Re: なぜ“捕鯨サークル”を3ヨコ
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/04/11 10:22 投稿番号: [33255 / 62227]
(つづき)
rさんが以前から強調しているように、単一系群管理の枠内だったら、
妊娠率―>出産率と死亡率の、いわば差による増殖率というのは、本来
そう重要ではないし、統計数値が粗すぎたら不確実性が大きいという
理解で、その分捕獲枠を低く出せば良いという、まあ大雑把に言って
そういう解決でよいわけです。
だけれども水産庁、鯨研が主張しているのは、単なる単一系群管理のため
ではなく、生態系の中における鯨類の役割ということですね。
ここで死亡率がマイナスになるというと、かなりひどいシステムの誤動が
起ります。
2月13日サイエンス誌で紹介されていたような、一つ一つの動物種の死亡率
や摂食率が他の動物の増殖や減少に連動するという場合ですね。
たとえば、ミンククジラの死亡率は、(密度依存型の自然死亡率 + シャチ
等による捕食死亡率 + 捕鯨による死亡率) というふうに要素に分解して
扱われます。
ここで密度がある時点で、ミンククジラにとって有利に推移していると
すると、その時にこの項の死亡率への寄与は微分的にマイナス方向になり
ます。
それを打ち消す形でシャチの捕食が全体の死亡率をプラスに保つのですが、
ここまではよろしいでしょうか。
この他に更に他海域からの移入、移出の年齢構成が同一年齢群のみかけの
死亡率に影響を与えるのですが、こういった項目がいくつか重なって
くるともう、われわれの普通の直観ではどの項目の誤差のかたよりが
どう作用するのかということがわからなくなります。
そのように十分事柄が見えにくくなった時に、方程式にマイナス死亡率を
含んだ確率分布をインプットすると、ある局面で「シャチが鯨を食う(+)」
という項目が「鯨がシャチを食う(-)」という項目に自動的に変換される
ということが起こりえます。
それに気付かずにそのまま膨大な連立方程式を20年間分シミュレーション
で走らせると、とんでもない結果がでます。
とんでもない結果を見て、なぜそうなったのかという原因「鯨がシャチを
食う」という本来ありえない現象を、モデルが勝手につくってしまったから
だというふうに気がつくのには、ものすごい時間と人手がかかります。
ですから、本来「生物学的にはありえない現象」というのが、データで
出てきてしまったときは、どうそれを取り扱うのかということを、システム
内部でプロトコル化しておく必要があるのです。
そういう発想にまったく思い至らなかったのが2006年12月の鯨研/水産庁
だったのですが、それがSC59-Rep1 というIWC科学委員会小委員会の検討結果
報告に歴然と残っているのです。これは見る人が見れば大問題ですよ。
はっきりいって、こんな馬鹿な人たちに国際公共資産の管理なんか任せて
おけないのです。
「統計ではありえないマイナス値が出てもあたりまえ」と暢気なことを
言っていられた時代はもうとっくに終わっています。
付記しておくと、エコパス/エコシムver.5では、こういう問題は起こり
えないようになっています。だけど、そういうことを知らずに、自動的に
走らせて、オッケーかというとそうでもないです。
rさんが以前から強調しているように、単一系群管理の枠内だったら、
妊娠率―>出産率と死亡率の、いわば差による増殖率というのは、本来
そう重要ではないし、統計数値が粗すぎたら不確実性が大きいという
理解で、その分捕獲枠を低く出せば良いという、まあ大雑把に言って
そういう解決でよいわけです。
だけれども水産庁、鯨研が主張しているのは、単なる単一系群管理のため
ではなく、生態系の中における鯨類の役割ということですね。
ここで死亡率がマイナスになるというと、かなりひどいシステムの誤動が
起ります。
2月13日サイエンス誌で紹介されていたような、一つ一つの動物種の死亡率
や摂食率が他の動物の増殖や減少に連動するという場合ですね。
たとえば、ミンククジラの死亡率は、(密度依存型の自然死亡率 + シャチ
等による捕食死亡率 + 捕鯨による死亡率) というふうに要素に分解して
扱われます。
ここで密度がある時点で、ミンククジラにとって有利に推移していると
すると、その時にこの項の死亡率への寄与は微分的にマイナス方向になり
ます。
それを打ち消す形でシャチの捕食が全体の死亡率をプラスに保つのですが、
ここまではよろしいでしょうか。
この他に更に他海域からの移入、移出の年齢構成が同一年齢群のみかけの
死亡率に影響を与えるのですが、こういった項目がいくつか重なって
くるともう、われわれの普通の直観ではどの項目の誤差のかたよりが
どう作用するのかということがわからなくなります。
そのように十分事柄が見えにくくなった時に、方程式にマイナス死亡率を
含んだ確率分布をインプットすると、ある局面で「シャチが鯨を食う(+)」
という項目が「鯨がシャチを食う(-)」という項目に自動的に変換される
ということが起こりえます。
それに気付かずにそのまま膨大な連立方程式を20年間分シミュレーション
で走らせると、とんでもない結果がでます。
とんでもない結果を見て、なぜそうなったのかという原因「鯨がシャチを
食う」という本来ありえない現象を、モデルが勝手につくってしまったから
だというふうに気がつくのには、ものすごい時間と人手がかかります。
ですから、本来「生物学的にはありえない現象」というのが、データで
出てきてしまったときは、どうそれを取り扱うのかということを、システム
内部でプロトコル化しておく必要があるのです。
そういう発想にまったく思い至らなかったのが2006年12月の鯨研/水産庁
だったのですが、それがSC59-Rep1 というIWC科学委員会小委員会の検討結果
報告に歴然と残っているのです。これは見る人が見れば大問題ですよ。
はっきりいって、こんな馬鹿な人たちに国際公共資産の管理なんか任せて
おけないのです。
「統計ではありえないマイナス値が出てもあたりまえ」と暢気なことを
言っていられた時代はもうとっくに終わっています。
付記しておくと、エコパス/エコシムver.5では、こういう問題は起こり
えないようになっています。だけど、そういうことを知らずに、自動的に
走らせて、オッケーかというとそうでもないです。
これは メッセージ 33254 (aplzsia さん)への返信です.
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