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Re: セミ鯨の枯渇原因/NHK

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/09/01 08:07 投稿番号: [37650 / 62227]
>密度議論は不毛と言ったかと思えば、今度はまた密度に縋るのか(苦笑)。

議論のあの段階では、まだ実際に太地の沖を回遊していたセミクジラの
グループがどういう経路、範囲を何月にどう動いていて、他のグループは
どうだったのかということを明らかにしていなかったから、ヤンキー捕鯨と
日本の「古式」捕鯨の捕獲密度を比べても無意味だといったまでです。

今だったらもう大村さんの日本海系群、太平洋系群の2系群説、それに
対するクラパム他の不確実説を含めて、ある程度の系群の輪郭がわかって
いるので密度に関する議論は可能です。特にクラパム(グラハムではない)他
のモーリー鯨チャートパラフレーズ版で話がはっきりします。

昔は太平洋中心部にもセミクジラが多く分布し、それが夏には高緯度
地方へ高密度で集まるので、夏に集中するヤンキー捕鯨の捕獲圧は、
現代の個体群よりはるかに多様な各系統群に均等に分散していた、
という結論が出るということです。

鯨でもサバでも、広い海をランダムに動き回ってるわけじゃないですよ。
生殖関係のある系統群というのがちゃんとあって、一定の行動範囲を
もっていて、ある系統群に壊滅的打撃をあたえたからといって、
他の系統群がすぐにこれを補完するというわけじゃあないです。

日本近海のセミクジラで、大村説に従うと、日本海側系群を乱獲で
半分に減らしても、何年か後に太平洋側系群の25%が日本海側へ
移動し、双方75%ぐらいに均衡するとか、そういうことはおこらない
ということです。クラパム、グッド、クィン、リーブス、スカーフ、
ブラウネルは、査読論文でこの系群分離がまだはっきりとは言えない
と言ってますが、セミクジラの「保守的」摂餌場経路を考えれば、
一方の壊滅的打撃は相当期間痕跡として残るか、あるいはいずれかの
時点で破局につながるということになります。

(スカーフとブラウネルは、大村さんが論文で謝辞を述べている人たち
だね。大村さんたちの時代には、たとえ意見が違っても、学者同士互いに
同僚として友好的に付き合えたのにねえ。)
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