南極海調査パートナーシップ (SORP)
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/07/27 08:26 投稿番号: [46389 / 62227]
なんか、オセアニアの非致死調査と日本の調査捕鯨でどっちが
勝ちか負けかという話になってますけどw
(そもそも日本の調査捕鯨20なん年で何がわかったのかさっぱり
わからないという話はおいといて...)
南極海調査パートナーシップの概要を今年のIWC科学委員会報告
で見ると、そういう勝ち負けとはあんまり関係ない企画です。
プロジェクト項目列挙すると以下のとおり;
[19.3.1 Killer whales in the Southern Ocean/南大洋のシャチ]
北半球同様、南半球にも3つのライフスタイルの違うシャチの
グループがあって、これが生態系全体の要の位置でいろいろ影響している
らしい、けれどもよくわかってないから詳しく解明しようという
プロジェクトですね。
北半球の場合、もともと鯨を捕食していたタイプのシャチが、
大量捕鯨の影響で餌が少なくなり、トド、ゼニガタアザラシ、
ラッコと次々に餌種を変えながらなぎ倒していったので、
ラッコの少なくなった海域ではラッコの餌のウニが増え、これが
海藻を食い尽くして魚が減ったという、壮大な生態系将棋倒し理論が
できたので有名です(いまだ論争中で、話ができすぎてると信用しない
人も多いけどね)。
南半球の場合、鯨が減ったのと同時に増えた遠洋漁業の延縄漁で、
針にかかったマグロやマジェランアイナメをシャチが食べるというのが
話題になってます。鯨食害論を言いたいんならこれが一番先に
こなきゃおかしいね。かかった魚の半分まで食べられるということが
よくあるそうだ。
食害論がただの口実というんならまあ無視で当然だけど。シャチの肉なんか
売れないからね。
#おもしろいのはフランスのチームが撮影したマジェランアイナメ漁船で
食害よけの研究をしてる鯨類学者のドキュメントフィルムだ。
シャチのグループが3−4頭で延縄のアイナメ食べてると、巨大な
マッコウクジラも遅れてやってくるんだね。そうするとシャチたちは
鯨の下へまわってまわりながら気泡を吹き出す。そうするとマッコウは
自分の出す音響反射での位置定位ができなくなって錯乱し、よそへ
行ってしまうのだそうだ。食害防止になってないって?
しょうがないじゃないか、まだシャチの下へまわって泡吹く家畜が
見つかってないんだから。フランスはジャック=イヴ・クストー以来、
こういう海洋ドキュメンタリーの人気が高いね。今のモナコの国王は
子供の頃、クストーが館長やってたモナコ海洋博物館で遊んでたそうだ。
[19.3.2 Foraging ecology and predator prey
interactions of whales and krill/
摂餌生態と鯨類、オキアミにおける補食者、非補食者の相互関係]
大隅清治先生お得意の、ミンクが増えすぎてシロナガスが増えられない
理論に関連するテーマなのだけれど、詳細はいずれまた。
[19.3.3 Oceania humpback mixing/オセアニアのザトウクジラ(系群)混合]
これを中心にした第一回目の航海が、サンプル数少ないと、大隅清治
先生にコテンパにやられてしまったのでした(船の数が違うのにね)。
音響による鳴き声分類とか、尾びれの写真撮影による継続調査の
公開データベース作りとか、ニュージーランドから南極にかけての
海中微生物の炭素と窒素の安定同位体比率分析とか(これで道草比率が
わかるかも)、いろいろなことやってるんだけどね。
[19.3.4 Fin and blue whale acoustics/
ナガスクジラ、シロナガスクジラの音声受信]
2−3月の豪NZ共同調査では音響受信ソノブイを111個海に落として
鯨の鳴き声を定位し、天候が悪いから目では見えないおそらく一頭だけ
と思われるシロナガスクジラを36時間捕捉し続けたと書いてあります。
IWC科学委員会レポートだと、音響による密度分布から生息数を
推定できるという新しい調査方法が将来的展望となってますね。
これは面白い(スコットランド、セントアンドリュース大学のLen Thomas
のサイトにいろいろあります)。
(つづく)
勝ちか負けかという話になってますけどw
(そもそも日本の調査捕鯨20なん年で何がわかったのかさっぱり
わからないという話はおいといて...)
南極海調査パートナーシップの概要を今年のIWC科学委員会報告
で見ると、そういう勝ち負けとはあんまり関係ない企画です。
プロジェクト項目列挙すると以下のとおり;
[19.3.1 Killer whales in the Southern Ocean/南大洋のシャチ]
北半球同様、南半球にも3つのライフスタイルの違うシャチの
グループがあって、これが生態系全体の要の位置でいろいろ影響している
らしい、けれどもよくわかってないから詳しく解明しようという
プロジェクトですね。
北半球の場合、もともと鯨を捕食していたタイプのシャチが、
大量捕鯨の影響で餌が少なくなり、トド、ゼニガタアザラシ、
ラッコと次々に餌種を変えながらなぎ倒していったので、
ラッコの少なくなった海域ではラッコの餌のウニが増え、これが
海藻を食い尽くして魚が減ったという、壮大な生態系将棋倒し理論が
できたので有名です(いまだ論争中で、話ができすぎてると信用しない
人も多いけどね)。
南半球の場合、鯨が減ったのと同時に増えた遠洋漁業の延縄漁で、
針にかかったマグロやマジェランアイナメをシャチが食べるというのが
話題になってます。鯨食害論を言いたいんならこれが一番先に
こなきゃおかしいね。かかった魚の半分まで食べられるということが
よくあるそうだ。
食害論がただの口実というんならまあ無視で当然だけど。シャチの肉なんか
売れないからね。
#おもしろいのはフランスのチームが撮影したマジェランアイナメ漁船で
食害よけの研究をしてる鯨類学者のドキュメントフィルムだ。
シャチのグループが3−4頭で延縄のアイナメ食べてると、巨大な
マッコウクジラも遅れてやってくるんだね。そうするとシャチたちは
鯨の下へまわってまわりながら気泡を吹き出す。そうするとマッコウは
自分の出す音響反射での位置定位ができなくなって錯乱し、よそへ
行ってしまうのだそうだ。食害防止になってないって?
しょうがないじゃないか、まだシャチの下へまわって泡吹く家畜が
見つかってないんだから。フランスはジャック=イヴ・クストー以来、
こういう海洋ドキュメンタリーの人気が高いね。今のモナコの国王は
子供の頃、クストーが館長やってたモナコ海洋博物館で遊んでたそうだ。
[19.3.2 Foraging ecology and predator prey
interactions of whales and krill/
摂餌生態と鯨類、オキアミにおける補食者、非補食者の相互関係]
大隅清治先生お得意の、ミンクが増えすぎてシロナガスが増えられない
理論に関連するテーマなのだけれど、詳細はいずれまた。
[19.3.3 Oceania humpback mixing/オセアニアのザトウクジラ(系群)混合]
これを中心にした第一回目の航海が、サンプル数少ないと、大隅清治
先生にコテンパにやられてしまったのでした(船の数が違うのにね)。
音響による鳴き声分類とか、尾びれの写真撮影による継続調査の
公開データベース作りとか、ニュージーランドから南極にかけての
海中微生物の炭素と窒素の安定同位体比率分析とか(これで道草比率が
わかるかも)、いろいろなことやってるんだけどね。
[19.3.4 Fin and blue whale acoustics/
ナガスクジラ、シロナガスクジラの音声受信]
2−3月の豪NZ共同調査では音響受信ソノブイを111個海に落として
鯨の鳴き声を定位し、天候が悪いから目では見えないおそらく一頭だけ
と思われるシロナガスクジラを36時間捕捉し続けたと書いてあります。
IWC科学委員会レポートだと、音響による密度分布から生息数を
推定できるという新しい調査方法が将来的展望となってますね。
これは面白い(スコットランド、セントアンドリュース大学のLen Thomas
のサイトにいろいろあります)。
(つづく)
これは メッセージ 46385 (messengerofnonmalt_2002 さん)への返信です.
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