Re: 不条理 ← 権威論証の例
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2011/01/16 20:25 投稿番号: [51238 / 62227]
>「知的水準がが高い意見だ」というのは「「クジラがカワイソー」だとか、
>「イルカは知能が高いから...」」といった差別的主張と大して変わらないんだ。
ここで「知的水準が高い意見」というのは、要するに現代の資源管理論を
理解した上での意見ということです。
簡単に言うと屋久杉でもクジラでも、成長率の低い生物資源は商業利用に
適さないという理論で、1970年代に確立しています。
短期的には儲けが出ても、長期的に見ると自然の持続可能性と商業原則の
間に破局的な対立が現れる局面が出てくるという理解です。
もちろんこういう「理論」を知らなくても、それだけで知的水準が低い
というつもりはないです。
たとえば「イルカは知能が高いから、狭いところに拘束されているとストレス
が高まる。従って寿命や増殖率に負の影響を及ぼす」というのは意識して
いなくても上の生物資源管理論の一例になっています。
ただし意識して理論化しないと法制化、国際法化はしにくいということです。
「イルカやクジラがかわいそう」という最もプリミティブな意見でも、
解釈のしかたによっては自然の「無常」、脆弱性への直観や生態系への畏怖を
表現したものと言えるわけで、私はこういう意見も無礙に否認するつもりは
ないです。
ただしそういうプリミティブな直観表現で国際法を作るとなると、一文化の
他文化への押しつけということになるので、感受性の背後にあるものを
理論化すべきということになるのです。
鯨類についてはIWC科学委員会が1970年代以降一貫してこういう作業を
続けていますね。日本政府はかたくなに、イルカ、シャチ等小型鯨類を
IWC管轄下におくことを拒否していますが。
そうなると国連海洋法条約64条の高度回遊種に関する国際協調条項が
ダイレクトに効いてきます。国連海洋法条約には科学的調査=「調査捕鯨」
を特例視する条項が無いですから「調査捕鯨」でさえその根拠を完全に失う
ことになります。
>小型カンガルー類には未だ絶滅危惧種であるものが少なくない。
小型カンガルー類のほとんどは残念ながら19世紀おわりから20世紀初頭に
すでに絶滅しています。
現在残っているものは手厚く保護されていて、「増えすぎたから捕殺する」
なんてことはありえません。
>それから、ディンゴはどうなの?絶滅危惧種であるのに狩猟許可が簡単に下りているよね。
ディンゴは犬と同様、繁殖率に関して脆弱ではないです。
おまけにもともとのオーストラリア大陸土着種ではなく、人間が持ち込んで、
大陸古来の固有動物種を数多くを絶滅させた動物ですから、あまり積極的に
保護する理由は無いです。
もっとも最近の保全生物学だと、16世紀頃にすでに定着している外来種は、
生態系の一環として保護すべきという意見が強いですから、そう言う意味では
生態系バランスを評価した上で捕獲許可を出す必要があるでしょう。
>君のやり方は「知的水準が高い人の意見だから従え」という権威論証だよ。
現段階の最良の知見にもとづいて政策決定をするというのは、法治主義、
「法の支配」の基本です。
昨年3月CITESの大西洋クロマグロをめぐる論争で、日本、中国にバックアップ
されたリビア代表が、ジャスティン・クックの論証を根拠とするモナコ案を
「科学的根拠が無い」と言って否決に導きましたが、これは「知的水準が
高い人の意見だから従え」という論理に対抗する論理に見えますね。
これはいったいどういう論理なのだろうか?
ジャスティン・クックという人は慎重な人だから、地中海クロマグロの
下位系群分析にまだ未解明な部分があるから、確実に脆弱種と定義することは
できないと自分で言ってるわけですが、「不確実性領域がある」ということと、
「科学的根拠が無い」ということはまったく別のことだと思いますが。
ちなみに、ジャスティン・クックというのはIWCの現在のヒゲクジラ類資源評
価方式、RMP(改訂管理方式)を開発した人です。
>「イルカは知能が高いから...」」といった差別的主張と大して変わらないんだ。
ここで「知的水準が高い意見」というのは、要するに現代の資源管理論を
理解した上での意見ということです。
簡単に言うと屋久杉でもクジラでも、成長率の低い生物資源は商業利用に
適さないという理論で、1970年代に確立しています。
短期的には儲けが出ても、長期的に見ると自然の持続可能性と商業原則の
間に破局的な対立が現れる局面が出てくるという理解です。
もちろんこういう「理論」を知らなくても、それだけで知的水準が低い
というつもりはないです。
たとえば「イルカは知能が高いから、狭いところに拘束されているとストレス
が高まる。従って寿命や増殖率に負の影響を及ぼす」というのは意識して
いなくても上の生物資源管理論の一例になっています。
ただし意識して理論化しないと法制化、国際法化はしにくいということです。
「イルカやクジラがかわいそう」という最もプリミティブな意見でも、
解釈のしかたによっては自然の「無常」、脆弱性への直観や生態系への畏怖を
表現したものと言えるわけで、私はこういう意見も無礙に否認するつもりは
ないです。
ただしそういうプリミティブな直観表現で国際法を作るとなると、一文化の
他文化への押しつけということになるので、感受性の背後にあるものを
理論化すべきということになるのです。
鯨類についてはIWC科学委員会が1970年代以降一貫してこういう作業を
続けていますね。日本政府はかたくなに、イルカ、シャチ等小型鯨類を
IWC管轄下におくことを拒否していますが。
そうなると国連海洋法条約64条の高度回遊種に関する国際協調条項が
ダイレクトに効いてきます。国連海洋法条約には科学的調査=「調査捕鯨」
を特例視する条項が無いですから「調査捕鯨」でさえその根拠を完全に失う
ことになります。
>小型カンガルー類には未だ絶滅危惧種であるものが少なくない。
小型カンガルー類のほとんどは残念ながら19世紀おわりから20世紀初頭に
すでに絶滅しています。
現在残っているものは手厚く保護されていて、「増えすぎたから捕殺する」
なんてことはありえません。
>それから、ディンゴはどうなの?絶滅危惧種であるのに狩猟許可が簡単に下りているよね。
ディンゴは犬と同様、繁殖率に関して脆弱ではないです。
おまけにもともとのオーストラリア大陸土着種ではなく、人間が持ち込んで、
大陸古来の固有動物種を数多くを絶滅させた動物ですから、あまり積極的に
保護する理由は無いです。
もっとも最近の保全生物学だと、16世紀頃にすでに定着している外来種は、
生態系の一環として保護すべきという意見が強いですから、そう言う意味では
生態系バランスを評価した上で捕獲許可を出す必要があるでしょう。
>君のやり方は「知的水準が高い人の意見だから従え」という権威論証だよ。
現段階の最良の知見にもとづいて政策決定をするというのは、法治主義、
「法の支配」の基本です。
昨年3月CITESの大西洋クロマグロをめぐる論争で、日本、中国にバックアップ
されたリビア代表が、ジャスティン・クックの論証を根拠とするモナコ案を
「科学的根拠が無い」と言って否決に導きましたが、これは「知的水準が
高い人の意見だから従え」という論理に対抗する論理に見えますね。
これはいったいどういう論理なのだろうか?
ジャスティン・クックという人は慎重な人だから、地中海クロマグロの
下位系群分析にまだ未解明な部分があるから、確実に脆弱種と定義することは
できないと自分で言ってるわけですが、「不確実性領域がある」ということと、
「科学的根拠が無い」ということはまったく別のことだと思いますが。
ちなみに、ジャスティン・クックというのはIWCの現在のヒゲクジラ類資源評
価方式、RMP(改訂管理方式)を開発した人です。
これは メッセージ 51229 (legal_guardian01 さん)への返信です.
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