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1位じゃなければだめですか?(つづき)

投稿者: tyd_freedom 投稿日時: 2010/06/16 13:26 投稿番号: [20369 / 30895]
http://www.benedict.co.jp/Smalltalk/talk-137.htm

■スパコンの核心■
  さて、ここで問題を整理しよう。
  第一に、「スパコンは日本が科学立国としてやっていくために重要か?」
イエス。スパコンは、科学研究、技術開発、そして、国民生活にも深く結びついている。それどころか、いずれ、スパコンはコモディティ化する(誰が作っても同じ)。であるなら、今、国費を投じてもムダ?という議論は後で。
第二に、「スパコン開発を国が支援すべきか?」   半分イエス。現時点では、商売になりにくい上、金もかかるので、民間企業任せにすれば、競争力を失う。ただし、長期的に見れば話は別。前述したように、スパコンは、いずれ、コモディティ化するので。
  第三に、「次世代スーパーコンピューター・プロジェクトでやるべきか?」   ノー。スパコンの未来は、スパコン技術ではなくパソコン技術、つまり、最も売れる技術に依存している。この『コンピュータの市場原理』が、かつて隆盛を誇った大型コンピュータに大打撃を与え、ミニコン、ワークステーションを壊滅させたのである。ところが、『文科省&理化学研究所』は、スパコン専用技術に固執している。だから、彼らが何を”手作り”しようが、5年以内に全部ひっくりかえされる(中略)

■専用プロセッサ Vs 市販プロセッサ■
  さて、ここで本題に戻ろう。スパコン開発を国が援助するとして、理化学研究所主導の次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトでやるべきか?   まずは、費用対効果(コストパーフォーマンス)の面から。もし、文科省や理化学研究所が主張するように、本プロジェクトの目的が『日本の科学振興』にあるなら、
①1台500億円のスパコンを1台。
②1台50億円のスパコンを10台。
のどっちが、日本の科学振興に役立つかだ。①は『性能』重視、②は『費用対効果』重視。   『日本の科学振興』をうたうからには、『日本の科学技術全体』の底上げが必要となる。それを、高性能なスパコン1台で実現にするのはムリがある。使用できる科学者・技術者が限られ、底上げにはつながらないからだ。1台500億円のスパコンでしかできないことはあるだろうが、50億円のスパコンでも、時間をかければ事は済む。さて、どっちが『日本の科学技術の底上げ』につながるか?
  つぎに、理化学研究所が執着する『性能』の面。スパコンの処理能力は、プロセッサーに大きく依存しているが、その選択肢は2つ。パソコンで使われている安価なプロセッサーか、専用に設計・製造された高価なプロセッサーか?
  普通に考えれば、用途に最適化された専用機が速いに決まっている。ところが、5年、10年と長い目でみれば、話は別。年間3億台も売れるパソコンで使われる市販プロセッサは、安いだけはない。過酷なビジネスの自然淘汰にさらされ、性能の進化もすさまじいのだ。スポットで大金をはたけば、一時、ナンバーワンになれるだろうが、その後は続かない。次世代スーパーコンピューター・プロジェクトは時間軸を忘れている。
  ここで、『スパコンTOP500』の性能を時間軸でみてみよう。第1位のスコアは、2006年から2009年の3年間で6倍になっている。ちなみに、2009年のトップは1.75ペタFLOPS。FLOPSは、浮動小数点演算(小数計算)を、1秒間に何回できるかを表す単位で、スパコンの性能を表すポピュラーな指標。このペースでいけば、2012年は、「1.75ペタ×6倍=10.55ペタFLOPS(ペタ:10の15乗)」に達する。実は、このスコアは、『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』の目標と同じ。つまり、2012年に、『次世代スーパーコンピューター・プロジェクト』が目標を達成したとしても、1位になる保証はない。(以下略)

《つづく》
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