点で既に土地調査を急いで実施する必要があると認め、その準備として、度支部司税局に量地課(土地測量課)を設置し、臨時財産整理局等において必要と思われる技術員の養成などに関して準備してきた。体系的に事業を開始したのは、明治43年(1910年)3月に土地調査局が発足してからであり、日韓併合後は朝鮮総督府の政務総監が統括者となって、着々と事業を進めている。
2 目的
土地調査事業は、土地所有権を確認し、権利に関する紛争を未然に防止することを狙いとし、土地の所有者、地目、境界、面積を調査測量して地積を明らかにし、同時に、財政の基礎を確実にして租税の負担を公正なものにするために、土地の品質・等級を調査するものである。
元来、朝鮮の土地は、昔からの法典である大典会通及び最近施行された土地家屋証明規則、土地家屋典当規則、国有未墾地利用法、土地家屋所有権証明規則等によって個人の所有権を認めてきたが、証明規則による外には所有権を証明する方法がなく、しかも、その証明をする官庁に土地台帳が整備されてもおらず、単に証明申請が提出されれば調査するだけであり、その調査もしばしば正確さを欠く場合がある。
もし、まだ証明を得ていない土地の所有者の場合は、土地を売買しようとするときに作成する私文書、又は土地を占有しているという事実によって所有権を主張する外には的確な証明方法が無い。そのためにたびた権利の紛争を生じ、解決のために実地調査をしたとしてもその判定は非常に困難である。裁判の判決が出たとしても、その執行は、これもまたとても困難である。従来の制度は、このようなものである。
こういう事情があるので、早急に土地調査を行って地籍を明らかにすると共に、財政の基礎を強固なものにしようとするものであり、従来の、単に増税を目的とした調査とは全く趣旨が異なるものである。
3 効果
一国の政治経済の発達に土地所有権の確認が多大の役割を果たすことは、欧米諸国やその植民地の歴史を見れば明らかな事実である。朝鮮の現在の状況を考えて見れば、土地台帳は整備されておらず、土地所有権も明確ではない。さらに、面積は斗落といったり日耕と称したりして、その広さを算定する基準もあいまいで採用し難い。
しかし、土地調査事業が終了すれば、その効果は、単に産業・財政の基礎を堅固なものとするだけでなく、その外にも、次のようなことを期待できる。
(1)土地面積を明確にし、所有権その他土地に関する各種の権利を確認することができるので、土地の経済的価値を増加させ、土地価格を上昇させることができる。
(2)土地の権利の証明制度を的確に実施することが可能になり、売買、贈与、抵当権などの設定がし易くなり、土地の経済的活用を拡大できる。
(3)社会の進歩と文化の発展に伴って必然的に発生する土地をめぐる紛争を未然に防止することができる。
(4)権利書を発行して、土地に関する金融を円滑にし、地方の金利を低下させることができる。
(5)土地税の基礎を確実にし、租税負担を公正なものとすることができるので、国家の歳入の増加を期待することができ、財政の運用を(判読不能)させることができる。
(6)産業開発その他行政の施設改善も、地積の整理が行われれば確実な効果を挙げることができる。
これは メッセージ 290 (chaamiey さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1835396/4za5aba5fbbqnabcbc_1/291.html