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1982年IWCモラトリアム決定の瞬間2

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/04/13 07:36 投稿番号: [43431 / 62227]
附表10の追加条項部分、公定訳だと以下のようになってます。

『(e)この10の他の規定にかかわらず、あらゆる資源についての
商業目的のための鯨の捕獲頭数は、千九百八十六年の解体処理場
による捕鯨の解禁期及び千九百八十五年から千九百八十六年までの
母船による捕鯨の解禁期において並びにそれ以降の解禁期において
零とする。この(e)の規定は、最良の科学的助言に基づいて
検討されるものとし、委員会は、遅くとも千九百九十年までに、
この(e)の規定の鯨資源に与える影響につき包括的評価を行う
とともにこの(e)の規定の修正及び他の捕獲頭数の規定につき
検討する。』

どっちにしても、日本のメディアでよく言われてるような、1990年
までにゼロ以外の捕獲枠を出す、なんてことは言ってません。

1990年のIWC総会前の科学委員会だと思ったけれど、
期間が短すぎて効果は認識できなかった、という結論に
なってますね。これも「最良の科学的助言」には違いない。

実際のところ、従来型の「資源量/ストック=系群」推定法
だと、8年間で特定系群(ストック)の生息数がどう変わった
かとか、80年間で南極のミンク鯨が8倍になったとか、
そういう数値が出るわけがないのはわかってるのです。
(水産庁、鯨研だと、「ストック=資源」と機械的に訳してる場合が
ほとんどで、「系群」としなきゃ意味がまったく通じない場合でも、
かなりそうやってます。)

この条項を作ってる時に、ほんとうにわかってる人が考えてた
のは、個体群動態モデルの枠組み、考え方を変えるということで、
ジャスティン・クックやウィリアム・デラマーレはすでに
そういう作業をはじめてましたね。

正木さんや田中(昌)さんがどこまでそういうことを意識して
科学委員会に出席していたのかわからないけれど、世代が
違いますね。このあと、櫻本さんという、もう少し年齢の
若い人が出てくるんだけれど、年が若けりゃそれでよい
ということではないらしい。

この年にはシドニー・ホルトはもう国連FAOを定年退職していて、
昔からよく漁業指導に行っていたので、総督や水産・海洋環境
担当者と親しいセイシェルの代表団アドバイザー兼科学委員を
やってますね。当時のセイシェル政府中枢部は珊瑚礁保護にも熱心で、
そもそも海が好きな高学歴者たちだし、この時期に英国のIWC
政府代表団メンバーに入ってるピーター・スコット卿
(当時WWF会長)とよく海で遊んでたみたいですね。

サー・ピーター・スコットというのは、南極探検で有名なロバート・ファルコン・
スコットと、非常にリベラルな芸術家、キャサリン(旧姓)ブルースの息子で、
名付けの親は「ピーター・パン」の著者サー・ジェームス・マシュー・バリーです。
大人になりたくなかった人w
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