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A. ダービー著「ハプーン」4

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/05/20 02:34 投稿番号: [44075 / 62227]
(つづき)

環境保護団体が最高級のレベルで変革を行うことができるという
証明が必要なら、これがその格好の例だろう。米国代表ジョン・マキュー
(John McHugh)が1971年に憂慮した魔法使いの弟子が、諸国政府を
使って鯨類保護というマジックを実現したのである。

これほど大胆な行動を、コストをかけずに出来ると誰が思うだろうか?
セイシェルがただではすまないと知ることになった。

「我が国政府は、このような範囲の供与を貴国になすことについて、
分岐した見解を調整することの困難に直面している」と日本国大使は
セイシェルに対する水産援助について書き送った。「特に日本の
水産業界が、貴国政府のIWCにおける態度にかんがみ、援助に強力に
反対している」と。

「したがってこの観点から現在本官が言いうることは、もし将来
貴国政府がIWCにおける日本に対する態度を転換させるならば、
我が国政府はセイシェルに対する援助を延長する可能性を見いだす
ということである。」

この点を巡って、IWCの下劣な競争がはじまった。世界の国の数を
めぐる容赦のない政治が、捕鯨者たちの閉鎖的なクラブという小組織の
日々に終止符をうった。行動は国際取引の玉石混淆の市場へと下落した。

クラブが鯨をひどい状態で失ったのは明らかだった。これからはこの
動物のことをほんとうにはよく知らない国々が、鯨を売り買いの材料に
することになりかねないという状況になった。

IWCメンバー国にとって、これはボルト/ナット外交の促成学習だった。
オーストラリアのIWC代表、デレック・オヴィントン(Derrick Ovington)
はアルファベット順で隣席のアルゼンチン代表が、良い人ではあるけれど、
科学的基礎知識がかけていると見た。込み入った課題に関しては、
アルゼンチン代表は豪州国立公園&野生生物部門を運営する植物学教授、
オヴィントンに依存することで満足していた。

反対側の隣のブラジル代表は打ち解けるのが難しかった。彼は晩餐の席で
過剰なお世辞に取り囲まれることを好んでいた。結局オヴィントンは、
どっちつかずのブラジルが採決では棄権することを勧めるのが最良と考えた。

(つづく)
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