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Re: 胃内容物調査と脂肪酸分析(採点1)

投稿者: r13812 投稿日時: 2008/09/02 08:48 投稿番号: [27483 / 62227]
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/wild/1207822484/

663 :名無虫さん:2008/08/08(金) 18:25:46 ID:U8lSbhlZ
>>659
>いまナニを食べているかとか、捕食対象の推移をしることは重要だと思うんだけどどうだろう?

重要だけど、毎年鯨を1000頭殺して調べるほど重要かどうかというのは、研究の科学的質を
判断するうえでやはり重要だ。

上質の科学は、できるだけ研究対象を毀損せずに、毀損した場合と同等の結果を得ようと
努力するもんだ。その努力が新たな研究分野を開くことにもなる。

何を言ってるのか抽象的でさっぱりわからないと思うけど、わしもわからない。
わからないなりにいろいろ本を読むと、永久凍土の中から、7万5000年前の
鯨の骨を掘り出し、骨髄の中の油脂成分から自由コレステロールとコレステリル
脂肪酸エステルや地質化時に変成したさまざまな続成物を析出した人がいるそうだ。


664 :名無虫さん:2008/08/08(金) 18:26:19 ID:U8lSbhlZ
7万5000年前の鯨が何食べてたかなんて重要じゃないですか?

まあそう言わずに、この脂肪酸成分中の炭素13、窒素15といった、安定同位元素の
比率を調べ、そのピークの出方をグラフ用紙に表示する。
更に、同時期に海に住んでいたいろいろな小動物の同位元素比率を、同じ要領で
調べ、グラフを作って、これを鯨のグラフと比較すると、かなり正確に当時の鯨が
何をどれだけ食べていたか、ということがわかるそうだ。

古代の鯨でもここまでわかるんだから、現代の鯨なら、話はもっと簡単だ。
春のおわりに、ここでイワシの稚魚を食べている鯨(見れば何食べてるかわかるけど)が、
夏に北極近くまで北上して何に切り替えたかというのは(もうオキアミが圧倒的という
のは1950年代から良く知られているけど)、鯨の脂肪層で、短時間で生成される層と、
長時間かかって出来上がる層の成分を比較することでわかるし、髭の年輪組成で
読み取ることもできる。

海洋では、緯度によって炭素13と窒素15の同位元素構成比率が違うということが
わかっているから、何を食べているか(これはもう1980年代頃に分析手法が確立
されてた。当時は値段が高かったからあんまりやらなかったけど)、だけではなく
緯度をどのように移動しながら違う脂肪酸成分の獲物を食べているかという、
こともわかり、マトリックスができるようになってるようだね。
(以上、"Stable Isotopes in Ecology and Environmental Science"
ed. by Robert Michener & Kate Lajtha. 2nd Edition 2007. 所載のいろいろな
論文に書いてあります。)
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