ワールドカップは終わらない 4
投稿者: chon_no_inai_nippon88 投稿日時: 2003/07/18 17:39 投稿番号: [82417 / 99628]
日本ではテレビ放映権と警備上の問題から、街頭での大規模な放映が著しく
制限されていた。基本的に全試合の放映権をスカイパーフェクTVが獲得し、
地上波民放とNHKで構成されるジャパンコンソーシアム(JC)が通常のテ
レビで放映できる権利を獲得できた試合はごく一部だった。前にも書いたが、
その事情をあまり知らない外国人記者からは、なぜテレビで全部の試合が放送
されないのだ、日本ではなぜワールドカップが盛り上がっていないのだ、と質
問されることが度々あった。
そんなことはない。
テレビの視聴率は日本戦では曜日によって四十五パーセントから六十八パー
セント、他の国の試合で最低でも十パーセント、ほとんどが三十パーセントの
視聴率を獲得している。みんな早く家に帰ってテレビを観ているおかげで、六
月には多くの飲食店ですっかり売り上げが下がってしまい、代わりにピザ屋や
コンビニが繁盛したぐらいなのだ。店内でサッカーを観ることのできるスポー
ツバーだって連日いっぱいだった。街角で騒ぐ人が少ないように見えても、日
本人の行動様式は明らかに変わっていた。そのことは後に発表されたさまざま
な消費動向に関する統計にも顕著に出ている。かなりの数の日本人がワールド
カップに熱狂していた。
だが、やはり大勢の人と一緒に盛り上がるのは楽しい。
だから、大勢で熱狂できる場がたくさんある韓国の人たちを、少し羨ましく
感じた。
六月十八日、熱狂的なサッカーファンである友人のひとりMさんは韓国・テ
ジョンにいた。
彼女はFIFAのインターネットサイトでイタリアのTSTチケットを手に
入れて、韓国までスタジアム観戦に来ていたのだ。
もちろん、日本人のほとんどは午後三時半からの決勝トーナメントの最初の
試合、日本対トルコの結果に注目していた。平日の昼間だというのに、NHK
の視聴率は四十八パーセントもあった。
韓国では夜八時半キックオフの韓国対イタリアの試合を全土で観るために各
地にオーロラビジョンが設置されていた。その前で三百万人から五百万人が韓
国のゲームを見るために集まることになっていて、昼間のあいだは同じ画面に
日本対トルコの試合が放映されていた。
試合終了のホイッスルが鳴り、日本の敗戦が決まったとたん、それを見てい
た韓国の群衆は飛び上がって喜んだ。
スタンドの横断幕のひとつにイタリア語で「地獄に堕ちろ、イタリア」と書
かれていた。ハングルで「アズーリ(イタリアチームのニックネーム)の墓場
へようこそ」と書いたものを見たという人もいる。
なんていうひどい観戦マナーだろう。
むろん、サッカーではしばしばきれいごとが通用しないことはよく知られて
いる。ホームとアウエイで明らかに勝率が違うのには、応援の差だけでないは
っきりとした理由があるのだ。
アウェイで、選手たちは冷たい視線を感じたり、バスに生卵を投げつけられ
るだけでなく、時に実際に生命の危険を感じることもあるという。宿泊先のホ
テルの外でホームチームを応援するサポーターが夜通し大きな音を立てて、翌
日戦う遠来のチームの選手たちが眠れないようにすることだって珍しくないと
いわれている。だからこそ、アウェイのチームは勝つことを半ば諦めなんとか
引き分けに持ち込むような試合展開を目指したりもするのである。
しかしだ。
ワールドカップは世界でもっとも人気のあるスポーツであるサッカーにおい
てもっとも重要な大会であり、なにしろオリンピックを凌ぐ世界最大のスポー
ツイベントなのだ。
制限されていた。基本的に全試合の放映権をスカイパーフェクTVが獲得し、
地上波民放とNHKで構成されるジャパンコンソーシアム(JC)が通常のテ
レビで放映できる権利を獲得できた試合はごく一部だった。前にも書いたが、
その事情をあまり知らない外国人記者からは、なぜテレビで全部の試合が放送
されないのだ、日本ではなぜワールドカップが盛り上がっていないのだ、と質
問されることが度々あった。
そんなことはない。
テレビの視聴率は日本戦では曜日によって四十五パーセントから六十八パー
セント、他の国の試合で最低でも十パーセント、ほとんどが三十パーセントの
視聴率を獲得している。みんな早く家に帰ってテレビを観ているおかげで、六
月には多くの飲食店ですっかり売り上げが下がってしまい、代わりにピザ屋や
コンビニが繁盛したぐらいなのだ。店内でサッカーを観ることのできるスポー
ツバーだって連日いっぱいだった。街角で騒ぐ人が少ないように見えても、日
本人の行動様式は明らかに変わっていた。そのことは後に発表されたさまざま
な消費動向に関する統計にも顕著に出ている。かなりの数の日本人がワールド
カップに熱狂していた。
だが、やはり大勢の人と一緒に盛り上がるのは楽しい。
だから、大勢で熱狂できる場がたくさんある韓国の人たちを、少し羨ましく
感じた。
六月十八日、熱狂的なサッカーファンである友人のひとりMさんは韓国・テ
ジョンにいた。
彼女はFIFAのインターネットサイトでイタリアのTSTチケットを手に
入れて、韓国までスタジアム観戦に来ていたのだ。
もちろん、日本人のほとんどは午後三時半からの決勝トーナメントの最初の
試合、日本対トルコの結果に注目していた。平日の昼間だというのに、NHK
の視聴率は四十八パーセントもあった。
韓国では夜八時半キックオフの韓国対イタリアの試合を全土で観るために各
地にオーロラビジョンが設置されていた。その前で三百万人から五百万人が韓
国のゲームを見るために集まることになっていて、昼間のあいだは同じ画面に
日本対トルコの試合が放映されていた。
試合終了のホイッスルが鳴り、日本の敗戦が決まったとたん、それを見てい
た韓国の群衆は飛び上がって喜んだ。
スタンドの横断幕のひとつにイタリア語で「地獄に堕ちろ、イタリア」と書
かれていた。ハングルで「アズーリ(イタリアチームのニックネーム)の墓場
へようこそ」と書いたものを見たという人もいる。
なんていうひどい観戦マナーだろう。
むろん、サッカーではしばしばきれいごとが通用しないことはよく知られて
いる。ホームとアウエイで明らかに勝率が違うのには、応援の差だけでないは
っきりとした理由があるのだ。
アウェイで、選手たちは冷たい視線を感じたり、バスに生卵を投げつけられ
るだけでなく、時に実際に生命の危険を感じることもあるという。宿泊先のホ
テルの外でホームチームを応援するサポーターが夜通し大きな音を立てて、翌
日戦う遠来のチームの選手たちが眠れないようにすることだって珍しくないと
いわれている。だからこそ、アウェイのチームは勝つことを半ば諦めなんとか
引き分けに持ち込むような試合展開を目指したりもするのである。
しかしだ。
ワールドカップは世界でもっとも人気のあるスポーツであるサッカーにおい
てもっとも重要な大会であり、なにしろオリンピックを凌ぐ世界最大のスポー
ツイベントなのだ。
これは メッセージ 82416 (chon_no_inai_nippon88 さん)への返信です.
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