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「水産資源学を語る」解説(4)

投稿者: legal_guardian01 投稿日時: 2012/05/13 12:25 投稿番号: [58138 / 62227]
「環境容量」、または「環境収容力」は、その環境を損なうことなく受け入れられる生物種の最大量のことだ。鯨をはじめとする水産の分野ではこれを慣習的に「初期資源量」と呼んでいる。

イメージとしてはこういうことだと思う。
例えば、南氷洋の鯨類は人間が遠洋捕鯨を行なう前には、外的な捕獲圧がかかってなくて、その環境に生きられるだけ繁殖していた(資源量が環境容量に到達して飽和していた)。だからその時期を「初期」と呼び、そのときの資源量を「初期資源量」と呼んだ。
だが、意味としては、「環境容量」と同じだ。

話は本筋と外れるが、「環境容量」つまり初期資源量が定数である、というのは仮定にすぎない。ごく短期間なら環境容量が変化するような事態はないだろう、だから一定値としておこう、という仮説だ。これが100年レベル、1000年レベルだと常識的にそうは行かないと分かる。南氷洋の鯨の場合は1900年以前の資源量は「環境容量まで飽和しいていて」「その環境容量が現在まで維持している」という仮説に立脚していて、その当時の資源量(初期資源量)が環境容量だと繋がる。だから、ミンククジラの「環境容量」がシロナガスクジラの「環境容量」を争奪しているなどの話には全く耳をかさない訳だ。

本論に戻って

P(t+1)=P(t)−C(t)+1.4184μP(t){1−(P(t)/P(0))(P(t)/P(0))}

ここに、P(t)/P(0)という項がある。P(t)は資源量、P(0)は初期資源量(環境容量)だ。もし、資源量が環境容量に到達していれば P(t) = P(0) となり、P(t)/P(0) = 1   ということになる。この場合、上の式は

P(t+1)=P(t)−C(t)

ということになる。これは、資源量が環境容量に到達していれば、全く増減しないという意味だ。C(t) = 0   つまり、人間の捕獲がまったくない場合は、
P(t+1)=P(t)
となり安定する。このときの量が環境容量P(0)となる。

本体の式には a×P(t){1−(P(t)/P(0))^n}の部分を含んでいる。(^nはn乗ということで、この場合は二乗)このためにこの式はロジスティック式と呼ばれる。P(t)がP(0)より充分に小さければ指数関数的増加を起こす。マルサスの場合がこれに相当する。P(t)がP(0)に近ければ、{1−(P(t)/P(0))^n}というブレーキが利いてくるので、ほとんど増加しなくなる。この時間−資源量のグラフは歪んだS字カーブを示し、シグモイド曲線という。

シグモイド曲線は目新しい曲線でもなく、研究されつくされている。指数を2にしている理由は良く分からない。
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