ホルト1979年サイエンス誌論文
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/04/08 23:46 投稿番号: [43358 / 62227]
20 July 1979, Volume 205, Number 4403
SCIENCE. VOL. 205, 20 JULY 1979
【Management of Multispecies Fisheries】
Robert M. May, John R. Beddington, Colin W. Clark,Sidney J. Holt,
Richard M. Laws
[要 約]
従来の商用魚ストックの多くが過剰漁獲されるにつれ、新しい
種類の食糧を海から収穫しようという関心が高まってくる。
特に、ナンキョクオキアミ漁獲産業が伸びてきており、
南大洋エコシステムを管理する健全な原則についての合意が
必要とされる。
シンプルなモデルを使って、マルチ生物種食物網(ウェブ)が、
異なった被食/捕食段階の生物種を漁獲することに対して、
どう反応するかを、われわれはここで議論する。このような、
生物学的、経済学的な洞察は南大洋と北海の漁業をめぐる
議論ではすでに応用されており、なんらかのマルチ生物種漁獲
に関する一般原則を確立することが宣言されている。
[本 文]
いくつかのメジャーな漁業が崩壊し、漁業の自国海域、国際
海域の区分が確立し、食糧への需要は増大している。こうした
中で「非従来型」の海洋生物ストックへの関心が高まっている(1)。
これらの生物は、現在漁獲されている種類よりも低い栄養段階
(被食/捕食段階)にあることが一般的であり、彼らは多くの
場合、他の漁獲ストックへの食糧提供者である。
このような例が南大洋で起っている。ここではヒゲクジラ類の
過剰漁獲でそのバイオマスは初期バイオマス量の6分の1に
低下したと推定されている(2)。
単純な推定によれば、ナンキョクオキアミEuphausia superba
の「余剰」が生じたことになり、もはやヒゲクジラ類に消費
されないオキアミ量が、大雑把に言って年間1億5000万トン
発生したことになる(2,3)。
この「余剰」オキアミを漁獲することについての議論が
近頃さかんに行われている。実際に年間10万トンほどの
オキアミがすでに漁獲されている。
しかしEuphausia superbaは多数の生物種にとっての主要食糧
ソースなのである。鯨類、アザラシ・オットセイ類、海鳥、
ペンギン、魚類、イカ等頭足類が南極圏ではナンキョクオキ
アミを餌にしている(4,5)。オキアミ漁がすでに縮小、
枯渇しているヒゲクジラ類に与える影響や、他の生物類に
与える影響が憂慮されている(6)。南極海洋生物保存条約
(CAMLR条約)を法制化しようという南極条約諸国の現在の
努力には、この憂慮が根底にある。このCAMLR条約はオキアミ
漁と他の生物種との調和を、南極圏生態系のすべての生物種
を含んだ長期的保存という枠組みの中で達成することを目的
としている。
北海の商用漁業も生物種間の競合効果と、被食者・補食者
相互作用を問題として提起している。10年以上にもわたり、
過剰漁獲によってニシンとサバの資源量と漁獲高が低下して
いる。しかし水産業全体の水揚げ高はあまり変動していない。
これは大型タラ目(タイセイヨウダラ、サイテ、コダラおよび
ホワイトリング)と他の小型魚(ノルウェイポウト、スプ
ラット、イカナゴ類)個体群が増大したせいだろう。
この増大は、ニシンとサバのストックが減ったため、他の魚の
稚魚期、幼魚期での被食が減り、生き残り率を高めたという
のが考えられる理由だ。
(つづく)
SCIENCE. VOL. 205, 20 JULY 1979
【Management of Multispecies Fisheries】
Robert M. May, John R. Beddington, Colin W. Clark,Sidney J. Holt,
Richard M. Laws
[要 約]
従来の商用魚ストックの多くが過剰漁獲されるにつれ、新しい
種類の食糧を海から収穫しようという関心が高まってくる。
特に、ナンキョクオキアミ漁獲産業が伸びてきており、
南大洋エコシステムを管理する健全な原則についての合意が
必要とされる。
シンプルなモデルを使って、マルチ生物種食物網(ウェブ)が、
異なった被食/捕食段階の生物種を漁獲することに対して、
どう反応するかを、われわれはここで議論する。このような、
生物学的、経済学的な洞察は南大洋と北海の漁業をめぐる
議論ではすでに応用されており、なんらかのマルチ生物種漁獲
に関する一般原則を確立することが宣言されている。
[本 文]
いくつかのメジャーな漁業が崩壊し、漁業の自国海域、国際
海域の区分が確立し、食糧への需要は増大している。こうした
中で「非従来型」の海洋生物ストックへの関心が高まっている(1)。
これらの生物は、現在漁獲されている種類よりも低い栄養段階
(被食/捕食段階)にあることが一般的であり、彼らは多くの
場合、他の漁獲ストックへの食糧提供者である。
このような例が南大洋で起っている。ここではヒゲクジラ類の
過剰漁獲でそのバイオマスは初期バイオマス量の6分の1に
低下したと推定されている(2)。
単純な推定によれば、ナンキョクオキアミEuphausia superba
の「余剰」が生じたことになり、もはやヒゲクジラ類に消費
されないオキアミ量が、大雑把に言って年間1億5000万トン
発生したことになる(2,3)。
この「余剰」オキアミを漁獲することについての議論が
近頃さかんに行われている。実際に年間10万トンほどの
オキアミがすでに漁獲されている。
しかしEuphausia superbaは多数の生物種にとっての主要食糧
ソースなのである。鯨類、アザラシ・オットセイ類、海鳥、
ペンギン、魚類、イカ等頭足類が南極圏ではナンキョクオキ
アミを餌にしている(4,5)。オキアミ漁がすでに縮小、
枯渇しているヒゲクジラ類に与える影響や、他の生物類に
与える影響が憂慮されている(6)。南極海洋生物保存条約
(CAMLR条約)を法制化しようという南極条約諸国の現在の
努力には、この憂慮が根底にある。このCAMLR条約はオキアミ
漁と他の生物種との調和を、南極圏生態系のすべての生物種
を含んだ長期的保存という枠組みの中で達成することを目的
としている。
北海の商用漁業も生物種間の競合効果と、被食者・補食者
相互作用を問題として提起している。10年以上にもわたり、
過剰漁獲によってニシンとサバの資源量と漁獲高が低下して
いる。しかし水産業全体の水揚げ高はあまり変動していない。
これは大型タラ目(タイセイヨウダラ、サイテ、コダラおよび
ホワイトリング)と他の小型魚(ノルウェイポウト、スプ
ラット、イカナゴ類)個体群が増大したせいだろう。
この増大は、ニシンとサバのストックが減ったため、他の魚の
稚魚期、幼魚期での被食が減り、生き残り率を高めたという
のが考えられる理由だ。
(つづく)
これは メッセージ 43357 (aplzsia さん)への返信です.
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