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自然人類学2

投稿者: ditgtedgbbdc 投稿日時: 2002/07/27 15:23 投稿番号: [60853 / 99628]
有名なネアンデルタール人や、そのあとで各地から発見された同種の化石人骨については、現生人類の直系祖先とみなす人類学者が多い。しかし、ホモ・サピエンスとは枝分かれした別系統のヒトの仲間で、数万年前に絶滅したと考える研究者もいる。いずれにしても、ネアンデルタール人は10万〜3万5000年前に、ヨーロッパや中東地域の各地に数多くすんでいた採集狩猟民だった。がっしりとした体つきで、眉(まゆ)の部分がひさしのようにつきだした顔に特徴がある。脳の大きさは平均で1500ccもあり、これは現生人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)よりむしろ大きい。

ネアンデルタール人とホモ・サピエンス・サピエンスの中間的形態をしめす化石人骨も発見された。ネアンデルタール人を絶滅種とみなす研究者は、これを現生人類の直系祖先との混血とみなしている。しかしホモ・サピエンスという大分類の中に、いろいろな違いをもつグループがいたと考えるほうが妥当なようだ。そこにネアンデルタール人も現生人類もふくまれるとみるべきだろう。やがて、2万〜1万年前の氷河時代末期になると、もはや現生人類と変わりのない特徴をもった人類が世界各地にあらわれてくる。

アメリカ大陸では1万5000年以上前の古い人骨は発見されていない。この大陸の古人骨はすべてホモ・サピエンス・サピエンスである。つまり、現生人類への進化の歩みは、すべてアメリカ大陸以外でおこっていたのである。

2 人間の生物学 自然人類学のもうひとつの大きな分野は、現在の人間の生物学的特徴をめぐる研究である。かつては、人種をどのように区分すればよいか、それぞれの人種の特徴はどのようなものか、というような研究が主流だった。そして、皮膚や目の色、毛髪の特徴、血液型、頭の形など、さまざまな項目についての計測法が進歩するにつれ、人種の分類はますます複雑になっていった。→ 人種

現在では「純粋な人種」や「人種の原型」という考え方は誤解をまねくものとして、強く否定されている。今日地球上にすむ人類はすべてホモ・サピエンス・サピエンスであり、基本的には同一の祖先集団に由来しているのである。

確かに遺伝的特徴をみると地域ごとに違いがみとめられるが、中間的な形態や混合形態がかならずある。遺伝子伝達の仕組みはそれほど単純ではなく、たえず変異をもたらすのである。人間を人種ごとに分類するのは生物学的な根拠ではなく、むしろ社会的あるいは政治的な行為といえる。たとえば「東洋人」「黒人」「ヒスパニック」「白人」などは、遺伝的特質だけできめられるのではなく、文化的特徴も考慮にいれて社会的に規定された集団なのである。

やがて人間生物学者の関心は、遺伝の複雑な仕組みのほうにむいていった。今は、いろいろな条件のもとで、遺伝的適応と生理的・文化的な適応との間の相互関係がしらべられている。たとえば、病気や栄養不良の場合、あるいは高地や熱帯などのきびしい環境のもとでくらす場合などである。医療人類学者は、高血圧や糖尿病などの症例をとりあげ、文化や社会に関連するデータを遺伝の研究にとりいれる試みをおこなっている。
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