業界側が言わなかったこと①/捕鯨総会総括
投稿者: kujira77777 投稿日時: 2007/06/08 03:09 投稿番号: [18973 / 62227]
第59回国際捕鯨委員会総会(5月28日〜31日アラスカ)を振り返って
− 水産庁の対応に「子供じみたかんしゃく」と世界があきれる
2007年6月7日
第59回国際捕鯨委員会(IWC)の総会が米国アラスカで世界中から70カ国以上の代表とNGOを集め、4日間の日程を経、5月31日に閉会した。グリーンピースもオブザーバーとしてこの総会に参加した。
結果として、クジラ保護国側が昨年までの捕鯨推進国側の勢いを大きく上回り、およそ8カ国から10カ国の大差をつけたまま、商業捕鯨のモラトリアムの必要を確認する決議を採択した。また、日本が投票をボイコットする中、日本の南極クジラ永久保護区での「調査」と称した商業捕鯨が強く非難される決議も可決された。
この状況で、日本政府はIWCの脱退などを示唆するなど挑戦的な態度を示したが、1982年の商業捕鯨モラトリアムが決定されたときからのヒステリックな「脱退」発言の繰り返しには多くの参加者があきれ、日本のわがまま外交が許されているIWCの現状を改善する必要性がより強く確認される結果となった。
以下に、今年のIWC総会の要点をまとめた。
1. 日本国内向けに作られたシナリオを演じる水産庁の外交
「捕鯨推進側が歩み寄りの姿勢を見せているのに、世界が裏切った」という内容の報道がIWC終了後、日本で広く流れた。この報道を聞いて、「米国を含めた捕鯨反対国はなんて理不尽なんだろう」という印象を持った日本人が多くいたはずだ。しかし、これは水産庁が日本人のナショナリズムをくすぐることで捕鯨賛成の意識を得ようと、IWCを通じて用意したシナリオと言える。
昨年のIWC以降、日本が唱える「IWCを正常化し、感情的で不毛な対立をやめて行きたい」という意向の具体的な内容とは、日本の沿岸捕鯨を国際捕鯨取締条約で認められている「原住民生存捕鯨」に準ずるものとして、海外に認めてほしいととの総会への訴えだ。しかし、これは、日本の沿岸捕鯨が原住民生存捕鯨ではないこと (注1)、それ以外のカテゴリーの商業捕鯨が現在禁止されていることから、認めるわけにはいかないとの反対意見が多数を占めた。
これに対し水産庁は、投票をボイコットしたり、総会の最後に数十分に及ぶ日本語でのスピーチを行い、「真摯な態度を示してきたのに、米国や欧米諸国が裏切り行為を行った」とするなどIWCの「被害者」を演じた。「裏切り」とは、原住民生存捕鯨に賛成した日本に対して、米国が日本の沿岸捕鯨に賛成しなかったことなどを指す。
南極で「調査」と偽り、絶滅危惧種のナガスクジラや、来年からザトウクジラまでを含めた合計1000頭以上のクジラを捕獲するなど世界で一番クジラを捕獲している日本が、IWCの「被害者」を演じる姿は、異様な風景だった。このスピーチのに対し、100名にも及ぶ日本の参加者が拍手喝采する姿は海外の参加者からみて気味悪くさえ感じられただろう。
もちろん、国際外交の場で「情け」が通じるわけもなく、代替案を出さずに会議の最後に「IWCから脱退する」などの感情的な発言で言い逃げした姿は、参加者からあきれた目で見られたというのが実際だ。国際会議の場では、その期間中に代替案をだすことで交渉を行っていくのがルールだろう。また、このIWC脱退発言は、1982年から続いているもので、特に新しいことではなく、日本の報道陣以外は特に驚きをもって受け取ることもない。後にオーストラリアの環境大臣は「子供じみたかんしゃく」と非難している。
総会中、普段は英語で話しているにも関わらず、米国の批判や不公平感、そしてIWCからの脱退をほのめかす際には日本語で発言をすることをみても、このメッセージは日本の報道向けに「日本は歩み寄りを見せたのに、世界が情けを見せなかった」というイメージを伝えるために用意されたものであることが明白だった。さらに、期間中には招待者だけが入れる記者会見を開き、それ以外の記者の出席を拒むなどの情報コントロールも行われた。
IWC期間中に被害者を演じた水産庁は、帰国後の記者会見で「IWC脱退は政府見解ではない」と答え、国際会議での重要な発言に事前の了解がなかったことを示すなど、外交としてのお粗末な状況も明らかにしている。
(注1) 日本政府は、アイヌ民族をはじめ国内の先住民の先住権はおろか、その存在さえ公式に認めず、国連の人権機関から度重なる勧告を受けている。さらに、アイヌ民族はその儀式等のために川から鮭を自由に捕獲することすら許されていない。
− 水産庁の対応に「子供じみたかんしゃく」と世界があきれる
2007年6月7日
第59回国際捕鯨委員会(IWC)の総会が米国アラスカで世界中から70カ国以上の代表とNGOを集め、4日間の日程を経、5月31日に閉会した。グリーンピースもオブザーバーとしてこの総会に参加した。
結果として、クジラ保護国側が昨年までの捕鯨推進国側の勢いを大きく上回り、およそ8カ国から10カ国の大差をつけたまま、商業捕鯨のモラトリアムの必要を確認する決議を採択した。また、日本が投票をボイコットする中、日本の南極クジラ永久保護区での「調査」と称した商業捕鯨が強く非難される決議も可決された。
この状況で、日本政府はIWCの脱退などを示唆するなど挑戦的な態度を示したが、1982年の商業捕鯨モラトリアムが決定されたときからのヒステリックな「脱退」発言の繰り返しには多くの参加者があきれ、日本のわがまま外交が許されているIWCの現状を改善する必要性がより強く確認される結果となった。
以下に、今年のIWC総会の要点をまとめた。
1. 日本国内向けに作られたシナリオを演じる水産庁の外交
「捕鯨推進側が歩み寄りの姿勢を見せているのに、世界が裏切った」という内容の報道がIWC終了後、日本で広く流れた。この報道を聞いて、「米国を含めた捕鯨反対国はなんて理不尽なんだろう」という印象を持った日本人が多くいたはずだ。しかし、これは水産庁が日本人のナショナリズムをくすぐることで捕鯨賛成の意識を得ようと、IWCを通じて用意したシナリオと言える。
昨年のIWC以降、日本が唱える「IWCを正常化し、感情的で不毛な対立をやめて行きたい」という意向の具体的な内容とは、日本の沿岸捕鯨を国際捕鯨取締条約で認められている「原住民生存捕鯨」に準ずるものとして、海外に認めてほしいととの総会への訴えだ。しかし、これは、日本の沿岸捕鯨が原住民生存捕鯨ではないこと (注1)、それ以外のカテゴリーの商業捕鯨が現在禁止されていることから、認めるわけにはいかないとの反対意見が多数を占めた。
これに対し水産庁は、投票をボイコットしたり、総会の最後に数十分に及ぶ日本語でのスピーチを行い、「真摯な態度を示してきたのに、米国や欧米諸国が裏切り行為を行った」とするなどIWCの「被害者」を演じた。「裏切り」とは、原住民生存捕鯨に賛成した日本に対して、米国が日本の沿岸捕鯨に賛成しなかったことなどを指す。
南極で「調査」と偽り、絶滅危惧種のナガスクジラや、来年からザトウクジラまでを含めた合計1000頭以上のクジラを捕獲するなど世界で一番クジラを捕獲している日本が、IWCの「被害者」を演じる姿は、異様な風景だった。このスピーチのに対し、100名にも及ぶ日本の参加者が拍手喝采する姿は海外の参加者からみて気味悪くさえ感じられただろう。
もちろん、国際外交の場で「情け」が通じるわけもなく、代替案を出さずに会議の最後に「IWCから脱退する」などの感情的な発言で言い逃げした姿は、参加者からあきれた目で見られたというのが実際だ。国際会議の場では、その期間中に代替案をだすことで交渉を行っていくのがルールだろう。また、このIWC脱退発言は、1982年から続いているもので、特に新しいことではなく、日本の報道陣以外は特に驚きをもって受け取ることもない。後にオーストラリアの環境大臣は「子供じみたかんしゃく」と非難している。
総会中、普段は英語で話しているにも関わらず、米国の批判や不公平感、そしてIWCからの脱退をほのめかす際には日本語で発言をすることをみても、このメッセージは日本の報道向けに「日本は歩み寄りを見せたのに、世界が情けを見せなかった」というイメージを伝えるために用意されたものであることが明白だった。さらに、期間中には招待者だけが入れる記者会見を開き、それ以外の記者の出席を拒むなどの情報コントロールも行われた。
IWC期間中に被害者を演じた水産庁は、帰国後の記者会見で「IWC脱退は政府見解ではない」と答え、国際会議での重要な発言に事前の了解がなかったことを示すなど、外交としてのお粗末な状況も明らかにしている。
(注1) 日本政府は、アイヌ民族をはじめ国内の先住民の先住権はおろか、その存在さえ公式に認めず、国連の人権機関から度重なる勧告を受けている。さらに、アイヌ民族はその儀式等のために川から鮭を自由に捕獲することすら許されていない。
これは メッセージ 18947 (kujira77777 さん)への返信です.
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