水の一滴は血の一滴
投稿者: sevenwhitebird 投稿日時: 2002/12/22 09:14 投稿番号: [1215 / 2453]
イスラエルは、かくも水資源に乏しい。そのため、
ずっと海水の淡水化や廃水の再利用、大胆な節水などに積極的に取り組んできた。
しかし、絶対的な水不足は変わらず、水源のほぼ半分を、依然として
ヨルダン側西岸やゴラン高原に依存している。
西岸地区の年間降雨量はイスラエル全体の約40%を占め、
ゴラン高原には淡水湖であるガリラヤ湖がある。
そもそも1967年の第3次中東戦争は、ヨルダン川上流でシリアが水路工事を
やろうとしたのを、「ガリラヤ湖への水の流入に重大な影響がある」として
イスラエルが猛反発し、先制攻撃を仕掛けたのが引き金だった。
戦争後、イスラエルが西岸地区とゴラン高原を占領したのは、明らかに水資源戦略上の狙いからだ。
まさに「水の一滴は血の一滴」で、中東紛争の背景には水資源の問題が根深く横たわっている。
最近、死海の推移がどんどん下がっていると指摘されるが、これは
旧ソ連から大量移民に伴って、イスラエル全体で水の消費量が増えたことに
対応するため、ヨルダン川上流のガリラヤ湖での取水を増やしたのだが、
それでヨルダン川から死海への流入量が減ってしまったというわけなのだ。
イスラエルの国民1人当たりの水消費量は、パレスチナ人の3倍以上といわれる。
中東の水源をがっちり握っているイスラエルのことを、
シリアやヨルダンやパレスチナの人々は苦々しい思いで見ている。
宗教対立と同時に、水をめぐる対立も存在しているのだ。
中東和平が進んでいるとは言っても、根本的な解決は、なかなか容易なことではない。
ともあれ、水資源に乏しいという条件が、イスラエルの産業育成にとって大きな足カセとなったことは間違いない。
水がなければ、農業だけでなく、工業製品を作るのだって圧倒的に不利だ。
これだけ水の豊かな日本でも、戦後の工業化過程では工業用水を確保するために巨大なダムをいくつも作った。
水はモノ作りには絶対欠かせない資源なのである。
イスラエルが、最終的に量産思考の組立型産業ではなく、
頭脳型ハイテク産業へと進路を定めた背景には、天然資源がないとか
国内市場が小さいということに加え、この水不足という問題も大きかったはずだ。
2000年6月
「イスラエルの頭脳」
これは メッセージ 1207 (kazetokomorebi さん)への返信です.
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