さあ!諸君!捕鯨問題だ!

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もうひとつ【参考資料】

投稿者: crawlingchaos_g 投稿日時: 2005/07/26 23:23 投稿番号: [7260 / 62227]
毎日新聞、7月17日、米本昌平氏(科学技術文明研究所長)の評論。
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  02年に下関で国際捕鯨委員会(IWC)が開かれだのを機に、私はNGO(非政府組織)代表としてオブザーバー資格を得、年次総会を傍聴してきている。この6月に韓国・蔚山で開かれた第57次総会から帰って、日本での報道ぶりを確かめてみて、改めて愕然とした。記事の内容は日本政府代表によるブリーフィングに色づけしたものがほとんどであり、霞が関の記者クラブが年次総会の場へ移動しただけだったからである。
  21世紀に入って国際交渉の場は、表面上は一段と洗練されたものになっている。その中で、IWCで繰り広げられる国益むき出しの、時として感情的な対立は特異的なものに映る。
  IWCが国際捕鯨取締条約(46年締結)を踏まえたものである以上、義は日本にあるように見える。日本は、条約序文にある「捕鯨産業の秩序ある発頭」を根拠に、82年にモラトリアム(商業捕鯨のー時停止)が採択されて以来、商業捕鯨の復活を目指している。再開の前提となる捕獲枠の算定方式(改定管理方式、RMP)は、93年に科学委員会が全会一致で採用を勧告したのだが、本委員会はこれに上乗せして、RMPの実施を監視するための改定管理制度(RMS)を設けることで採択した。RMSは今なお審議中であり、日本が到達すべきゴールはどんどん先延ばしにされている。
  それだけではない。80年代におけるモラトリアムの採択や、これに対する日本の異議申し立ての撤回などはすべて、アメリカの圧力によるものであり、日本関係者が抱く積年の怨念と被害者意識は並大抵のものではない。
  しかしである。現在のIWCは、「日本」対「反捕鯨国」という二大勢力が四つに組んだまま膠着状態にある。年次総会では毎年同じ議題が取りあげられ、同じ応酬がなされ、次回開催地を除いては、何も決められないまま終わるのが常である。年に一度、愛国心をかきたてる話題を提供する国際イベントと化しているのだ。
  ある国際政治学者はこの状態を、経済学で言う「パレート最適」にあると診断した。当事者の誰かが害を被らないで現状を改めることは不可能な関係にあり、結果的に全関係者にとって一番好都合な状態に達している、という見立てである。
  確かに、反捕鯨国の主力は、日本に影響力を行使するアメリカから、南極海域を鯨のサンクチュアリ(聖域)と定め、捕鯨産業とはホエール・ウオッチのことと考えるオーストラリアやニュージーランドに代わったし、国際環境NGOにとっては、商業捕鯨が復活すれば鯨は必ず絶滅すると一般に信じさせておいた方が、資金集めには便利である。
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