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日帝の朝鮮支配は誰のため?その1

投稿者: murex_from_abyss 投稿日時: 2003/08/13 18:11 投稿番号: [6853 / 49973]
以下、所得、消費、賃金等の経済変数と非経済変数に分けて簡略に考察する。

<表1>一人当たり実質GDEの成長率

       朝鮮    日本    台湾
1909−13   3.6    0.83    0.72
1914−18   7.07    4.83    3.66
1919−23   −0.18   ー0.47    2.2
1924−28   1.13    2.73    3.50
1929−33   1.31    1.68   −1.38
1934−38   5.03    3.65    4.33
平均   2.99    2.20    2.17

上記の表1は、溝口敏行、梅村又次編の“旧日本植民地経済統計”(1988)に拠る。
ここのGDEは、国民総支出であるが、国民所得三面等価の法則から現代のGDPの推移とほぼ同じであるとみてようだろう。表によると、朝鮮の経済は、1909年から1938年にかけて平均2.99の成長率で、日本と台湾に比べて若干高めであることが判る。
また、他の資料ではもっと明らかなのだが、面倒くさくて省いたが、朝鮮の経済の成長の推移は、成長がほとんど第一大戦と1930年代後半の数年に集中していて、日本のそれと完全に同調しているが、台湾の成長推移は全期間に渡って均衡よく現れる。
これは、朝鮮の経済が日本と緊密であった反面、台湾は独立型であったと言えよう。台湾は、日帝の干渉をあまり受けなかったのであろう。

<表2>一人当たり実質消費支出の増加率

朝鮮 日本 台湾

1912−38平均 0.97 1.50 1.12

表2は、寺崎康弘(1988)による。

上記の表1と表2で明らかなように、二つの問題点が存在する。

第一は、合併当時の日本と朝鮮では、3倍の所得格差があったと言われるが、収れん化仮説によると、後進地域が先進地域に比べて圧倒的に高い成長をする筈なのだが、実際は2.9対2.2というさほど差がないゆえ、実質3倍の差はそのまま維持されたのである。同一の制度と体制のもとで、自由貿易、労働力と資本の移動、技術の伝播など所得水準の収れん化をもたらす最適の条件を備えている中でのこの結果は、労働構造や分配の歪みがなければ、説明できない。

第二の問題は、成長率と消費支出の格差である。
日本は、2.2の成長率で1.5の消費増加であるから、当時の日本が軍事国家で今のような消費社会でない点を考えれば納得のいく数字である。問題は、朝鮮の方だ。成長率は、2.9と日本より高いのに消費は僅かその3分の1の0.97でしか増加してないのである。生産はあっても消費はあまりなかった。残りは、さらに生産のための再投資になってしまってるのである。要するに、こき使われて分配されず、蓄えられたのである。

これが、日帝の植民地支配を収奪体制と規定される所以である。

さらに消費支出をもっと細かくみると、同期間の消費支出の中、食料品の消費は全期間でほとんど変化がない。ところが、穀物などの消費は1920年台後半から著しく減少してその代わり、タバコや酒類の消費が大きく増えるのである。健康状態は悪化された可能性がある。

また指摘して置かねばならないことは、上記の支出の数字は朝鮮内に住む日本人を含むのである。木村によると、1930年朝鮮人だけの消費支出は、日本人を含む平均値より14.79%低いと見積もられる。
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