Re: IWC専門家パネルによるJARPN II審議
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/05/04 07:29 投稿番号: [34094 / 62227]
http://www.iwcoffice.org/_documents/sci_com/SC61docs/SC-61-Rep1.pdf
REPORT OF THE EXPERT WORKSHOP TO REVIEW THE ONGOING JARPN II PROGRAMME
(つづき)
[鯨類の餌種選好]
三陸沿岸海域におけるナミミンククジラの餌種選好研究の結果がSC/J09/JR10に示されている。
餌種選好を推定するために、ナミミンククジラのサンプル採取と餌種調査が同海域、同時期に
行われた(4月)。分析には餌種選好インデックスとしてマンリーのαが使用された。(*)
ナミミンククジラはオキアミ、カタクチイワシ、イカナゴ(成魚)を摂食した。これらは
地元の商用漁業にとって重要な魚種である。
ナミミンククジラはイカナゴ成魚に対する選好を示した。他の海域からもすでに報告されて
いるように、オキアミはミンククジラにとって好んで選ぶ餌ではない。生態系モデル化作業
(SC/J09/JR14後述参照)が示すように、関数的反応の形を変えることにより、ミンククジラ
の捕食がイカナゴに与える影響が大きく動くという効果が出る。関数的反応は、長期的な餌種
選好のデータが得られた場合に推測可能となる。
釧路沿岸のナミミンククジラによる餌種選好の研究成果はSC/J09/JR11に示されている。
結果が示すのは、大陸斜面領域で海表温18°C以下のところで、中深層、漸深層ともに豊富な
餌種環境を形成しているということである。ナミミンククジラは親潮に影響された豊富な
餌環境を選好し、スケトウダラ、サンマ、オキアミ類が分布する大陸棚海域のみならず、
サンマとオキアミ類が分布する外洋部も好みうる。未成熟のナミミンククジラがスケトウダラ
を好み、成熟獣はサンマを選好するということが示されたが、いくらかの年では双方とも、
釧路沖50海里以内でカタクチイワシを頻繁に摂食した。
[生態系モデル構築への可能性を秘めたその他の情報]
春シーズンの三陸エリアにおけるナミミンククジラの体のサイズ、成熟度と摂食習慣の関係が
SC/J09/JR12に示されている。検査された鯨の総数は227頭(雄91、雌136)であった。
胃の中に見つかったのはオキアミ、イカナゴ、カタクチイワシの3種類であり、最も卓越
していた餌種はイカナゴ、これに続いてカタクチイワシであった。2頭以外はすべて水深
20−100mのところで発見された。目視ポイントに関し、雌雄、成熟未成熟、3種の餌種に
明らかな差異はなかった。体長および性的成熟度の違いによる消費餌種頻度の検査は、
ほとんど差を示さなかった。
秋期の釧路エリアにおけるナミミンククジラの体のサイズ、成熟度と摂食行動の関係は
SC/J09/JR13に報告されている。検査された鯨の総数は254頭(雄182頭、雌72頭)であった。
胃の中の餌種は成熟度によって明瞭な差があった。小さく、未成熟な鯨はスケトウダラと
オキアミを摂食する傾向があるのに対し、大きく成熟した鯨はサンマの摂食に傾斜する。
スルメイカを消費するのは成熟した鯨のみであった。カタクチイワシは未成熟鯨、成熟鯨
ともに等しく消費した。
秋の釧路沿岸海域では、ナミミンククジラは成熟度合いによって回遊と餌種選好に違いが
あり、大陸棚および大陸斜面領域で未成熟鯨が成熟鯨よりも強くソケトウダラとオキアミを
選好するという結果が示された。
4.2.2.提出された成果に対する専門家パネルの審議(レビュー)
沿岸部と沖合コンポーネントで使用された方法に類似性があるため、この節に対するパネルの
見解は4.3.2節にまとめる。
=========================
(*)マンリーのα:これはウズラに赤と青の餌ペレットを与えて、どちらかをより
強く選好して食べたかということが言えるかどうかを数学的、統計学的にエレガントに
解いた実験なのだけれど、ウズラがどちらかを選好するという生物学的な動機、必然性
は問題にしてないです。The American Naturalist誌に1972年、B.F.J. Manly,
P.Miller & L.M.Cookが連名で書いた元論文は高校生にもわかるチャーミングな論文で、
英語と数学と生物学の一挙実力総アップに、高校で使ったらいいと思うのだけれど、
年間数十億円かけてる国策研究で、鯨の餌選好に関する考察がこれだけというのは
ちょっとねえ...
REPORT OF THE EXPERT WORKSHOP TO REVIEW THE ONGOING JARPN II PROGRAMME
(つづき)
[鯨類の餌種選好]
三陸沿岸海域におけるナミミンククジラの餌種選好研究の結果がSC/J09/JR10に示されている。
餌種選好を推定するために、ナミミンククジラのサンプル採取と餌種調査が同海域、同時期に
行われた(4月)。分析には餌種選好インデックスとしてマンリーのαが使用された。(*)
ナミミンククジラはオキアミ、カタクチイワシ、イカナゴ(成魚)を摂食した。これらは
地元の商用漁業にとって重要な魚種である。
ナミミンククジラはイカナゴ成魚に対する選好を示した。他の海域からもすでに報告されて
いるように、オキアミはミンククジラにとって好んで選ぶ餌ではない。生態系モデル化作業
(SC/J09/JR14後述参照)が示すように、関数的反応の形を変えることにより、ミンククジラ
の捕食がイカナゴに与える影響が大きく動くという効果が出る。関数的反応は、長期的な餌種
選好のデータが得られた場合に推測可能となる。
釧路沿岸のナミミンククジラによる餌種選好の研究成果はSC/J09/JR11に示されている。
結果が示すのは、大陸斜面領域で海表温18°C以下のところで、中深層、漸深層ともに豊富な
餌種環境を形成しているということである。ナミミンククジラは親潮に影響された豊富な
餌環境を選好し、スケトウダラ、サンマ、オキアミ類が分布する大陸棚海域のみならず、
サンマとオキアミ類が分布する外洋部も好みうる。未成熟のナミミンククジラがスケトウダラ
を好み、成熟獣はサンマを選好するということが示されたが、いくらかの年では双方とも、
釧路沖50海里以内でカタクチイワシを頻繁に摂食した。
[生態系モデル構築への可能性を秘めたその他の情報]
春シーズンの三陸エリアにおけるナミミンククジラの体のサイズ、成熟度と摂食習慣の関係が
SC/J09/JR12に示されている。検査された鯨の総数は227頭(雄91、雌136)であった。
胃の中に見つかったのはオキアミ、イカナゴ、カタクチイワシの3種類であり、最も卓越
していた餌種はイカナゴ、これに続いてカタクチイワシであった。2頭以外はすべて水深
20−100mのところで発見された。目視ポイントに関し、雌雄、成熟未成熟、3種の餌種に
明らかな差異はなかった。体長および性的成熟度の違いによる消費餌種頻度の検査は、
ほとんど差を示さなかった。
秋期の釧路エリアにおけるナミミンククジラの体のサイズ、成熟度と摂食行動の関係は
SC/J09/JR13に報告されている。検査された鯨の総数は254頭(雄182頭、雌72頭)であった。
胃の中の餌種は成熟度によって明瞭な差があった。小さく、未成熟な鯨はスケトウダラと
オキアミを摂食する傾向があるのに対し、大きく成熟した鯨はサンマの摂食に傾斜する。
スルメイカを消費するのは成熟した鯨のみであった。カタクチイワシは未成熟鯨、成熟鯨
ともに等しく消費した。
秋の釧路沿岸海域では、ナミミンククジラは成熟度合いによって回遊と餌種選好に違いが
あり、大陸棚および大陸斜面領域で未成熟鯨が成熟鯨よりも強くソケトウダラとオキアミを
選好するという結果が示された。
4.2.2.提出された成果に対する専門家パネルの審議(レビュー)
沿岸部と沖合コンポーネントで使用された方法に類似性があるため、この節に対するパネルの
見解は4.3.2節にまとめる。
=========================
(*)マンリーのα:これはウズラに赤と青の餌ペレットを与えて、どちらかをより
強く選好して食べたかということが言えるかどうかを数学的、統計学的にエレガントに
解いた実験なのだけれど、ウズラがどちらかを選好するという生物学的な動機、必然性
は問題にしてないです。The American Naturalist誌に1972年、B.F.J. Manly,
P.Miller & L.M.Cookが連名で書いた元論文は高校生にもわかるチャーミングな論文で、
英語と数学と生物学の一挙実力総アップに、高校で使ったらいいと思うのだけれど、
年間数十億円かけてる国策研究で、鯨の餌選好に関する考察がこれだけというのは
ちょっとねえ...
これは メッセージ 34093 (aplzsia さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/1834578/a45a4a2a1aabdt7afa1aaja7dfldbja4c0a1aa_1/34094.html