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A. ダービー著「ハプーン」2

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/05/17 19:33 投稿番号: [44038 / 62227]
’HARPOON’ by Andrew DARBY、121−122頁
(つづき)

それでもシエラ号は捕鯨を続けた。ワトソンがシーシェパード号に
乗って水平線の彼方からやってくるまでは、である。このとき
ワトソンは大平原のアメリカ野牛絶滅について考えていた。
かつて空想していた、シャーマン戦車でバッファローハンターに
挑戦するという情景を思い浮かべながらである。

「シエラ、シエラ」とワトソンは船舶無線で1979年7月15日に
呼びかけた「神の罰あれ鯨ごろしの魔女の息子よ、あんたらの
キャリアは今日でおわりだ。」

ポルトガル北部のレショー?(Leixoes)港まで追跡してワトソンは
シーシェパード号のパワーを上げ、シエラ号に激突した。
数分間の激情とともに、反捕鯨直接行動の様相が一変した。
779トンの元北海トロール船を改造したシーシェパード号は船首部に
コンクリートを詰めており、これでまずシエラ号の船首にあて、
続いて右舷に激突して穴をあけた。シエラ号は大破してドックに
到着したが浮いてはいた。

唯一の負傷者は、のちにシエラ号クルーに謝罪に行った時に殴られた
元シーシェパード乗組員だけだった。ワトソンは短期拘束された。
シーシェパード号が押収(対敵給付)されるぐらいならと、ワトソンは
船底の海水弁を開けて沈めた。シエラ号は修理されたが、ふたたび捕鯨に
でかけるかのように見えたとき、軍事的技能をもった3名の身元不詳破壊者
により吸着爆弾で沈められた。

「われわれは船と船を交換したのだ。だけれどもこれは大きなトレードだった。
われわれの船と、何百という鯨の命とのトレードでもあったのだから。
さもなくばシエラにやられていたはずのね」とワトソンは言う。

数ヶ月のうちに他の海賊捕鯨船もこの船団から退役した。2隻は南アフリカに
差し押さえられ、アストリッドはより危険の少ない鮪ビジネスに転換した。
シーシェパード保全協会がカナリー諸島一帯のドックに、この船を沈没
させることに対して懸賞金を掛けたことに触発されたのである。
この数ヶ月のうちに、更に2隻のスペイン捕鯨船が吸着爆弾で沈没させられたが、
この件は未解明である。

海賊捕鯨の破壊的な社会悪は他のところでも生じていた。
カーターはチリ、ペルー、韓国、スペイン、フィリピン、台湾の非IWC捕鯨
を追跡し、これを主要に大洋漁業と結びつけた。当時日本捕鯨協会で
もっとも影響力のあった企業である。

「これらの操業は日本の資本、船舶、装備、専門技術および鯨肉の
輸入市場に大きく依存したものであり、日本の捕鯨植民地に近いと
言えるようなものだった。」

これらのことでしだいに、捕鯨政策というものがふしだらで野放しのものだ
という印象が生まれてきた。ちょうどオーストラリアの動物愛護活動家
リチャード・ジョーンズ(Richard Jones)が、1978年IWCロンドン会議で
日本とアイスランドの代表団書類越しに、スーツを着た代表団に赤い液体を
ふりかけたように。

これは環境保護主義主流の望むところではなかった。
力によるプロテストが世論の支持にダメージを与えるというリスクから、
彼らはこれには冷淡で、かわりにIWCの数を変えると決めた。

反核の冒険家でグリーンピースのトップに登りつめていたデヴィッド・
マクタガートはこう表現した。「これは古来のストラテジーである。
彼らを叩くことができないならば、彼らに合流せよ...そして叩け。」

取り憑かれたようなイメージメーカー、マクタガードは加盟国の構成変化
をgreen coup(グリーン・クー<デター>/緑の大当たり)と描くことを
好んだ。

眠気を誘うクラブIWC諸国は環境非政府組織(NGO)に揺さぶられた。
実際には加盟国数は1973年の14カ国から着実に増え続けていた。

捕鯨の歴史は無いが国際主義に関心を持つ国々、たとえばスウェーデンや
スイスが会議に加わっていた。オーストラリアのように立場を転換した
国々もあった。委員会はみずからの歴史を性急に切り替え、理想の
擁護運動者となった。


(つづく、かもしれない)
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