深センの工場から…Miekoです。

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癖のある木

投稿者: mieko_cn1967 投稿日時: 2005/07/29 15:50 投稿番号: [4956 / 6315]
いま、『木のいのち木のこころ(天)』という本の書評を読んでました。
その中に幾つか示唆に飛んだ言葉があったので紹介します。

・「癖のある木を使うのは難しいが、うまく使えば長持ちする」
・「人間と同じで、癖の強いものほど命も強い。
  癖のない素直な木は力が弱いし、耐用年数も短い」
・「木と同様に、職人は様々な癖を持つが、それを束ねて使うのが棟梁の仕事である。
  彼らの個性を見抜き、その欠点や弱点を生かして、才能を発揮させてやらなければならない。」
・「(前略)中には性根の悪いのもいる。それでも辞めさせたりはしない。また、直してやることもない。
  その人はそれでちゃんとした職人であるし、性根とは直せるものではない。
  包容して、その人なりの場所に入れて、働いてもらうのだ。
  人とうまくやっていけなくても、使い道はある。」

私は「癖のある木です」。
だから、均一に成型された素直で使いやすい木(人材)を求める企業では嫌われます。
幸いなことに、深センの会社では社長は「オレ、はねっかえりが好きだ」という方でしたし、
工場長は「部下に文句言われるのが上司の仕事ですから」という方でした。
その次の工場長も「おとなしいのは好きじゃない」方でした。
そして、3人とも荒削りな人材でも骨のある人物なら入社させ、
短所を認めつつ長所を生かして使おうとする方でした。

経理マネージャーになった私の部下も
「たとえ他から倍の給料を出すからといわれても私は行かない。
私の短所を知りつつ、長所を生かして使ってくれる企業はここだけだから」と言っていました。
実際、その時彼女には「倍以上出すから」というオファーが来ていたのですが。

辞める4ヶ月前に採用した人事課長も癖の強い男でした。
「社有財産の私有化は絶対に許せない」、「規則違反も許せない」
会社を守るために、そうした“悪”とは断固として戦う。そんな奴でした。
ただ、外資企業の人事としてはまだまだ未熟すぎて、危ない奴でもありました。
他の部、さらには私の後任となる香港の人事マネージャーからも
「あんな奴は辞めさせろ」といわれ続けていました。
でも、社長も工場長も「辞めさせるな。育てろ」と言いました。それも4ヶ月で!(笑)

こうした組織、上司にめぐり会えて、“生かし、育てて”て頂いて私は幸せでした。
だからこそ、組織のお世話になるのはこの会社で最後としよう。独立しよう。
そう、1年前には考え、すべてのお誘いをお断りしました。

でも、喫茶店経営を通して、組織で働くほうが面白いし大きな仕事が出来ると思うようになりました。
また、中国という珍事奇聞に事欠かない社会で苦労する企業が多いのを見るにつけても、
そうした企業を助ける為に、自分の持てる知識と能力を使わないのは悪だと思うようになりました。

私という「癖のある木」を必要とする企業がきっとどこかにあるでしょう。
そう思って気長に就職活動中です。

「癖のある木」のくせに値段が高く、自信過剰で食えない面も多々ありますが。
まあ、それはそれは。
「奇貨おくべし」とも言うし、いずれ拾って頂けるでしょう。
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