Re: サイエンス誌2月13日号の論文
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/02/28 10:18 投稿番号: [32340 / 62227]
>ペルー沖のアンチョビーです。
>あそこは南氷洋のザトウクジラの回遊コースになっていますね。
>あそこには生産性の高いといわれる湧昇流(0.02Kg/m^2・y)があります。
サイエンス誌記事の脚註にクジラの回遊に関する論文がいくつか挙げられていて
おもしろいので読んでいたのですが、ペルー沖アンチョビーを南極海から
北上してきたザトウクジラが冬に食べているという記述は無かったです。
サイエンス誌記事本文のほうでは、越冬繁殖海域での摂食量をまったくゼロ
にはしてないです。
年間必要エネルギー量から計算する摂食量を365で割って、さらにその10%分
を北西アフリカやカリブ海海域でクジラは冬に毎日食べていると計算してますね。
これが「最良推定値」としておかれていて、さらにこれが50%だとどうるか、
100%だったらどうなるかというやりかたで、想定幅の輪郭とモデルの感度を
見えやすくグラフで示しています。
北西アフリカで冬だからと年平均の10%しか食べていないクジラたちを排除すると、
増える漁獲は0.07%、クジラがもし年平均の半分のペースで食べていたとして
それを排除すると漁獲利得は0.15%。クジラが冬の熱帯だからといって手加減せずに
食べていたとすると取り除きによる魚の増分は0.26%という棒グラフです。
これがカリブ海となると最良推定(10%h消費)でのクジラ除外による魚類余剰が2.74%、
年平均の50%ペースで冬期のカリブ海のクジラが食べていたとすると、クジラ
排除による魚量利得は2.50%、冬にも遠慮なく100%食べるクジラという想定だと、
それを取り除いたときの漁業利得は2.62%と、小食なクジラを排除した時より
利得はやや少ないですね。
これが先頃からここで紹介されている「一対一の単純直観を覆す生態系の常識」です。
参照文献によると、ナガスクジラやシロナガスクジラ、ザトウクジラ、ミンククジラで、
ほとんど南北の回遊をしない小グループもわりとあるのだそうで、100%摂食の
可能性というのも完全には捨てきれないですね。
これは メッセージ 32210 (roranjapan さん)への返信です.
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