Re: 八木信行(元捕鯨班つまり元高級水産官
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/06/23 15:56 投稿番号: [45134 / 62227]
>>1)国連海洋法条約64条「高度回遊種」の国際管理という新たな課題を
>>事実上委託されているIWCはイルカ(ネズミイルカ科を除く)を含む
>>海洋鯨類の捕獲、保全に関して責任を負わねば成らない。
>これは捕獲を全面的に禁止するものじゃないよ。
>ある程度以上存在するものは、国際機関の管理の下捕獲して良い。
わかりやすいコメント、ありがとうございます。
一般論としてはもっともですね。
ただし、「ある程度以上存在する」という前提の成立していない
ところで、こういうもっともらしい「一般論」がマスコミを
飛び交うと、明らかな世論の誤導になります。
日本近海ミンククジラJ系群は自然状態での生息数の30%前後で、
とても「ある程度以上存在」していて獲っても良いという
水準にはないです。
もっともらしい「一般論」を、前提の成立していないところに
適用し、ひどい目にあったというのは、小泉・竹中時代に
いやというほど体験したはずなのですが...
|第64条 高度回遊性の種
| 1 沿岸国その他その国民がある地域において附属書Iに掲げる
|高度回避性の種を漁獲する国は、排他的経済水域の内外を問わず当該地域全体において
|当該種の保存を確保しかつ最適利用の目的を促進するため、
|直接に又は適当な国際機関を通じて協力する。
|適当な国際機関が存在しない地域においては、沿岸国その他その国民が
|当該地域において高度回遊性の種を漁獲する国は、そのような機関を設立し
|及びその活動に参加するため、協力する。
>「最適利用の目的を促進」が読み取れずに、保全だけに言及するのはインチキだよね。
>またIWCが適当な機関であるかどうかは、現在の空中分解に近い状態では、そう断定することも難しい。
第一にこの「最適利用」というのが短期的最適利用なのか長期的最適利用
なのかでまったく様相が違います。
短期の最適利用でよいのならば、短期間で集中的に捕りまくり、利潤を
極大化しておいて、資源が枯渇したら儲けを別の成長分野に再投資すればよい、
というパターンになります。(商業利用、遠洋漁業etc.)
長期的な最適利用だと、100年、200年、1000年というオーダーで
資源量が自然状態に近い水準を推移するという状態を最適と言います。
長期的な総利益が最大化するというのはこういう状態です。(原住民生存捕鯨etc.)
特にクジラやサメ、珊瑚、屋久杉のようにバイオマス増加率が低い
野生生物の場合、「短期的最適利用」の弊害は非常に大きいです。
第二に、「最適利用」を水産品、水産加工品、産業原材料という
ふうに狭く限定すると、他の利用/サービス目的が不当に抑圧されます。
たとえばホエールウォッチングや鯨類の生態系サービスという
役割ですね。
この生態系サービスというのは非常に広汎ですが、たとえば私が
数日前に指摘したように、年ごとに発生量がものすごく違うイカナゴ
の振幅を均等化し、何万年というオーダーでイカナゴを巡る
海洋生態系を持続させたり、イカナゴ漁の安定性に寄与するとか
いうこともこれに含まれます。
先々週話題になったマッコウクジラの鉄分、二酸化炭素循環への寄与
もこの範疇ですね。
この領域はまだまだわからないことがいっぱいあるのですが、今年
名古屋で国際会議がある「生物の多様性」に関する議論で、その意味を
一般にわかりやすくする説明することになってるはずです。
野生資源の持続的利用というのはデカルト、ライプニッツ、スピノザ
あたりのた時代に、特に林業ではじまった概念だそうですね。
ガラス工業や鉄鋼業で木炭を大量消費するようになり、森林資源が
枯渇したという反省から出てきたもののようです。
それで、たとえば成長に25年かかる樹林だと、森全体を25の区画に
わけ、一年に一区画だけ伐採するという単純な発想です。
当時はまだ「生態系サービス」なんて発想はなかったですから、
害虫、害獣は徹底的に排除します。印象派の絵画を見ると、
下薮がきれいに取り払われ、整然と並んだポプラの林なんてのが
よくありまあすね。
野生生物資源(リソース)というのは単一目的のためだけに
調整すると、一時代の風物にはなるけれど、生物の歴史何億年
という生命力を失います。
>>事実上委託されているIWCはイルカ(ネズミイルカ科を除く)を含む
>>海洋鯨類の捕獲、保全に関して責任を負わねば成らない。
>これは捕獲を全面的に禁止するものじゃないよ。
>ある程度以上存在するものは、国際機関の管理の下捕獲して良い。
わかりやすいコメント、ありがとうございます。
一般論としてはもっともですね。
ただし、「ある程度以上存在する」という前提の成立していない
ところで、こういうもっともらしい「一般論」がマスコミを
飛び交うと、明らかな世論の誤導になります。
日本近海ミンククジラJ系群は自然状態での生息数の30%前後で、
とても「ある程度以上存在」していて獲っても良いという
水準にはないです。
もっともらしい「一般論」を、前提の成立していないところに
適用し、ひどい目にあったというのは、小泉・竹中時代に
いやというほど体験したはずなのですが...
|第64条 高度回遊性の種
| 1 沿岸国その他その国民がある地域において附属書Iに掲げる
|高度回避性の種を漁獲する国は、排他的経済水域の内外を問わず当該地域全体において
|当該種の保存を確保しかつ最適利用の目的を促進するため、
|直接に又は適当な国際機関を通じて協力する。
|適当な国際機関が存在しない地域においては、沿岸国その他その国民が
|当該地域において高度回遊性の種を漁獲する国は、そのような機関を設立し
|及びその活動に参加するため、協力する。
>「最適利用の目的を促進」が読み取れずに、保全だけに言及するのはインチキだよね。
>またIWCが適当な機関であるかどうかは、現在の空中分解に近い状態では、そう断定することも難しい。
第一にこの「最適利用」というのが短期的最適利用なのか長期的最適利用
なのかでまったく様相が違います。
短期の最適利用でよいのならば、短期間で集中的に捕りまくり、利潤を
極大化しておいて、資源が枯渇したら儲けを別の成長分野に再投資すればよい、
というパターンになります。(商業利用、遠洋漁業etc.)
長期的な最適利用だと、100年、200年、1000年というオーダーで
資源量が自然状態に近い水準を推移するという状態を最適と言います。
長期的な総利益が最大化するというのはこういう状態です。(原住民生存捕鯨etc.)
特にクジラやサメ、珊瑚、屋久杉のようにバイオマス増加率が低い
野生生物の場合、「短期的最適利用」の弊害は非常に大きいです。
第二に、「最適利用」を水産品、水産加工品、産業原材料という
ふうに狭く限定すると、他の利用/サービス目的が不当に抑圧されます。
たとえばホエールウォッチングや鯨類の生態系サービスという
役割ですね。
この生態系サービスというのは非常に広汎ですが、たとえば私が
数日前に指摘したように、年ごとに発生量がものすごく違うイカナゴ
の振幅を均等化し、何万年というオーダーでイカナゴを巡る
海洋生態系を持続させたり、イカナゴ漁の安定性に寄与するとか
いうこともこれに含まれます。
先々週話題になったマッコウクジラの鉄分、二酸化炭素循環への寄与
もこの範疇ですね。
この領域はまだまだわからないことがいっぱいあるのですが、今年
名古屋で国際会議がある「生物の多様性」に関する議論で、その意味を
一般にわかりやすくする説明することになってるはずです。
野生資源の持続的利用というのはデカルト、ライプニッツ、スピノザ
あたりのた時代に、特に林業ではじまった概念だそうですね。
ガラス工業や鉄鋼業で木炭を大量消費するようになり、森林資源が
枯渇したという反省から出てきたもののようです。
それで、たとえば成長に25年かかる樹林だと、森全体を25の区画に
わけ、一年に一区画だけ伐採するという単純な発想です。
当時はまだ「生態系サービス」なんて発想はなかったですから、
害虫、害獣は徹底的に排除します。印象派の絵画を見ると、
下薮がきれいに取り払われ、整然と並んだポプラの林なんてのが
よくありまあすね。
野生生物資源(リソース)というのは単一目的のためだけに
調整すると、一時代の風物にはなるけれど、生物の歴史何億年
という生命力を失います。
これは メッセージ 45113 (s378zztt7 さん)への返信です.
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