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個体群ステイタスとトレンド1

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/08/01 23:54 投稿番号: [46739 / 62227]
"Encyclopedia of marine mammals"
By William F. Perrin, Bernd G. Würsig, J. G. M. Thewissen. 918&#8211;920頁
【Population Status and Trends/個体群ステイタスとトレンド】
執筆:JAY BARLOW AND RANDALL R. REEVES

海洋哺乳類に関してステイタス(資源/個体群状態)とは、ある管理基準に
則して個体群のサイズあるいは一般的な健全さを計測したものである。
トレンドとは一定の期間(通常長い期間)での個体群の成長率あるいは
減少率を計測したものである。

ステイタスとトレンドが両方合わさり、管理目的がある個体群あるいは
管理単位に対して適合しているかどうかを評価するベースとなる。


I.ステイタス(状態)

ステイタス概念に内在する実質とは、ある基準、測定基準について個体群を
評価するということである。

個体群サイズの絶対数推定が個体群ステイタスの評価に含まれるとは言えるが、
この個体群サイズの、特定の目標との関係での意味を評価しなければ
ステイタス評価は不完全である。

個体群ステイタスの評価基準とは、典型的には捕獲目的のついてのもので
あるか、あるいは保全目的についてのものである。

_A.捕獲目的

捕獲目的の場合、個体群サイズは伝統的に、それが最大の持続的生産(MSY)
を提供する個体群水準(MSYL)を基準として評価されてきた。

個体数は捕獲の結果減少すると予測される。しかし個体群サイズが
減少すると個体群成長率が上昇してこの捕獲分を相殺すると予期される
(密度依存性)。

この推論の中にある仮説は、個体群が必要とするリソースに限度がある
ということであり、密度が低下すると一個体あたりで利用できるリソース
が増加し、それによって再生産の強化や生き残り、あるいはその双方が
サポートされるという仮説である。

捕獲と成長率は、ありうる個体群サイズが広い範囲で均衡することを
許容すると考えられる。しかし典型的には捕獲が特定の均衡水準(MSYL)で
最大化すると考えられている。

最大持続生産水準(MSYL)のコンセプトは永く存続してきたが、
現実の管理ベースとしては重大な欠陥があると、1970年代には広く
認識されるようになった。

MSYLでの個体群管理はナイフの刃の上でのバランスのようなものであり、
これには定常的なコンディションとほとんど完璧なデータが要求される。

通常個体数がこの水準からすべり落ちると、急激で甚大な管理行動が
必要とされることになり、経済的資源としての個体群の崩壊をその
時点で阻止することはほとんど実行不可能であるような状態になる。

このことに気がついたので、よりリスク回避型の管理モデルが導入され、
個体群をその最大持続生産水準より高いレベルに保持しておくことが
目ざされるようになった。このより高いターゲットレベルは最適持続
生産水準と呼ばれることもある。

現在、明確な捕獲目的で管理されている海洋哺乳類種は非常に少ない。
商業捕鯨のモラトリアムが1986年以来実行されているが、国際捕鯨
委員会(IWC)は捕獲ベースの管理枠を大型鯨類に関して設定している
[ヒゲクジラ類、マッコウクジラ(Physeter macrocephalus)、トックリ
クジラ類(Hyperoadon spp.)]。

ステイタスを判定するために、個体群サイズは最大持続生産レベル(MSYL)
をベースにした基準と比較される。

保護資源(PS)とはMSYLの0.9倍以下のものである。
持続的管理資源(SMS)はMSYLの0.9倍から1.2倍の間に位置する
ものである。
初期管理資源(IMS)はMSYLの1.2倍以上のものである。


(つづく)
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