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BEKOFF「倫理と海洋哺乳類」2

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/09/07 18:44 投稿番号: [47475 / 62227]
この稿で私は人間とイルカ、人間と鯨に関する倫理的問題に焦点を
当てる(捕殺、生け捕りによる飼育、イルカと泳ぐプログラム、娯楽
への利用等々)。この見やすい関係で出てくる倫理上の問題を考察する
ことにより、鰭脚類(オットセイ、アザラシ、アシカ、セイウチ)や
マナティー類(Trichechus spp)、シロクマ(Ursus maritimus)など
他の海洋哺乳類と人間の関係にも適用できる図式を示すためである。

これらの動物との遭遇に関心が高まっているのには理由がある。
これら動物種の個々の個体は感覚/意識を持った生物なのである
(快感と苦痛を経験することができる動物という意味)。
感覚、意識があるということは、われわれがかれらにいかに接するか
ということに影響を及ぼさずにはおかない(Bekoff 2006a. b. 2007b)。

科学研究にはいつも驚きがある。新たな科学的データは、われわれが
すでに知っていることを再検討させ、ステレオタイプを改めさせるよう
なものとしてあらわれる。

たとえば長い間人間と大型類人猿だけに見られると考えられていた
紡錘形細胞(spindle cells)が、ザトウクジラ(Megaptera novaeangliae)、
ナガスクジラ(Balaenoptera physalus)、シャチ(Orcinus orca)、
マッコウクジラ(Physeter macrocephalus)で、人間の脳内での紡錘形
細胞の位置に相当する彼らの脳の同じ分野で発見された(Coghlan, 2006)。

この脳領域は社会的組織化、感情移入、他者の感覚に対する洞察力、
ならびに急激な消化管反応にリンクしている。紡錘形細胞は感情の処理に
とって重要である。魚類が痛みや苦痛を感受しうる生物であるという
データベースも増えつつある(Sneddon, 2003; Moccia and Duncan, 2004)。

イルカ、鯨その他の海洋哺乳類はしばしばわれわれがその生存を望むもの
というふうに意味を作り上げてきた動物だった。イルカや鯨に関する
記述はほとんど以下のように彼らを描写している。

高度に知能の発達した動物であり、楽しみと苦痛を経験することが
できる。しかも顕著な社会性と認識力というスキルを持っている。
実際にイルカやその他の海洋哺乳類は「人格性」のいくらかの基準を
みたしており、活発に周囲への意識をあらわし、感受性があり、
自意識もあるのかもしれない。

それならば、われわれが彼らの世界へ侵入してゆくことは彼らに
苦痛を与えることになりうるのに、なぜそうすることを快適だと
考える人々がいるのだろうか?

トニー・フローホフ(Toni Frohoff <1998, p. 84>)がこれを適切に
表現している。「現在われわれは鯨類との関係で細い線の上を歩いて
いる。彼らを危害から保護しようというまさにその誘因こそが、
われわれを彼らの近くへと駆り立てる誘因なのである。彼らを手の
とどく近さにおいておきたいという欲求だ。」

イルカや他の海洋哺乳類はアトラクティブであり、危害を加えず、
神秘的な意味合いを付与されているか、あるいは経済的な商品価値、
ショーのためあるいは食糧として何らかの経済価値を見いだしうる
ものと見なされている。しかしわれわれは彼らをわれわれの生活の
中に取り入れようとすることによって、往々にして危害をもたらすの
である。たとえ捕殺するのではないとしてもである。

海洋哺乳類について考察する際に持ち上がる多くの課題は、他の哺乳類に
関する議論でも持ち上がる。たとえば陸棲の肉食哺乳類に関してである。

過去の3世紀間でもっとも迫害された動物はオオカミとクジラである。
オオカミは捕食者として怖れられたのであり、クジラはその経済価値
のためである。オオカミといくらかの鯨種が絶滅に近いところまで追い
やられたことが、環境政策の設定に重要な意味を持った。

しかしイルカと泳いだり戯れたりする人は多くても、本気でオオカミと
戯れたり吠えたりする人はほとんどいないだろう。多くの人々が
いくらかの海洋哺乳類と密接な関係を持っているということが、
この遭遇にユニークな問題を提起する。

(#日本で日本オオカミが絶滅し、いくつかの大型鯨類が危機に瀕した時、
何らかの環境政策が構想された、ということはなかったようだし、
一般世論もほとんど気にしなかったようですね。むしろオオカミが
いなくなったのは、田舎の人々にとってはよいことだ、ぐらいに
考えていたのかな。「人間中心主義」というのはそういうことです。
「コンクリートから人間へ」というのは悪いことじゃないけどw   )

(つづく)
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