夢の国「イラン」についていろいろ教えて

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第三話 イランでの結婚許可を得るまで③

投稿者: hafez0211 投稿日時: 2010/04/10 04:35 投稿番号: [3577 / 3876]
10ヵ月後、やっと結婚許可が下りるという知らせがあった
それに際し淋病、エイズなどに罹患していないかを調べるための健康診断があり、指定の保健所のようなところで血液検査を受けた。
  結果を聞きに言ったとき、ちょっとした問題が発生した。
看護婦が夫の苗字を呼んだ。
ところがそれは「クルディスタンをつかむ男」という、滅茶苦茶な苗字だったのだ。
夫の顔色が蒼ざめ、「あの私は○○○○と申しますが」と名前の訂正をすると、看護婦はそれには応えずに
「もう一度血液検査を受けてください」と事務的に言ってきた。
「陽性反応がでたのですか?」と夫。
「いえ、そういうわけじゃありませんけど。お二人ともそちらに座って」と看護婦。
その瞬間、私の中で何かが弾け「陽性でもないのに、なんで血を2度も取られなきゃいけないの?納得できるように説明してください!」と怒鳴ってしまった。
私の剣幕に夫も看護婦も驚き、夫は(だからペルシャ語しゃべるなって言ったでしょ?)看護婦は「少々お待ちください」と言って、事務所に戻りどこかへ電話をかけた。
  まもなくして「奥様はいいそうです」と看護婦は愛想笑いをして、私に伝えた。
(あなたも、やる必要はないわよ)と私は夫に言ったのだが、彼は(何か意味があってのことだ。私は
やるしかないよ)と言った。
  結局再検査の結果も陰性で私たちは事なきをえたのだが、夫は「名前の件だけどね。アレ、わざと私たちを怖がらせるために、クルディスタンをつかむ男なんて言ったんだよ。君に届いた本がきっかけだったかもしれないし、私の家柄が問題だったのかもしれないし、風貌そのものが左翼のリーダーっぽあく見えるのもあるんだろうけど、内務省からの無言の圧力だと言ってまずまちがいないだろう。血液検査についてもね、一回目は血液検査をする日が分かっていただろ?麻薬中毒患者は、そういう時しばらく麻薬をひかえるものなんだ。だけど抜き打ちでやられたら、ひっかかるかもしれないだろう?奴らはそこを狙っていたんだ。もし麻薬検査にひっかかっていたら、私たちは結婚許可を取り消されたかもしれない。最後の最後まで、結婚させまいとしていたんだよ」と教えてくれた。

  日本に戻る機内で、やはりイラン人と現地結婚をした女性と知り合った。
彼女は3日で結婚許可が下りた、と言う。
  なんでもご主人のお父様が体制側の偉い立場にある方のようで、それでスピード許可が下りたようだ。
私はそのとき、イランでいい暮らしをするには僧侶になるか髭面でモスクに通う信者になるしかないと
イラン人が言っていたのを思い出した。
  帰路、私は(次は夫を日本に呼び寄せる手続きだわ。まけられない)と思いながら、長かった1年少々のイラン生活を振り返った。
  夫を残して、ひとりで帰国するのは寂しい気もしたが、まずは大きな山を越えたという安心感もあった。
  ところが、その後私が乗り越えていかなければいけない山は一つや二つではなかったのである。
イランで夫がストレスを一手に引き受けてくれていたように、今度は私が孤独な戦いを強いられる身となったのである。
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